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ここが那覇市の最高峰!雨の弁ヶ岳を歩く
突然ですが、読者のみなさんは那覇市の最高峰がどこだかご存知でしょうか?
お恥ずかしながら私は沖縄に15年以上も住んでいながらまったく知りませんでした。というか、首里城のあたりだと思い込んでいたのですが、実は那覇市の最高峰は他の場所にあったのです。
その場所とは、首里城から約1kmほど東に行ったところにある弁ヶ岳(べんがたけ)で、その標高は165.5メートル。弁ヶ嶽、弁之御嶽(びんぬうたき)とも呼ばれており一帯は公園として整備されています。首里八景のひとつ。
二つの峰からなる弁ヶ嶽はその全域が御嶽(うたき)として信仰の対象となっており、国王が訪れ祭祀を行う重要な聖地だったようです。上の地図で見ると、以前特集で紹介したことのある那覇・南風原クリーンセンター(エコマール那覇)のすぐ近くにあるようですが、いったいどんな場所なのでしょうか?というわけで今回は、那覇市の最高峰である弁ヶ岳の様子をご紹介したいと思います。
そういえば沖縄は今、梅雨だった
数週間前から弁ヶ岳散策に行こうと計画したものの、沖縄は梅雨の真っ只中。待てど暮らせど雨。雨。雨。今年の梅雨はめちゃくちゃ降ってます。そうこうしているうちに締め切りが危うくなってきたので、なんとか小雨になったタイミングを狙って決行。そんなわけでしっとりとした雰囲気でお送りします。
ちなみに弁ヶ岳公園として整備されてはいますが、駐車場はありませんのでお気をつけください(なんとか停められそうな場所を見つけた)。
開邦高校側から弁ヶ岳に向かって坂道を登っていくと「弁ヶ岳公園」と書かれた石の看板が見えてきます。そのまま真っすぐ進むと、ちょうど公園を分断するように通っている道路に出ます。
左手に東屋、右側に石門が見えてきます。
雰囲気のある石門。赤い鉄扉は錠前で閉じられていました。
近くには史跡・弁ヶ嶽と記された石柱が。周りには今がちょうど見頃の月桃がたくさん咲いていました。
石門の近くには、弁ヶ嶽ついての説明板もありました。
那覇市のみならず、本島中南部で最も高い峰のひとつだそうです。さきほど通ってきた道路が参詣道で、石門のある側が大獄(ウフタキ)、東屋がある側が小獄(クタキ)にあたり、大嶽の神名は「玉ノミウヂスデルカワノ御イベヅカサ」、小嶽の神名は「天子(てだこ)」と記されています。
石門の脇から山頂に登れるという情報があったので行ってみようと思ったのですが......
いや、獣道すぎる。
雨でぬかるんだ斜面、ハブが出そう、めちゃくちゃ蚊が多い、女性一人、という悪条件が重なっていたため登頂はあっさり諦めました。無理しない。いつか晴れた日に誰か誘って登ってみようと思います。一等三角点があるそうです。
さきほどの石門の西側、一段低くなったところにはガー(湧き水)がありました。ここも祈りの場所。
こんどは道の反対側へ行ってみることに。こちら側は景色が開けていて石の階段もあるので雨でも大丈夫。(といいつつ苔で滑りそうになりましたが。)地図で確認するとこちら側には沖縄神社があるとのこと。
階段の入り口の左右に石柱の土台のような部分だけが残されていたので、元々はここに鳥居かなにかがあったのかもしれません。
階段を登った先はちょっとした広場になっており、その奥にお社が2つ。ここが沖縄神社です。
大正末から終戦までは首里城内にあったのですが、戦後この場所に移されたそう。
茂みの隙間から向こう側を覗いてみると、クリーンセンターの青い煙突が見えました。晴れていたらもっと遠くまで景色がきれいに見えそうです。
さきほどの広場から一段下がった場所には別の拝所が。弁ヶ岳公園一帯、あらゆるところに拝所がある感じでした。まさに聖地。
那覇市内なのにまるでやんばるのような雰囲気
車道(参詣道)に戻り、西側に下ってみます。
というか道路がボッコボコで自然の力に負けそうになっているのが印象的。
坂を下った先には公衆トイレと管理事務所(無人)のような小部屋がありました。
東屋の後ろに歩けそうな石畳道が続いていたので少し行ってみることに。
と、軽い気持ちで入ってしまったのですが、思った以上にすごい道でした。
石畳は滑るわ上から枝やら蔦やらなんやら垂れてくるわクモの巣にひっかかりまくるわ謎の虫の鳴き声が聞こえてくるわ湿気がすごすぎて滝のような汗が出てくるわ。
那覇市内にいるはずなのに、やんばるの山の中を散策しているような気持ちになりました。ここもしっかり装備してから行くことをおすすめします。
でもまあ美しい翡翠色のアオミオカタニシに出会えたので良しとします。カタツムリじゃないよ。
弁ヶ嶽よいとこいちどはおいで
というわけで本日は那覇市の最高峰、弁ヶ岳からお送りしました。
長らく沖縄に住んでいるのにこんな場所があったとはこれまでまったく知らなかったので、とても良い発見でした。
肝心の最高地点には行けてないし、開邦高校側の石の看板の後ろに伸びていた下り階段(上の写真)の先も気になるし、また天気の良い日に再訪したいと思います。虫除けスプレーと長袖長ズボン長靴装備必須で!
最後に、珍しいコンクリートくず入れの写真で本日の記事を締めたいと思います。ご静読ありがとうございました。