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泡盛「尚(しょう)」で、帰れま12(トゥウェルヴ)!
沖縄が誇る地酒、「泡盛」。
県内にはなんと47社もの酒造メーカーがあります。
2019年の秋、泡盛業界の活性化を目指して、12社の若い造り手たちによる新たなプロジェクトが発足されました。
通常1回の蒸留で製造する泡盛ですが、このプロジェクトでは「3回蒸留」という新しい製法で、ウォッカやテキーラのような世界に通用する蒸留酒をを目指したそう。
しかも、各社すべて同じ「尚(しょう)」という商品名で販売する、という業界初のユニークな試みです。
聞くところによると、製法は同じでも味は各社で全然違うとな!
なにーー!!それはぜひ全社飲んでみたいじゃないの!!
「南島酒販」さんに、ワガママ言ってお願いしてみた!
「尚(しょう)で、利き酒帰れま12(トゥウェルヴ)したいんです!」
という私の無謀な提案に、「面白そうですね!」と乗ってくれたのは、沖縄県内最大手のお酒の卸売業者「南島酒販株式会社」の大岩 迪子(みちこ)さん&若手チーム。
勇気を出して告白してみて良かった…!
まずは、ズラリと並んだ「尚」の美しいボトルたちをご覧ください。
今回は特別に南島酒販さんのご協力により、全12酒造所の「尚」を用意していただきました。(ありがとうございます!)
酒造所の所在地によってロゴのワンポイントカラーが違っており、北部は森の緑・中南部は首里城の赤・離島は海の青を表現しているそう。そしてロゴの下にさり気なくローマ字で「KIN」「YAESEN」などの酒造所名が入っています。
さっそく利き酒スタート!といきたいところですが、私1人では到底12種類の「尚」を当てられる自信がないので、今回は3チームでの対戦方式で挑むことに。
▲南島酒販・若手チーム!
右から、沖縄出張中に参加の徳満さん、一番燃えてたとお見受けした呉我さん、冷静に分析していた紅一点・新垣さん。
▲DEEokinawaチーム!
風邪気味やんばるたろうさん&一番に参加表明したお酒好きゲストライターnackyさん。
▲言い出しっぺチーム!
無謀なゲストライターちゃーりー(筆者)&当日急に連行された被害者友人S。
まずはそれぞれの味を知らないとね、ってことでテイスティングタイムです。
テイスティングメモを綴っていく各々ですが…ちょっとまって…12本もあるから……しかも度数40度って………!
試飲用のミニカップで香りを嗅ぎ、ちびっとずつ味わってメモるんですが。12本もストレートで……
半分テイスティングして既に味がわからなくなった私。迷子です。
その前にメモの語彙力の無さ。そしてなんだかもう酔ってきたような…
南島さんに用意していただいた「尚」のパンフレット。
それぞれのテイスティングノートがあり、例えば
「ヨーグルトやラムを思わせる上立ち香。
口にふくむとチーズケーキのようなミルキーで甘い洋菓子の風味が広がります」...?
私のテイスティングメモでは「優しい、全体的に」となっておりますが...!?
答え合わせのつもりで見るとパンフレットのコメントはプロすぎて余計わからなくなってしまったので、それぞれ自分の味覚を頼りにします!(不安)
/頑張るぞー、えいえいおー!!\
いよいよ本番です
トップバッターは南島酒販チーム。
目隠ししてスタンバイ。お手伝いのmyco&大岩さんに出題してもらいます。
出題の品と、神妙に香りを嗅ぎ、口に含む御三人。
ふむ…
うーん…
え…っ?
ご自身のメモを見つつ、お互いで印象を言い合いつつで、割れまくる3人の意見。
しかしどうにかようやく「これは離島の力強さがあるっぽい!」という結論に達したようです。
「私たちが飲んだのは、石垣島の八重泉(やえせん)ですっ!」
「正解は…名護のヘリオス酒造!」
えええーーー!!!
やっぱり1/12の酒造所を当てるのは難しいなあ…(後続のチームにも不安がよぎる)
2番手は言い出しっぺチーム。目隠しはだいぶオトボケですが、ドキドキ恐怖しております。
香りを嗅ぎ、味を見る。
あれ…?ん!わかったぞ!!北部の素朴さがある!
なんと2人して意見が一発で一致!
これはひょっとして、ひょっとするんじゃないか?
「私たちが飲んだのは、大宜味村のやんばる酒造に違いない!」
「……答えは、金武酒造です!」
えええーーーーー!!
自信満々だったのにーー!撃沈。
3番手はDEEチーム。顔はアレですけどやる気が感じられます。
これ、美味しいやつだ!とnackyさん、フレーバーのメモでなく「美味い」と記していました。
かくいう私もです…
これは後からわかったことなのですが、味の印象が飲み進めるうちにどんどん変わるのです。
最初で美味しいとメモしたものが鈍い味に感じられたり、香りがあまりないと思ったものがすごく香ったり。不思議。
だから「美味しい」「好き」なんて感想が一番不確かなんだよ!(泣)
そんなDEEチームも意見はすぐに一致。2人の方が3人チームより結論出しやすいのかもしれません。
「私たちが飲んだのは、請福(せいふく)ですっ」
「答えは…まさひろ酒造でした~。」
えええームヅカシイよー!
「帰れま12」なんて企画にしてしまいましたが、あまりの当てられなさに、急遽2時間の制限時間を設けることにしました。弱気ですみません。そして時間までにはなんとか半分は当てたい!
…とか言っていたのが、1本でも当てたい!に変わるほど、各チーム順調に不正解を重ねていきます。
2巡目ですでに顔から自信の文字が消えています。
ちょっと風邪気味なやんばるたろうさんは香りから引き出す作戦。
そして、ここで早くもDEEチームに奇跡が!
「私たちが飲んだのは神村酒造です!」
ここで見事、初の正解!!
めっちゃ嬉しそう、本気で嬉しそう。
本気で羨ましい他2チーム。我らも続くぞ!
しかし3巡目も正解は出ず。いたづらに時間だけだ過ぎていくのでした。
不正解続きで焦りが出てきた
相変わらず意見の割れる南島チーム
吾我さん「ケチャップ…!ケチャップがいるよ。遠くに。トマトというか塩みがあるからケチャップの米島酒造だ!」
徳満さん「ケチャップな感じなんてあったかなぁ~?瑞泉っぽい気がする(3巡くらい瑞泉を推していた)」
新垣さん「……どちらでもない気が…」
結局、瑞泉でまとめたものの正解は吾我さん曰く「遠くにケチャップのいる米島酒造!」(※個人の感想です)
ケチャップがインパクトあったのか、出題者がその後2チームにも連続で米島をぶつけるも、当てられず!
(注:米島酒造公式のテイスティングノートでは、ロシアンティーを思わせる上立ち香。わずかで上品な苦味が、はちみつやカラメルのような甘みを引き立たせています。素朴でありながら複雑で味わい深い…となっております)
5巡目に入ると、出題者の慈悲深さから(早く終わらせたいから!?)、過去に出題した同酒造を出されるも、当てられず!!
4巡目、5巡目も全チーム外し、時間が刻々と迫ってきました。
焦るメンバー。
酔ってきて余計味がわからないメンバー。
参加者に疲労の色が見られるように。
ツマミもなく40度の酒を飲んでたらそうなりますわな。
時間の迫る中、運命の6巡目
ここでどうしても当てたい南島酒販チーム。
どうなんだ?お前たちの味覚は死んでないのか?味わえ塩みの泡盛!!
出題者の大岩さんが選んだ勝負の1本!
「わ、私たちが飲んだのは、もしかして米島酒造…です、か!!…?」
正解ーーーーー!
わー!よかったーー!
米島酒造をぶつけてきた出題者の慈悲の心は否めませんが、制限時間ギリギリに正解出ました!
結局、制限時間の2時間で当てられたのは2本だけでしたが、本当は時間が許す限り続けてみたかったです。
肝心の言い出しっぺが1銘柄も当てられてないし...(泣)
しかしなんと、テイスティングで使用した12本のボトルを南島酒販さんからそのまま寄贈していただいたので、またやりますよリベンジ大会!もちろん次回は時間無制限でな...!
泡盛って、奥が深い
今回各メーカーの「尚」を味わってみて、使用する酵母の違いなどはあっても、同じ原料で同じ製法で造ったのに酒造所によってこんなにも味の違いが明確なんだなと改めて実感しました。
しかも、未開封のもの、開封済みのもの、容器に注いで空気に触れたもの、容器に注いで時間の経ったもの、で味の変化があるってんだから当てるなんて相当難しいよね~(言い訳)
皆さんも是非お気に入りの尚、もとい泡盛を見つけてみてはいかがでしょうか?
快くご協力いただいた南島酒販さん、参加していただいたメンバーの皆さん、ありがとうございました!
南島酒販株式会社 ウェブサイト
https://www.nanto-shuhan.com/
「尚」の詳細については、各酒造所のウェブサイトまたは「泡盛 尚」で検索してみてくださいね!
ゲストライター
- ちゃーりー
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プロフィール:1976年宮古島市生まれ。会社猫「ぶんたろう」を愛でる合間にグラフィックデザイナーしたり、イラスト描いたりしてま す。
宮古島の血のせいか、泡盛関係な仕事が多いせいか、お酒好き。チョコも好き。むしろチョコください!
今日のぶんたろうInstagram:@yapsyco