2024.05.15

月桃の花を食べてみる

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これまでいろいろな植物を食べてきたが、まだ食べていないものがあった。まさに今の季節あちらこちらで咲いている、月桃の花だ。

そういえばまだ食べていなかった月桃の花

我々DEEokinawaは2010年の開設以来14年に渡る歴史の中で、沖縄の道端や海辺に落ちているいろいろな植物や海藻を食べてきました。

もうほぼほぼ食べ尽くしてきただろうと思っていたのですが、そういえばまだ食べていないものがあったのです。
それが、まさに今がちょうど見頃となっている月桃の花。

月桃といえば沖縄ではそこらじゅうに生えており、葉はムーチーの包みとして、実は乾燥させて月桃茶などとして昔から利用されておりウチナーンチュにとても馴染みの深い植物です。

そんな月桃の花が開花する最盛期といえば、5〜6月にかけての梅雨の時期。
小さな白い粒が連なったすずらんのような花が咲き、雨に濡れる様子はとても美しいものです。

そんな月桃の花。葉や実は食用とされているのでおそらく花にも毒などは無いはずなのですが、花を食用にするという話はついぞ聞いたことがありません。ならば食べてやるのが我々です。

というわけで月桃の花をいくつか頂いてきました。レッツ・月桃クッキング♪

生食・甘酢漬け・天ぷら・炊き込みご飯

月桃の花には蜜を求めて蟻などがついていることがあるので、まずは根本までよく洗います。

白くて可憐なつぼみの状態から本格的に花が開くと未知のクリーチャーみたいにちょっとエグくなるの、ギャップがあって個人的に好き。

月桃の花の正しい調理法は分かりませんが、アクがあるかもしれないのでしばらく塩水に漬けておきます。
アク抜きした後の月桃を、まずは生で。


生け花みたいですが、食べます

一口食べるとぶわーっと強烈なショウガに似た風味が口の中に広がります。そう、月桃はショウガの仲間です。
食感はサクッとしていて悪くありませんが、噛めば噛むほどに口の中に青い草原が広がっていくイメージ...。若干スーッとした風味も感じられて......あ、これはあれだ。

噛むブレスケア。

餃子などのにんにく料理を食べた後のお口のエチケット、噛むブレスケア。あれですわ。
飲み込んだ後もふとした瞬間にお腹から香ってくるやつです。
ウチナーンチュの皆さんはニンニク料理を食べた帰りは月桃の花を一粒お口に放り込めばいいのではないでしょうか。これは新たな知見を得ました。

さて、お次は甘酢漬けを作っていきます。

つぼみを茎から外し軽く塩もみします。繰り返しになりますがこれが正しい調理法かどうかは不明です。

酢、砂糖、塩少々をまぜて甘酢を作ります。ちなみに茶色いのはきび砂糖の色。

水気を拭いたさきほどのつぼみと一緒に瓶の中へイン。この状態で冷蔵庫で半日ほど放置します。
さ、次は天ぷらの準備。

天ぷら粉を水で溶き、月桃の花に衣をまとわせます。

油の片付けが面倒なので揚げ焼きにしていきます。ちなみにこのあとつぼみから出てきた水分で油がバッチバチにはねて大惨事でした。アゲモノコワイ。ヤリタクナイ。

最後に月桃の炊き込みご飯です。

土鍋に通常通りの水量でお米を準備し、月桃の花とお酒と塩を少々入れて炊飯。

炊きあがってフタを取ると月桃の香りがふわ〜っと。つぼみの先のピンク色は加熱することで茶色っぽくなってしまうかと思いきや、そのまま残っていてきれい。
 

それではお食事のお時間です

いざ、月桃の花フルコース(といっても3品)をいただきましょう。

まずはこちら、ほぼ衣が剥げましたが天ぷらです。
だいたいのものは天ぷらにすれば美味しく食べられると思っているのですが果たして。

なんと、さきほど生食したときよりも風味が強烈に...!そして加熱したことでつぼみが固くなってしまいました。まだ生食のほうが食べやすいかも。天ぷらにすればなんでも美味しく食べられる説は早くも崩れ去りました。

お次は炊き込みご飯です。

まずは白ごはんの部分だけ食べてみると、ほんのり月桃の風味が移っていて美味しい!
味付けはしていないので味は特にないのですが、香り高くてかなり好きです。スパイスカレーとかに合わせても良さそう。

肝心の花はというと、天ぷらと同じく加熱することで固くなり、口の中に繊維が残る感じで美味しくは感じられませんでした。もしかしたら細かく刻んでから炊き込んだら良かったのかも?

最後は甘酢漬けです。
見た目はほぼ変化ありませんがどうでしょうか。

......うん、まずいなっ!

私が作った調味液が良くなかったのか漬け込み時間が足りなかったのか敗因ははっきりしませんが、もうはっきり言っちゃえるほどこれはおいしくなかったです。市販のカンタン酢とかピクルスの素とかに漬けたらまた結果は違っていたかもしれませんが。

というわけで月桃の花を生食・天ぷら・炊き込みご飯・甘酢漬けで食してみましたが、意外や個人的には生食がいちばんおすすめという結果となりました。次点は炊き込みご飯(ただし、ごはんだけ)。
とはいえ私の料理の腕に敗因がある気も大いにするので、我こそは!というお料理上手な方はいろいろ試してみて、そして何が美味しかったかぜひ教えていただければ幸いです。

そして忘れちゃいけない、「月桃の花=噛むブレスケア」というライフハックも是非覚えて帰ってくださいね。

さてさて、お次はどんな沖縄の植物を食べようかな。

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