• DEEokinawaトップ
  • 特集
  • 建物で沖縄らしさを残せ!沖縄住宅はリノベーションと相性がいいそうですよー!
2024.05.29

建物で沖縄らしさを残せ!沖縄住宅はリノベーションと相性がいいそうですよー!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
毎年年末にさようなら企画と題して閉店するお店の特集をやっているが、閉店理由で多いのが後継問題よりも「建物の老朽化」だと感じる。このまま建物がなくな入り続ければ、いつか沖縄は沖縄らしさをなくすのではないか。リノベーションという方法で救えるのか聞いてきた。

リノベーションってなに?

リノベーションとは老朽化した建物に工事を加えて価値をあげること。リフォームと似ていますが、不具合を直すのがリフォームで、間取りの変更なども行なったり根本から住環境をより良いものにすることがリノベーションでしょうか。
今回リノベーションに特化した会社として、アートアンドクラフトさんに話を聞いてきました。アートアンドクラフトさんはもともとは大阪の会社ですが、2012年に沖縄に進出。その理由は沖縄はコンクリート住宅が多いからだったそうです

リノベーションの実例を見せてもらった


写真提供:アートアンドクラフト

こちらはアートアンドクラフトさんが昔の自動車ホテルをリノベーションし、現在は運営も手がけるSPICE MOTEL OKINAWA。

写真は自動車ホテルだった頃。

ほぼ当時の姿を残しているという一室。
シャンデリアや壁の飾り付けモールは当時のままで、そこに合うビンテージ家具やフロアスタンドを備え付けているそうです。

昔の照明を直してLEDライトを入れたそうです
料金をやりとりする小窓も残っています


写真提供:アートアンドクラフト

一方こちらはアートアンドクラフトさんがリノベーションした民家。


写真提供:アートアンドクラフト

もともとは和室が3部屋とダイニングキッチンだったところを、壁を取り払って大きなリビングダイニングに。
キッチンや家具は新しいのに、新築にはない風格があります。

聞くところによると、どちらも1970年代に建てられた50年を超える建物だそうですが、リノベーションしたことで、なんとあと50年は保つそうです!

まだ残せた?残せる?

ざっと2つの建物を見せてもらいました。
本当のことを言うと話を聞くまでわたしは、築50年以上はそろそろ建物としては終焉。だからこそ築古物件は安く買える。その上で、新築や建売ではできない、内装や間取りを自由に変えられる選択肢としてリノベーションがあると思っていたのです。

でもリノベーションで建物が築100年まで安心だとすれば、あのお店も、あの建物も、もしかしたらみんなまだ残せたのではないの?と思ってしまうのです。

なくなったのはもう15年ぐらい前でしょうか
もちろんそんなに簡単ではないと思いつつも

どうすれば建物を残せるの?教えてアートアンドクラフトさん!

―― 最初の質問からぶっちゃけますが、リノベーションと新築がどちらが安いんですか?

正直、リノベーションが新築と同じぐらいの費用がかかる場合もあります。
沖縄で15年リノベーションを専門にさせてもらっているので、見た目である程度の予見はつくようになりましたが、戸建ては解体しないとわからない部分があります。具体的には天井に点検口がある場合はいいのですが、ない場合は天井を外して屋根の具合を見る必要があります。屋根のコンクリートが落ちてきそう、雨漏りがしている、などの場合は大きく修繕費用がかかります。
そういうことがない場合は内装だけでよく、新築よりも安くなります。

新しいスイッチなどもパーツもリノベーションとあうものを使う
使えるものは残す

―― 沖縄のコンクリートは珊瑚が混ざっているから弱いという噂は?

海洋博の建設が進んでいる時代には、すべてではないですが建材がなくて海砂を混ぜたりしてコンクリートの質が落ちたということもあったと思います。なので中にはあるかもしれませんが、一概に質が低い時代とまでは言えないです。

―― 逆にバブル期のものは建材の質がいいという噂も?

どこからの噂なんでしょうか(笑)
バブル期は建材の質というより、潤沢な資金があったのでいまよりも自由な設計で建てられたものが多い印象です。真ん中が空いている口の字型のマンションとか。現在はいかに効率よく建てるかなので、そういう設計も、いまではなかなか建てられません。

―― リノベーションを選択する人はどんな人が多いですか?

昔のおばあちゃんの家だとかの思いがある人、住宅を二世帯住宅に変えたい人、そしてまったくの第三者からの声もあります。
第三者とは家の持ち主とは縁もゆかりもないけれど「この建物が好きで住みたい!」という人。そんな場合は持ち主を探して、購入してもらってからリノベーションを一緒にします。

―― リノベーションをするときに気をつけないといけないことは?

リノベーションを検討している場合は、購入する前にまずは相談してほしいです。
先ほども言いましたが、実は新築よりも費用がかかってしまうことがあるので、家を買ってリノベーション用のローンも組んでから相談に来ていただいても、予算が大幅に超えてしまった場合にどうしようもなくなってしまうので。

―― リノベーションに不向きな家は?

家はちゃんとメンテナンスすると長く保てます。でも劣化が進むと修繕するのに莫大なお金がかかります。
屋根が最大の問題なので、「青空の見えている家は危険!」ということをお伝えしたいです。


屋根の補修をきちんとしているので、ここは100年住める住宅になったそうです

わたしたちはリノベーションで見栄えだけよくしても意味がないと考えていて、悪いところ危ないところは根本から直して、長く使える家を作りたいと思っています。販売している家にはあえて2階をスケルトンで内装のない状態にして、躯体の状態も見てもらい安心して住んでもらえる家を目指しています。
でも中には10年だけ住めればいいという場合もあるので、そのときは100年は持たないけど10年は危なくない修繕なども可能です。

―― 素敵な沖縄の昔の建物はどうやったら残せると思いますか?たとえばこんなの

タイルに望遠鏡見たいな窓枠がかわいい
廊下の柵がアーチ状のアパートとか

オーナーさんにわたしたちの思いが届け!としか。
メンテナンスするにしろ、解体するにしろ費用がかかるので、空き家の場合は本当に難しいです。何もしていない期間が長ければ長いほど家は劣化してしまうので、いざ「やろう!」と決断したときには劣化が進みすぎてできないという場合もあります。でもこんな建物はもう作れないので、この風景をなんとか残したいとは思います。
鉄筋コンクリートはリノベーションと相性がいいんです。ちゃんとメンテナンスすれば何年でも持つ。わたしたちはもともとは大阪の会社でしたが、沖縄は魅力的なコンクリートの建物が多いから、風景を残しに来たんです(笑)

―― かっこいい!!
建物の価値を見直す時代ですよね。簡単に壊すのではなく、SDGs推進とかうまいこと言ってなんとかできないですかね(笑)

昔のものを同じようには作れないからこそ

昔のガラス
床のタイルを剥がした跡

昔の物件を同じように作ることってできないのかな?そう思って聞いたら、「現在では作られていないガラスやタイル、いまでは建築不可の場所の建物。製造的にも立地的にも同じものはむずかしいです。」とのことでした。また同じものが作れたとしても、使い込んだ味わいなどは古いからこそのものもありますね。これまでの歴史を残すことに加えて、リノベーションで価値をあげる。
新築もいいけど、築古物件の人気も大いにあるので、どうにか良い物件を持っているオーナーさんがこの記事やアートアンドクラフトさんと出会って「残そう!」と思ってもらえたらいいなと願っています。

老朽化によりリノベで再オープン!なんてことがたくさん増えたらいいな。本日は以上です。

月間ベストワースト記事投票実施中

関連する記事

フォローしたらいいことあるかもよ

DEEokinawaの新着記事や裏話、面白写真などが毎日届くかもしれません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright©DEEokinawa All Rights Reserved.
このウェブサイトに掲載のイラスト・写真・文章の無断転載を禁じます。すべての著作権はDEEokinawaに帰属します。

ページのトップへ