2022.02.09

紅イモムーチーVSかんころ餅

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ムーチーと材料が似ている長崎の郷土菓子「かんころ餅」を、沖縄の素材で作って食べ比べてみようと思う。

沖縄のお餅と言えばムーチーですね。ムーチー(鬼餅)は、健康と長寿を祈願して月桃(サンニン)に包んだ「カーサムーチー」を食べる行事です。

今年2022年の旧暦12月8日にあたるムーチーの日は、1月11日(月)、成人の日の振替休日と重なりました。


スーパーで売られているムーチー

これまでもDEEokinawaでは、数多くのムーチーネタをお伝えしてきました。

食べ方
むちゃむちゃムーチーの正しい食べ方を考える
ムーチーのくっつき問題を解決しようと思ったら衝撃の結末が待っていた
ムーチーの由来譚はどのように子供に伝えられているのか

由来的な話
鬼餅伝説のムーチーを再現してみる
ムーチー由来の場所に行ってみる

ムーチー作り・料理
DEE的ムーチー祭
ムーチーの日、ジミーで変わりダネムーチーが販売されていた
美味しいムーチー料理を考える
ムーチーにはどの寿司ネタがあうのか
ムーチーで余った月桃の使い方を考える
沖縄にあるいろいろなお餅

ちょっと時期を過ぎてしまいましたが、旦那が長崎県出身のayaが、コロナで里帰りもままならない今般、長崎の郷土菓子「かんころ餅」を、沖縄の素材で作ってみようという企画です。

「かんころ餅」について聞いたことが無い人もいると思いますが、ムーチーは、もち米を挽いたもち粉に、芋や黒糖、水などを混ぜてこね、月桃(サンニン)の葉に包んで蒸したもの。

一方、長崎のかんころ餅は、蒸した餅米に干し芋と砂糖を混ぜて、ついて作ります。整形後は堅くなるので、切って焼いて食べます。

「かんころ」とは、五島地方の方言でサツマイモを薄く切って日干ししたものを指すそうです。


焼くと、焦げ目ともっちり感触感が良い

製法が異なりますが、材料が似ている気がしませんか?
かんころ餅を食べたことが無い方も、味を想像できそうですが、果たして出来はどうなるでしょうか?

 

ムーチーを作ろう

まずはムーチーです。家庭によってトーナチン(タカキビの粉)を入れたりするようですが、我が家のスタンダードムーチーの作り方を比較例とします。

前準備として月桃の葉を洗って、表面の水気を取っておきます。

蒸した紅芋やサツマイモをほぐしながらもち粉に混ぜます。


ばぁばの混ぜる手が早すぎてブレる

黒糖を鍋で煮溶かしておきます。お好みで白糖を入れると、より甘さが引き立ちます。そしてもち粉に黒糖をまんべんなく混ぜ込んで、水を加えながら耳たぶくらいの硬さまでひたすらこねていきます。


蒸す前は鮮やかな緑

餅ができあがったら、月桃の葉で包んで、葉の色が変わるまで蒸していきます。


毎年100個くらい作っているだけあって、安定の出来です

できあがり! 手間★★★ 成功率★★★★

ちなみ今年は、子どもと味変バージョンも作ってみました。


コーンスープとチーズは砂糖なしで作ってます

フルーツゼリーは見た目は無残ですが甘酸っぱくて、子どもは気に入ったようです。シナモンは蒸したら香りが飛んでしまいました。どれも普通に美味しかったですよ。

 

かんころ餅を作ってみよう

続いて、本題のかんころ餅を作ります。
ネットで調べた作り方で、もち米以外の材料を、サツマイモ→紅芋、白砂糖→黒糖というふうに沖縄仕様にします。


紅イモを切って、蒸す

まずは干し芋を作ります。


オーブンで水分を飛ばす

本来は数日天日に干して干し芋を作るようですが、沖縄では腐るかカビそうなので、更に冷蔵庫で保管し、乾燥させました。


カリカリになった

干し芋にするとイモの甘味が引き立つ気がします。


ここから、餅つき器を使用します

次にもち米と一緒に干し芋を蒸します。

干し芋が水を吸ってしまうので、通常の餅米を蒸すのに比べて、水加減がとても難しかったです。


黒糖を加えてためか、紫色じゃなくて茶色になった。

餅を搗(つ)いていきます。ここで本来はグラニュー糖を入れるとこで代わりに黒糖を入れます。

どうにか餅になりました。つきたての餅は、すっごくのびます。


横20㎝縦5㎝厚さ1㎝くらい

最後に整形して完成です。手間★★★★ 成功率★★

…うん、ほとんど見た目は普通のかんころ餅…。

 

試食してみよう

さて、肝心の味ですが、ここはいつものやんばる太郎さんにジャッジしてもらいます。それではどうぞ!

こんにちは。試食担当、やんばるたろうです。ayaさんの記事で作った物は高い確率で僕に試食が回ってくるのですが(土器クッキーサマープティング)、カラスとかの試食がそのうち来るんじゃ無いかと思ってドキドキしています。今回は普通でよかったです。

ayaさんから預かったのは、右から紅芋ムーチー、自作かんころ餅、商品として販売されているかんころ餅です。かんころ餅って始めて聞きました。


右が紅芋ムーチー、真ん中が市販のかんころ餅、左が自作かんころ餅

ムーチーは月桃から取り外し、かんころ餅はかるく焼きました。ムーチーについては皆さんだいたい味はわかるかと思います。気になるかんころ餅の味ですが、焼いているので外はカリッと、中はふわっと。素朴な芋の甘みが広がります。食感は違えども確かにムーチーに近い味がするような気がします。

昔、ムーチーを焼いたことがあるのですが、それに近いといえば近いような気がします。自作かんころ餅の方が黒糖の風味がして、よりムーチーに近い味でした(月桃の香りの有無はあるけど)。美味しさでいえばどれも甲乙つけがたいですね。

よくよく考えると沖縄にはあまり干し芋もありませんし、餅ももち粉を蒸したものが多く、もち米から搗く餅は一般的ではありません。このあたりは沖縄の気候が影響しているのでしょうか。

というわけで、口にあったようでよかったです!サツマイモを使った餅はかんころ餅以外でも特に九州圏に多くあるらしく、他の餅を紅芋ムーチーと食べ比べてみても面白いかなとおもいました。本日は以上です!

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