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【沖縄県知事選2022】沖縄県知事説明会に行ってきた
いよいよ9月11日は沖縄県知事選挙の投票日です。沖縄県民の皆様は投票の準備、もしくは期日前投票にはもう行かれましたでしょうか?
みんな選挙にいこうぜ!というわけで8月1日に行われた「令和4年沖縄県知事選挙 立候補予定者事務説明会」に行ってきたので、本日はその様子をお伝えしたいと思います。
なお、あらかじめ
・手引きに書かれていること、説明会で聞いたことをまとめていますが、間違っている箇所があるかもしれません
・県知事選についてのルールなので今回同時に行われる市議会選や市長選ではまた異なってる可能性があります
上記についてお断りしておきます。予防線を張ったところで、さっそく記事にいきましょう。
令和4年沖縄県知事選挙 立候補予定者事務説明会
那覇市にある自治会館。先回の説明会は場所が県庁だったらしいですが、今回はこちらで沖縄県知事立候補者の説明会が行われました。
なぜ、僕が説明会に出たのかといえば
前回の県知事選立候補者、カネシマさんに誘われたからです(【ロングインタビュー】カネシマシュンは何者だったのか)。カネシマさんは今回も立候補を予定していましたが、諸般の事情により立候補を辞退しています。
沖縄県知事に立候補する人は必ずこの説明会に参加する必要があり(本人じゃなくてもよい)、1グループ3人までが参加できます。
受付ではものすごいでかい紙袋を渡されます。紙袋に記された文字は「EMPIRE」。特段意味があるわけじゃないと思いますが、帝国…!
説明会会場はこんな感じ。今回立候補したデニーさん、佐喜真さん、下地さんのグループもいたのだと思うのですが、当然本人はいませんでした。
説明会が始まる前にはめちゃめちゃ沢山の記者の方がやってきます。各社名刺と政策などを問うアンケートを渡して来たり、新聞で掲載する顔写真をいつ撮るかみたいな相談もあります。
カネシマさん曰く、前回の県知事選ではアンケートを手書きで書くように、と言われめちゃくちゃ苦労したとのこと。今回は一部を除いてデータで送ってOKと言われていました。
そうこうしているうちに、説明会の始まりです。
3時間休憩無しの長丁場
この説明会、14:00からスタートして16:40まで一切休憩無しでスケジュールが組まれています(実際は17:00過ぎまでだった)。まずは選挙管理委員会の方から挨拶があり選挙の概要とスケジュール、届け出関連のお話。
ざっくりとしたスケジュールとしては
説明会に参加した立候補予定者は8月の25日の告示日に立候補の届け出を行います。届け出が出せるのは25日の8:30から17:00の間のみ。書類に不備があった場合は立候補できないので注意が必要です。
選挙管理委員会では事前の書類確認を行ってくれるので、説明会から告示までの間は、選挙の準備をしながら書類を揃えることになります。こうしてみると選挙運動ができるのはたった16日しかないので、かなりタイトなスケジュールですね。
必要書類の中には供託金証明書も含まれるので告示日までには300万円の供託を行う必要があります。
「通称認定申請書」というものもあります。立候補の届け出は戸籍名でしかできませんが、この申請を行うことで戸籍名以外での名前を使うことが可能になります(ただし、広く通称が使われているということを照明する資料が必要)。
沖縄でよくある名前をカタカナ書きにする場合も通称認定申請書が必要ですが、特に証明する資料は必要ないそうです。
その他戸籍謄本、住民票などを揃えて提出して届け出は完了となります。
選挙運動のイロハ
続いて選挙運動についての説明です。選挙運動といえば、ポスターの掲示、選挙運動自動車の使用、選挙公報に掲載を行う、政権放送を行う、選挙運動用ビラを配布するなどなどがあります。
これらも細かく決まりがあります。
例えば沖縄県知事選で配布できる選挙運動用のビラは145,000枚。種類は2種類。ビラには立候補した時に受け取った証紙を貼り付ける必要があります。また。配る方法は新聞折り込み、演説会場や事務所で配ることしか認められていません。
ポスターは42cm×30cm以内と決まっていますが、2018年のポスターを見てください。カネシマさんと渡口さんのポスターだけ小さくないですか?実は決まりでは個人演説会告知用ポスターとあわせた場合はポスターのサイズを42cm×40cm以内の大きさにすることができるのです(裏ワザ…!)。
今回のポスターも3候補とも42cm×40cmというギリギリの大きさで作っているようでしたが
たしかに個人演説会の告知がものすごく小さく入っていました。ただ誰も日時をいれておらず、空欄だったのですがこれが選挙のテクニックということでしょうか。
ちなみに選挙ポスターを掲示板に貼るのは候補者の仕事。県内には離島も含め掲示場所が2,362カ所あるそうでそれなりに人手が必要です。
選挙運動に使える車は1台(車じゃなくて船でもいいらしい)で、オープンカーは不可。車載重量は2トン以下なので、トラックで選挙運動はできないようです。
さて、ここまで読んだ方で「でも告示前も街宣車が走っていたような気がする」「立候補者のビラがポストにはいってた」みたいな疑問を持たれる方がいらっしゃるかもしれません。
このあたり実は僕もよく分かってないのですが
政治団体、いわゆる政党は告示前でも政党活動として街宣車を走らせることが可能らしいです(ただし候補者の名前を連呼する行為は禁止)、また選挙期間中、選挙管理委員会に届け出を出した確認団体はビラを配布したり(ポスティングできる)、街頭で拡声器を使ったりできるらしいです(間違ってたらごめんなさい)。
ただ、活動において候補者の指名や指名が類推されるような訴えは禁止されていると書かれています。
証紙が貼られていない元○○市長とか、元知事とか割とぼやけた表現で本人の写真が入っていないビラは確認団体によるものということですね(類推できると思うけど)。このあたりはすごく微妙な気がします。
選挙公報が時代を感じる
続いて選挙公報。立候補者の主張をまとめたもので公費を使って配られます。県内在住の方はポストにはいっていたんじゃないでしょうか。
こちらの作成についても説明がありましたが、
説明会の冒頭でもらった紙袋の中に原寸大の選挙公報の原稿用紙が入ってました。これに手書きで書いて出してよいらしいです。めちゃくちゃアナログです。選挙公報には文字だけでなくイラストや図版を入れるのも可能ですが、2分の1以上イラストの場合は駄目というきまりになっているそうです。
データ入稿も可能ですが、その際はイラレのバージョン8かCS6のデータしか受け付けない(バージョン8は1998年発売、CS6は2012年発売。)仕様となっており印刷会社あるあるではありますが、時代を感じる入稿形式。しかし、この泥臭い入稿方法をみんな守って選挙戦に挑んでいると思うと、なかなか胸が熱くなりますね。
選挙費用は返ってくる
説明会では他にも政見放送の申し込み方だったり、選挙はがきの送り方だったり、沖縄県警による選挙運動への注意事項だったりがあったのですが、記事がめちゃめちゃ長くなりそうなので割愛させていただくとして最後は選挙にかかる費用についてです。
選挙が終わって、供託金の没収ラインを越えた得票を得た候補者は選挙に落選しても、ポスターやビラの制作費、選挙運動用自動車の使用料は公費で負担されます(供託金も返ってくる)。
逆に言えば有効投票総数の10%に満たなかった候補者は供託金の300万を失ったうえに、その他制作費も自分持ちになります(よく考えて選挙に出よう)。
説明会の資料はどれも割とかたい表現の記載が多い中、「公費負担制度のQ&A」という資料だけは割とフランクでちょっと面白かったです。
選挙は面白い
以上、沖縄県知事選挙 立候補予定者事務説明会の様子をお伝えしました。ちょっと県知事選のルールに詳しくなったのですが、その視点で県知事選を見ると「割とグレーなところを攻めてるなぁ」とか「これ説明会でみたやつだ…!」みたいなやつがあって、今まで以上に選挙が楽しめます。
なかなか投票率があがらないのって、選挙の細かいルールがみんなに周知されてないのも原因なのではないかと思います。まだまだ分からないこともあるので、選挙管理委員会の方にも話をうかがってそういうコンテンツをつくるのもよいのかなぁと思いました(どちらかといえば新法さんやタイムスさんの仕事な気もしますが)。
あとは選挙戦をほぼ一人で戦ったカネシマさんの偉大さも分かりました…!
さて、沖縄県知事選挙の投票は今週末の9月11日(日)。色々な考えがあると思いますし、ネットもザワザワしていますが沖縄県民の皆さんは自分で考えて未来の県知事候補に投票してください。