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金武町の有線放送電話があった風景
沖縄県本島北部に位置する金武町。タコライス発祥の地だったり、お米や田芋の産地として有名な金武町ですが、他にも他の自治体にはない独特な設備がありました。
それがこちら。有線放送電話です。開始されたのは1976年で「村民の生活文化の向上と経済の発展を図る」ことを目的に県内で初めて設置。電話の形をしていますが、スピーカーから町内のお知らせが流れる仕組みになっています。
さらに有線放送電話同士で通話も可能で、月額の電話使用料(2022年は700円)を払うと通話し放題というすごいシステム。昭和60年度には、ほぼ全世帯が加入していたそうです。
そんな有線放送電話も携帯電話の普及などで加入率が下がり、施設や装置の老朽化もあって去年で廃止。今後は町からのお知らせを配信する「戸別受信機」に置き換わるということです。
さて、本題です。有線放送電話はなくなってしましましたが、金武町を歩いていると結構電話番号に併記される形で有線電話番号が付記されている看板を多く見かけることがあります。町を歩いて、いずれはなくなってしまうであろう有線放送電話の痕跡をここに残しておこうというのが本日の記事の趣旨になります。
有線放送電話のある風景
まずは金武町役場にやってきました。
役場の敷地内に金武町有線放送センター(KHC)の建物がまだ残っています(まぁ去年まで放送していたので当然ですよね)。有線放送電話で放送されるお知らせなどはこちらから放送が行われていたそうです。
続いて町を見てみましょう。電話番号に併記されて有線放送電話番号が書かれている看板がちらほらあります。お気づきの方もいるかもしれませんが、電話番号の末尾と有線番号が一緒になっています。これは2000年から有線番号が電話番号の末尾を利用する仕組みに変更されたかららしいです。
こちらは電話番号と有線番号が同一でないもの。2000年以前のものということでしょうか?
むしろ看板で見かけたものは電話番号の末尾と同一でないものが結構ありました。でもよく考えれば電話番号の末尾で有線電話がかけられるのであれば、わざわざ番号を書いておく必要もないので何かの事情で普通の電話番号と有線番号が異なっている場合に看板に記載があるのかもしれません。
「公社」と「有線」というかき分け。日本電信電話公社が民営化したのは1985年のことだそうです。時代を感じます。
こちらは有線番号しか書かれていないお店。有線放送電話の廃止で困りそうですが、このご時世ネットですぐ電話番号は調べられそうなので看板に電話番号を書いておく、みたいなことがいずれ無くなっていくのかもしれませんね。
そんなわけで本日は最近廃止された金武町の有線放送電話の痕跡を探す旅でした。皆さんも金武町を通ることがあれば探してみてください。