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牛乳パックにまつわるエトセトラ〜 あなたは気づいていましたか?「宮平おいしい3.6牛乳」パッケージの謎に迫る
事の初めはリサイクル
牛乳好きで家には牛乳パックが1人2本常備されている我が家。乾かして紙パックを開きにしようとした時に気がつきました!
同じ牛乳なのにパッケージの絵が違う?!1つは青空の山が描かれ、もう1つは並木に囲まれた牧場のようでサイロが大きく描かれ手前の牛が鈴をつけています(まだここでもう1つの違いに気がついていない事が後に判明)。
もしかしたら季節や地域ごとによってパッケージが違うのだろうか。それとも何かメッセージが込められているとか?
とても気になったので製造元に問い合わせてみました。
営業部長に直撃インタビュー開始!
こんなしょうがない疑問にも丁寧に答えてくれたのは株式会社宮平乳業。創業100周年を迎えた老舗の県内企業です。
会社に伺うと入り口には牛の親子のオブジェと清らかな水が流れるお社が。来場者名簿のそばにも牛のレゴが。牛に対する愛がひしひしと感じられます。
対応いただいたのは営業部部長の宮里さん。(以下宮里さん)
牛乳パックを持っての写真撮影にも笑顔で対応して頂き、とても親切な方なので、明るい雰囲気でインタビューが始められ一安心。
まずは宮平乳業の歴史から伺いました。
―― 沖縄県内で創業し、2019年に100周年を迎えたそうですね。初めは北大東島で牛乳を販売していたと伺いましたが?
創業は大正8年(1919年)です。初代社長の出身は久米島ですが、北大東に開拓移民として入り、畑の作業を行いながらご近所の方々に牛乳を販売していたそうです。
その後2代目の時に沖縄本島の糸満に移り3代目の時に株式会社となり、平成7年に新工場を作り現在は牛乳の他、加工乳や乳飲料、清涼飲料水等の製造販売や量販店のプライベート商品製造、本土企業商品の販売なども行っています。現在は4代目が社長に就任しています。
色々なご縁があり、南北大東、久米島、先島地域の学校給食牛乳の製造担当をしています。
―― 離島地域に海を渡って県内製造の学校給食牛乳が届けられているのですか?素晴らしい!定番商品の県内唯一の「低温殺菌宮平牛乳」もファンが多いですが、製法はかなり違うのですか?
高温殺菌と違い、低温で30分と時間をかけてゆっくり殺菌するので、手間がとてもかかります。生乳本来の味に近く、昔から愛飲されているお客様も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そろそろ本題へ
県内の牛乳製造販売について奥の深い話を伺い、すっかりイラストの質問を忘れかけていましたが、初心に帰って宮里さんにぶつけます!
―― ここで伺います。「宮平おいしい3.6牛乳」のイラストが2種類あるのは何故ですか?
現在、通常流通されているものと企業のPBのものと2種類あります。
―― PB!?
専門用語を一瞬PV(プロモーションビデオ)と勘違いしたのですが、企業の PB (プライベートブランド)の事でした。
ここまできたら真実を解明せねば!笑顔の宮里さんに勇気を持って再度質問。
―― それはどこの企業ですか?
株式会社サンエーさんのPB商品です。でも実はイラストだけではないのですが…
次々明かされる秘密
よく見ると、文字も違う。これに気がつかなかった自分を心の中で責める。
サンエーブランドは大きく「酪農」の文字が中央に書かれています。
成分表に表記された商品名も「酪農」表記が違いますが、成分と殺菌時間は同じそうです。
なんと正面にいる牛の首輪の鈴にサンエーの「 S」マークが!!
こんなところに隠しロゴを入れるとは! (隠してないと思いますが…)さりげなくプライベートブランドをアピールしている所がお洒落です。
PB商品なので普通は「サンエー酪農牛乳」などの表記になりそうですが、老舗ブランド宮平乳業の名前を大きく表示し、さりげなくサンエーのPB商品である事をアピールしている所がお洒落です。
まとめ
・サンエーで販売されている牛乳はPB商品でありパッケージの絵が違う。
・商品名も「宮平おいしい3.6牛乳」でなく「宮平おいしい酪農3.6牛乳」であった。
名前も少しずつ違うとは…。イラストだけ違うと思っていたところに大きな落とし穴がありました。
謎は解けた。しかし…
取材を終え、ぶしつけな質問にも快く笑顔で答えていただいた宮里さんにお礼を述べ、事務所を後にしようとしたその時、ガラスに何か貼ってあるものが目につきました。
が、今回は謎解きまで。続きは次回に。乞うご期待!
取材協力:株式会社 宮平乳業
https://miyahiranyugyo.co.jp