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映えではなく〇〇!大盛り海鮮食堂「大ばんふる舞」の核心は意外なものだった
SNSを賑わせる「大ばんぶる舞」さん
西原町の棚原に昨年9月にオープンしたばかりの「大ばんぶる舞」さん。
まだオープンして半年にもなりませんが、海鮮好きやグルメ好きに大人気のお店になっています。
なぜそんなに人気になっているのか。まずは大ばんぶる舞さんのInstagramに掲載されている写真を見たらその理由がわかると思います。
見た目も値段も想像を絶しています。
もちろん良い意味なのですが、いったいなぜこんなことになっているのかお店に行ってオーナーに伺いました。
インスタ映えしすぎ
「映える」って使われすぎてすでに言ってて恥ずかしくなるのですが、大ばんぶる舞さんのメニューに関しては無意識で使ってしまいます。映えすぎ!
なぜこんなことになったのでしょうか。お話を伺ったのはオーナーの兼次さん。顔出しはNGだそうです。
- 率直に伺います。メニューがすごいんですが、やはり映えを意識されているんですか?
え?そうですか?普通じゃないですか?
- え!いやいや、話題になっているじゃないですか。
そうですね。来てくださったお客様が結構インスタグラムやFacebookなどに載せてくれて嬉しいしありがたいですね。
ぼくたち元々は居酒屋を経営しているんです。それが初めて食堂をやることになって。
- 商品開発はどなたのアイデアですか?
全部僕が商品を開発していて。メニューは奇抜なものを狙っているなと思われると思うんですが、実はそうじゃないんです。
数字の話なんです。
- 数字?
この食堂を作ろうと思ったときのコンセプトが、普通の居酒屋では刺身って高い割に量が少ないじゃないですか。いまはスーパーも漁港と直接やり取りしているところもあったりするので鮮度もいいし、だったらスーパーで買って家で食べた方がいいよねってなる。でも家ではバター焼きとかは作れないからお店に食べにいくことになるけど、基本的に海鮮を食べるにはどこでも高いんですよね。
仲買から仕入れているので値段が高いのはしょうがないことなんですが。
僕らは漁協直送なので、そこの費用がなくてすむんです。だからまずは低価格で出そうというのは決めていて。
そして低価格を追求するには回転率が大切だったんです。回転率を上げるにはお客さんの待ち時間を減らすこと。
なので全体の8割を厨房で温めたところでフライパンや鍋のまま出して、あとの2割は卓上でカセットコンロで温めてもらおうと。奇抜な発想より先に時短という考えがあるんです。
これは居酒屋のときの応用で、居酒屋ではサイコロステーキを出しているんですが、お肉って特に焼き加減の好みはお客様によって違うんですよね。「焼きすぎだ!」「生だ!」といろいろ言われるから、生のまま出して自分で焼いてもらうことにしたんです。これが好評で。事前にそういうものがあったからここでもフライパンで出すというアイデアになったんです。
それを面白がって広めてくれるお客様がいるっていう感じです。
- 狙っていたわけではないのですか?
いや、もちろん狙ってはいました(笑)
でもそれが前提ではないということです。
普通はもっときれいに見せるところを、大衆食堂感を出したくて醤油もわざとペットボトルに移し変えて出していたり。お客さんからは「安くて良い醤油入れあるよ」って言ってくれますけど(笑)
雑っぽさを極端に出しているんです。全部をきれいに、クレームとかを全部受け入れて改善していくと、おそらく集客的には不利になると思うんです。当たり障りのないお店になるというか。なので全部緻密に戦略を持って取り組んではいます。
- 先ほどフライパンなどは時短のためとおっしゃっていましたが、逆に時間がかかっていそうなメニューもありますよね
いや、全部1分ぐらいで出ますよ。
- え!
ぜんぶ朝の6時とかから仕込んでいるんです。
うちで出している刺身の量を他のお店で出すと2.5〜3倍ぐらいの値段にしてようやく同じぐらいの利益になるはずです。注文を受けてから切って盛り付けてってしていたら、時間がかかってこの値段では出せない。だから全部朝のうちに仕込んで、冷蔵庫にずらーっと並べているんです。なのでラップを取ったら出せます(笑)
- 今後考えているメニューもあるんですか?
随時考えていますよ。日替わりも毎日違いますし。
マグロの頭の塩焼きを仕入れて出したことがありますが、毎日は仕入れられないので日替わり。
- 11時オープンで売り切れも早いですよね
週末は行列ができるときもあるんですが、ちょっと恐怖ですよ。
食材がなくなったらアウトなんで。1時間、2時間ぐらいで刺身系は全部売り切れて、営業はだいたい毎日3時間ぐらいです。生ものは翌日に持ち越せないんで、毎日確実に売れる予測がつけられればもっと仕込む台数は増やせますが。生ものが食べたい人はオープンしてすぐに来ていただきたいです。
お客さん目線第一で、食べやすい金額と、来たくなる面白さと、そういうことを工夫しながらできる限りの「大盤振る舞い」をしたいと思っています。
- まさにお店の名前そのままですね
そう、お店の名前もそう思ってつけたんです。このお店で逆フリはできないじゃないですか。
量が少ないとか。
- お店の名前が印象的でしたが、むしろそれを上回った料理が出てきました
戦略的な話をすると、メニューの画像はわざとクオリティーが低いものを使っているんです。
- え!
普通は良い写真を使ってくださいっていうでしょう。
「写真見て食欲が失せるやつを使おう!」って(笑)
ギリギリを攻めたんです。あれ?ってなったあとに嬉しい驚きが待っている。まぁリスクもありますよね(笑)
大盤振る舞いでした
ということで大盤ぶる舞いの兼次オーナーにお話を伺いました。
奇抜なアイデアを唯一無二の武器にせず、めちゃくちゃ美味しい、その上めちゃくちゃ安いという海鮮好きにとっては奇跡的なお店。
正直記事としてはもっとめちゃくちゃな人が出てきて欲しかったんですが(だって!)、すごく戦略的にお客様目線でお店をやられていました。
この記事を読んで、初めてお店に行ってみる人がいるかもしれませんが、きっと今抱いている期待以上のものが出てくることは間違いありません。だってわたしも同じ体験をしたから。
売り切れも続出するらしいので、頼みたいメニューがある方はお早めに。ただ話を伺ったところ日替わりがやっぱりすごそうです。
大ばんぶる舞
西原町字棚原 198-1
日、水 11時〜15時
月、火、木、金、土 11時〜16時