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「うっちんどう」には何があるのか
最近、隙間時間に地図を見ることにハマっています。GoogleMapも「猫がいっぱいいる」みたいな、それ地図に書いちゃう?みたいな情報が載っていて味があるのですが最近のお気に入りは国土地理院の地図。
いつの間にかGoogleMapみたいにサクサク見られるようになって、地図を眺めながら「これなんだろう?」みたいなものを調べたりしています。
で、最近すごく気になる場所を見つけたのです。場所は本部町。
地図に書かれた場所は「(内堂)うっちんどう」。…なんでしょうか?この漢方薬売ってるお店みたいな地名は。ウコンのことを沖縄では「うっちん」というのでウコンと関係があったりするのでしょうか?
めちゃめちゃ気になりますよね。
という訳で現地に何があるのか確かめてきました。
「うっちんどう」は山の中
国土地理院の地図からは経路を調べられないので、GoogleMapにピンを立てて現地に向かいます。
名護市から本部町の市街地へと抜ける県道84号線の途中から、道が続いているようなのですが
なかなかの細い道でちょっと先行きが不安です。
このあたりの電柱は「伊豆味」となっています。
しばらく進むとちょっとした集落に。民宿が1件あったので住所を調べてみるとこのあたりは本部町並里という場所らしいです。
電柱は「大嵐」「山里」。
道の途中でちらほら沖縄の山にありがちな畑を見かけたのでこのあたりの人がやっているのかもしれません。山あいにある畑は野菜ではなく、大体シークヮーサーなどを作っているようなのですがそのあたりの畑事情も気になるところです(あとクロトンがめっちゃ多い)。
集落からさらに山に入っていきます。道はほぼ車一台が通れるくらいの幅なので、対向車が来たら大変な事になりますが誰もいませんでした。
山道は山道なんですが、道路脇には電柱が立っており全くの未開の地という訳でもなさそうです。
ハブ捕獲の罠もちらほらありました。
「うっちんどう」には何があるのか
さて、地図上の「うっちんどう」付近にやってきました。
目に入ったのは民家!外から見た様子だと誰も住んでいないようですが、かなりきれいな状態です。
こちらはちょっと年季が入ってます。やはり人は住んでいないようですが電気メーターはきちんと生きていたので定期的に人が訪れているのかもしれません。
完全な廃屋もありました。
こちらは入り口しか写真を撮ってないですが、奥の方に人が住んでそうな家屋が見えました。このあたりで人が住んでそうなのはこの1軒だけのよう。ポツンと一軒家ですね。
地図を見ながら脇道に入ってみたのですが、こちらは作業小屋くらいの大きさの廃屋と井戸がありました。
なんだろう。何かあるかと行ってはみたものの、なかなか「これがあったよ!」と言いづらいそんな結果です。
「うっちんどう」は結局なんなのか
地名が気になって行ってみた「うっちんどう」。大した収穫も無いまま探索が終わってしまいましたが、あとで調べてみると「本部町史」には「ウチンドー・ウフアラシは旧士族それ以外は周辺部の人々を含め、ムラウチ・旧士族等の寄り集まりの集落と言われる」という記載があり、どうもかつては首里に住んでいた士族が移り住んだ集落だったようです。
さらに本部町史には「テリーバル・ウチンドーバルが一九七五年を最後に廃集落となった」ということで、50年くらい前にはすでに人がいなくなっていた模様。現地にあった家屋などはその後にできたものだと思われます。公文書館の資料に1947年くらいの土地所有申請書があったのですが(こちらで確認できます)、それだと宅地がいくつかあったことがうかがえます。
では「うっちんどう」の名前はどうでしょうか?沖縄の地名で「堂=トウ」は「平坦」を意味するということなので「山の内にある平坦な場所」的な言葉が「ウチンドー」→「うっちんどう」になったのかもしれません。確証はありませんが。
本部町には他にも「我満堂(がまんどう?)」みたいな、ちょっとビックリするような地名があったりするのでまたちょいちょい現地に行って見たいと思います。