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高知県で食べられている「りゅうきゅう」とは
食べられる「りゅうきゅう」を求めて高知県へ
かつて、琉球(りゅうきゅう)と呼ばれていた沖縄。
現代においてもなお耳馴染みのある呼び方で、人々から親しまれています。
そんな琉球ですが、いつだったか、沖縄から遠く離れた四国にある高知県に「りゅうきゅう」という食べ物がある、という話を聞いたのです。
いつの日にか食べてみたいと思いつつ月日が過ぎていったのですが、先日高知県を訪れる機会があり、ついにその「りゅうきゅう」との対面を果たしました。
やってきたのは高知県南国(なんこく)市にある、道の駅南国の野菜直売所。
農家の方が直接持ち込んだ朝採れの新鮮野菜が並んでいます。
におう、におうぞ
店内に入るとすぐに特徴のある外観が目に入ってきました。
そう、この細長い黄緑色のアロエのような野菜こそが「りゅうきゅう」なのです。
6本ぐらいのりゅうきゅうが1束にまとめられていて80〜120円ほど。8〜9月頃の、まさに今が旬だそうです。
ちなみに高知県のお隣、愛媛県出身の母親よると、愛媛県内でも流通しているものの「りゅうきゅう」ではなく「ずいき」と呼ぶんだとか。
調べてみたところ、りゅうきゅうとはサトイモの仲間であるハスイモの茎の部分のこと。
芋の部分は大きくならないので食用にせず、茎の部分のみを食べる野菜のようです。
なぜりゅうきゅうと呼ばれているのか調べてみたところ、かつて観賞用として沖縄から伝わったからだそう(諸説あり)。
沖縄では田芋(ターンム)は芋の部分も茎の部分(ムジ)も野菜直売所などで見かけるものの、ハスイモの茎はなかなか見かけることがありません。(以前、やんばるたろうさんが無人販売書で空振りしていたことはありましたが。)
高知県に伝わったあとに、沖縄ではぱったりと栽培をやめてしまったのでしょうか。なんとも不思議なものです。
りゅうきゅうを調理してみる
というわけで1束購入してきました。
まな板からはみ出すでかさ。
断面はこんなかんじでスカスカのスポンジ状になっています。
まずは洗ってから皮を剥いていきます。ピーラーではうまく剥けなかったのですが、包丁で切れ目を入れてあげるとピーッときれいに剥けました。
皮の山
4〜5cmぐらいの長さに切って、たんざく切りに。水にさらしておきます。
たんざく切りにしたもの
生でかじってみると食感はシャキシャキ!
後口にほんのりとアクがありますが、この薄さならあまり気になりません。味自体はとても淡白なので、食感を楽しむ野菜といった印象です。
切ったりゅうきゅうを5分ほどさっと茹でてざるにあげ、冷水にさらしてからぎゅっと水気を絞ります。
食感の変化を確認するため、半分は切り方を変えて薄切りスライスにしてみました。
スライスのほうが見た目はきれい
下処理はここまで。
母に習いつつ、味付けを変えて3品作ってみることにします。
りゅうきゅう料理、3品完成
料理といってもあとは簡単なもの。
まず市販の酢味噌とすりごまで和えて酢味噌和え。
こちらはお酢と砂糖、塩少々とすりごまを和えてさっぱり甘酢和え。
まあ見た目はほぼ同じなんですが...。
茹でた後のりゅうきゅうはざくざくとした食感になり、酢味噌や甘酢との相性もよく美味しいです。
切って茹でて和えるだけで立派なおかずの一品になるので、主婦的にこれはたいへんよろしいかと。
残りはお味噌汁の具に。
茹でたものを煮込んで、上に生のスライスを散らしてみました。
茹でたものにはじゅわっと汁が染み込み、生のものはシャクシャクとした食感が楽しく、これもまためちゃくちゃ美味しいです。
りゅうきゅうは味噌汁の具としてもおおいにありです。
美味しいぞ、りゅうきゅう
売り場に置いてあったりゅうきゅうのレシピを印刷したリーフレットには、りゅうきゅうの鯖寿司などちょっと難易度の高いものが紹介されていましたが、他にもアイデア次第でいろんなアレンジが楽しめそうです。
本場高知では他にどんな食べ方があるのか研究してみたいところです。
というわけで、以前から気になっていた「りゅうきゅう」をついに買って料理して食べてみたというお話でした。
高知やその近辺にお住まいの方、縁のある方にはおなじみの野菜ですが、「りゅうきゅう」というこんな野菜があるんだ!という発見につながりましたらこれ幸いです。
くわっちーさびたん。