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THE 煮付け
煮付けとはなんぞや
これまでDEEokianwaでは、沖縄の食堂でよく見かけるけど謎に包まれた「沖縄の食堂の不思議メニュー」を幾度か紹介してきました。
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今回スポットライトを当てたいのは「煮付け」です。
煮付けというものは全国的にありますが、沖縄の煮付けは豚肉が入っており、だしも豚ベースの出汁が使われているものが多いようです。そして食堂ではその煮付けがメインのおかずとして色々な食堂で供されているのです。
ところでこの煮付け、お店によってかなりバリエーションに富んでおり、具材も島豆腐なのか厚揚げなのか、三枚肉なのかてびちなのかなどなど様々な具材が入っています。
というわけで煮付けの全貌を解明すべく、編集部で食べ歩いてみました。
まきし食堂(那覇市)
まずは国際通りに面したビルの3階に入っている「まきし食堂」。DEEで何度か出てきた「一銀食堂」と「ハイウェイ食堂」と同じ系列らしいです。
入り口は喫茶店のような佇まい。
店内も食堂らしからぬ、なんだか一昔前のモダンな感じです。ハイウェイ食堂もこんな感じですよね。
食券制なのですが、食券を買う前に控えているおばちゃんに「何にするの?」と聞かれるので事前にオーダーしてから食券を買うというシステム。めちゃめちゃメニューがあるので煮付けを探すのに一苦労です。
煮付け定食(780円)
ちょっと来てびっくりしたのですが、ごはん味噌汁以外にポーク卵と刺身が付いてきます。
煮つけに入っているものは
・厚揚げ
・三枚肉
・ソーキ
・てびち
・昆布
・こんにゃく
・大根
・人参
・かまぼこ
・エンドウ豆
一皿に三枚肉・ソーキ・てびちと肉のバリエーションがすごいです。味付けはかなりあっさり目でさらっといける感じ。
名護そば まきし食堂
沖縄県那覇市牧志3-1-6 勉強堂ビル 3F
営業時間:9:00〜25:00
花笠食堂(那覇市)
お次は平和通りにある花笠食堂。
商店街にあるこのディスプレイはひときわ目立ちます。
沖縄の定番料理は一通りそろっています。
もちろん煮付けも。
お店はディスプレイのある場所から路地を少し奥に入ったところにあります。
では入ってみましょう。
店内はテーブル席がメインで、奥には座敷も。
メニューが新しくなっていて、日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語対応になっていました。すごい。
店内も少し前は地元の人か日本人観光客だけだったイメージがあるのですが、今回は英語やら中国語やら、うちなー方言やらいろんな言葉がちゃんぷるーになって飛び交っていました。
ちなみに定食は汁物が「中身汁、イナムドゥチ、みそ汁、ソーメン汁、沖縄そば」の5種類から、ごはんも「白ご飯、赤飯、玄米」の3種類から選べるようになっています。
イナムドゥチとか県外の人に説明するのも難しいのに、外国人に説明するのめっちゃ大変そう。
煮付定食(900円)
選択はイナムドゥチと赤飯にしてもらいました。
煮付けに入っているのは
・三枚肉
・大根
・人参
・じゃがいも
・昆布
・揚げ豆腐
・こんにゃく
・エビフライ
・キャベツの千切り
じっくり煮込まれていて優しい味の野菜と三枚肉に、なぜか急にエビフライとキャベツの千切りがついています。
運ばれてきた瞬間は違和感があるエビフライですが、食べていると揚げたてでサクッとしているエビフライが食感のアクセントになってとても美味しかったです。
花笠食堂
沖縄県那覇市牧志3-2-48
営業時間:11:00 ~ 21:00
定休日:なし(お盆・新旧正月)
ふくや(那覇市)
那覇市古島にある食堂ふくや。
入り口の日替わりランチの表示も
店内の様子も、ザ・食堂という佇まい。こういう食堂、いいですよね。
メニューはそばを中心としてありますが、煮付とてびち煮付もあります。
煮付(800円)
ごはんとそば、漬けものが付いてきます。
・厚揚げ
・三枚肉
・ソーキ
・大根
・かまぼこ
・レタス
一口食べて、おっと思ったのですが、ふくやの煮付はかなり濃いめに味付けられています。個人的にはこれくらい濃い方が好みだなぁと思いました。厚揚げは衣がプルプルになるまで煮込まれており、これがまたうまいのです。
ご飯がすごく進む煮付けでした。
お食事処 ふくや
沖縄県那覇市古島2-1-7 1F
営業時間:11:00~20:00
定休日:日曜日
琉球料理ふみや(南風原町)
南風原町宮平にあるふみや。スーパー丸大と同じ敷地内にあります。
今回は南風原店ですが、那覇市前島に本店があり、フーチバージューシーの元祖の店として有名。
店内はテーブル席と広めの座敷。
煮付定食(850円)
煮付けの他に、お味噌汁、ひじきの煮物、キムチ、そしてフーチバジューシーがついていました。
煮付けの具材は
・ソーキ肉
・三枚肉
・厚揚げ
・こんにゃく
・にんじん
・昆布
・かまぼこ
・ごぼう
ソーキのお肉が入っているのが珍しいですね。
しっかり醤油が効いた濃いめの味付け。ごはんが進みます。
お肉も野菜も柔らかくて食べやすかったです。そして濃い味なので、箸休めという意味でもキムチがすごく美味しかったりしました。
琉球料理ふみや南風原店
沖縄県島尻郡南風原町字宮平251
営業時間:11:00 ~ 23:00
定休日:なし(旧盆・年末年始)
宮良そば(浦添市)
こちらは浦添市にある八重山そばのお店「宮良そば」。
煮付定食は910円。普通のそば系のメニューよりも結構高めの価格設定です。注文時に肉を「三枚肉」「ソーキ」「てびち」から選ぶことが可能で今回は三枚肉をチョイスしました。
煮付定食(910円)
ごはんとそばが付いてきます。
煮つけに入っているものは
・島豆腐
・三枚肉
・大根
・人参
・かまぼこ
・こんにゃく
・レタス
・昆布
・しめじ
・謎の葉っぱ
全体的に甘めの味付けで、レタスの照りがすごいのはみりんでしょうか。けっこうしめじの存在感がすごいです。
気になるのは謎の葉っぱ。全然クセがなく食べられたのですが、後で聞いてみたところ「雲南百菜かツルムラサキ」とのことでした。
ボリューム感もすごいし、ごはんがものすごく進む味です。そして、さすがそば屋。付け合わせのそばも美味しかったです。
宮良そば
沖縄県浦添市当山1-7-17
営業時間:平日11:00~20:00
定休日:第1火曜日
三角食堂(宜野湾市)
宜野湾市普天間にある三角食堂。名前のとおり、三角形の土地に建っている情緒ある佇まいの食堂です。
あともう少しすると、建物の隣に植えられている緋寒桜の花が見頃になると思います。
こぢんまりとした店内ですが、奥に畳敷きの座敷席があり、テーブル席も4つほどあります。赤いチェックのテーブルクロスがたまりません。
メニューは沖縄そばや丼ものをはじめ、定食系などがずらり。昔ながらの黄色いカレーライスもあります。
メニューに添えられたひとことメッセージが面白くてついつい読み込んでしまいます。
煮付(600円)
ごはん、スープ、おしんこ付きでこの値段は煮付けではかなり安い部類ではないでしょうか。
ワンカップのお水のコップが泣かせます。
煮付けに入っているのは
・豚肉
・大根
・厚揚げ
・にんじん
・じゃがいも
・ちくわ
・ピーマン
・なす
色合いからも見て分かるように、味付けはかなりあっさり系。
かといって味が薄いとかではなく、しみじみ美味しい上品なだしの風味が楽しめます。
わりとスタンダードな具材の中でひときわ異彩を放っていたのがナスなのですが、これがだし染み染みでめちゃくちゃ美味しかったです。もっと食べたい。豚肉も脂身が少なく噛めば噛むほど旨味が染み出してくる美味しい豚肉でした。アラフォーになると、こってりした三枚肉よりもこういう赤肉のほうが嬉しかったりします。
量も多すぎないので、女性でも難なく完食できます。
食べたあとは「あー身体に良いもの食べた!」という気持ちで満たされました。
三角食堂
沖縄県宜野湾市普天間2-41-1
営業時間:11:00 ~ 11:30 頃 (日によって開店時間が若干違います)〜17:00頃(食材がなくなり次第閉店すること有り)
定休日:日曜日
みどり屋食堂(宜野湾市)
同じく宜野湾市の宜野湾市立図書館の目の前にあるみどり屋食堂。
こちらも地元で人気の老舗食堂です。駐車場も広くて停めやすいので、お昼時ともなると近くで働くサラリーマンやガテン系の方たちで賑わっている印象です。
元気なおばちゃんがフロアを一手に仕切っており、店内は活気があります。
メニューはとんかつやカレーライス、沖縄そばをはじめ、おかずや味噌汁、ちゃんぽんなど沖縄の昔ながらのメニューも並んでいます。ちなみにこちらも昔なつかしの黄色いカレーで、みどり屋食堂といえば黄色いカレーというぐらいの名物となっています。(実際、滞在中に注文している人も多かった)
煮つけ(650円)
お値段の安さもさることながら、運ばれてきた煮付けの具材の多さに驚愕!
煮付けに入っているのは
・三枚肉
・大根
・厚揚げ
・にんじん
・じゃがいも
・こんぶ
・こんにゃく
・ごぼう
・ピーマン
・サバ
・てんぷら
・ポーク
・卵焼き
数えてみると、なんと13種類。
このボリューム、もはやキングオブ煮付けといっても過言ではないのではないでしょうか。
変わり種の具材としては、サバ、てんぷら、ポーク、卵焼き。煮汁の色からも分かる通り、味付けは甘めの濃いめ。かといってしつこくはなく、ごはんがもりもり進んでしまう美味しさです。ちなみにみどり屋食堂はごはんの炊き加減も最高なんです。
汁物はスープか味噌汁かと思いきや沖縄そば。白濁したこってり甘めのだしで美味しいです。
食べた感じでは、サバやてんぷら、卵焼きあたりは一緒に煮込んでいるわけではなく、最後にさっと煮汁をかけたり、卵焼きは別で作ったものを最後に添えて仕上げているようでした。手間暇かかってます。
なんとか食べきりました。かなりボリュームがありますが、具材のバリエーションも食感も豊富なので飽きずに最後まで美味しく味わえました。しっかりおなかを空かせてチャレンジしてください。
みどり屋食堂
沖縄県宜野湾市我如古3-4-8
営業時間:10:30~17:00
定休日:日曜日
まとめ
というわけで、県内中南部の8店舗の煮付けを食べ歩いてみました。
豚肉、大根、にんじん、厚揚げあたりを基本として、店によって個性的な具材が加えられていたり、味付けもこってり系だったりあっさり系だったりと、かなり振り幅の広いメニューでした。
そして値段も、600円台から800円台後半〜900円台と、二極化しているように感じました。
「おかず」と並んで、絶滅危惧種メニューのひとつでもある煮付け。
今回は那覇を中心に中南部の食堂を回りましたが、北部に行けばまた違った雰囲気の煮付けに出会えるかもしれません。
美味しい煮付けのお店があれば是非コメントで教えてくださいませ。
またいくつか集まったら第二弾をやりたいと思いますのでお楽しみに!
くわっちーさびたん。