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沖縄の伝統漁「ンヌジグヮーユベー」でシガヤーダコを捕まえたい
沖縄では秋から冬前にかけて、この時期だけできるシガヤー漁というのがあります。
シガヤーとは和名をウデナガカクレダコといい、イイダコのように小さいけれど手足が長いタコ。
通常、市場などには出回らないので食べたい場合は自分で捕まえる必要があります。
ちなみに大型のワモンダコや島ダコなどは漁業権があり捕まえるのは禁止ですが、シガヤーは捕まえてOKです。
時期とあって、10月〜12月頃に釣具屋さんに行くとシガヤーダコの仕掛けを売るコーナーがあります。
仕掛けはこういうもの。2mほどのテグスにシガヤーが好んで食べる貝の貝殻を4〜5個つけてあります。これを手づなにつけて海に投げ貝にしがみついてきたシガヤーをゲットします。
シガヤーは「ンヌジ」とも呼ばれ、これはシガヤー漁で伝統的に使う「ンヌジベント」という仕掛け。
ちなみにンヌジベントを使った伝統釣法を「ンヌジグヮーユベー」というのだとか。
購入するとだいたい2000〜3000円ぐらい。貝があれば自作も可能です。
ンヌジベントではなく、釣竿でもシガヤーは捕れるようですが(しかもこっちの方が簡単)、せっかくなので本日はンヌジベントを使って捕まえてみたいと思います。
ンヌジベントの使い方をとあるイベントで名人に教えてもらった
仕掛けを見たらなんとなく使い方は想像できるものの、本当にこれでタコが捕まえられるのでしょうか。
そんな疑問を持っていたわたしに朗報が入ります。シガヤー漁体験のイベントがあるというのです。
11月某日指定された場所に向かうと。
めっちゃ用意されているンヌジベント。
漁の前にまずは基本的な使い方を教えてもらいました。
ンヌジベントは海に放り投げるのでなくならないように手づなの先を左手小指にひっかけます。
手繰り寄せた手綱を8の字になるように左手に集めます。
投げを実演してくれるシガヤー漁名人。
貝がついたテグスを頭の上で振り回し遠心力を利用して海に投げ込むそうです。
姿はまさにカウボーイです。
名人はシガヤー漁に出たら5〜6時間は海から上がらないそう。
水だけしか持っていかないけれど、お腹が空いても楽しくてやめられないとおっしゃっていました。
名人が「ここが一番捕れる!」というポイントへ。
地元の人も大切にしているポイントということで場所は明かせませんが、砂地で遠浅。
貝にシガヤーがしがみついても目の前までは来ずに途中で逃げるので、逃げた場所を見ておいて最後は手掴みで捕まえるそうです。
しかし、ここから2時間ほどシガヤー漁を体験者20名ほどでやったのですが、とれたのは6匹(名人含む)。
この日は渋かったとのことでしたが、シガヤー漁めちゃむず!
ただ、ほとんど当たりもないシガヤー漁だったのに、妙にハマるところがあり夢を描いて何度も何度も投げました。次こそは!きっと次こそは!という感じでしょうか。むずいけれど楽しい!
名人が捕まえてくれたシガヤー。
塩もみして下処理して茹でて、みんなで食べました。
...食べましたと書きましたが、食べていません。なぜなら写真に写っている息子が出来上がりを目前に「違うとこと行きたい!」と言い出したから。
お母さんは食べたかったのに!っていうか今日の漁も一緒に参加した君が邪魔するからシガヤー捕まえられなかったんじゃないの?(ただの言いがかり)。
まぁ、仕掛けを投げては紐を引き、投げては紐を引きを繰り返すシガヤー漁は子どもには退屈だったのでしょう。シガヤー来ないし。次は大人だけでする。そして自分で捕まえたシガヤーを食べる!そう心に決めてこの日は美味しそうに茹で上がったシガヤーに別れを告げたのでした。
リベンジの日
その後、沖縄は寒くなったりでさすがに海に入りたくないなーと言う日が続いていたのですが、12月中旬になってまた温かい日が戻ってきました。
名人が教えてくれた場所ではありませんが、こちらはうるま市の某所。
釣具屋のお兄さんが教えてくれた場所です。
今回は子どもはなし。
そして浅瀬とはいえひとりで海に入るのは怖いので、大掃除中なのにと嫌がる友人を無理やり連れ出してやってきました。
教えてもらったポイントに行くとおじさんが、カウボーイスタイルでシガヤー漁をしています。
捕れますか?と聞きたいところですが、あまり近づいたり大きな声を出すとシガヤーが逃げてしまうので、邪魔にならない距離を保ちつつ。
さぁ、今日こそはシガヤーゲットするぞ!
ぐるぐるぐるぐる(回す)っポイ!(投げる)スー(引く)。ぐるぐるぐるぐるっポイ!..スー
ぐるぐるぐるぐるっポイ!..スー。ぐるぐるぐるぐるっポイ!..スー。ぐるぐるぐるぐるっポイ!..スー。...カウボーイを繰り返すこと10分....
ンヌジベントが切れました。嘘だろ。。。。
2つあったので、あとは友人と交互にシガヤーを狙ったのですが。
結果、今回もとれなかった!
シガヤーはとれなかったけど、なぜか泳いでいたエビを手掴みで捕まえられました。
ということでまだシガヤー漁は成功していませんが、12月いっぱいぐらいなら漁はできるということなので、もう一回ぐらい行きたいなと思ってます。食べたいなシガヤー...。本日は以上です。