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どうしようもない僕に沖縄そばだしがおりてきた
さて、長年沖縄B級ポータルを運営しているわけですが、ごくまれに全然記事のアイディアもないまま、漠然と自分の締め切りを迎えてしまうことがあります。それが今日です。
記事を落とすわけにはいかないので何かをしなければならないが、何も思いつかない…そんなとき、皆さんならばどうするでしょうか?
そうだ。そばだしだ。
当てもなくスーパーをうろついた締め切り当日。最近は結構スーパーで販売されている沖縄そばにもバリエーションが増えてきたと思うのですが、同様に沖縄そばのダシも結構商品のバリエーションがあるのです。今日はこれを飲み比べてお茶を濁したい…そう思います。
沖縄そばだしの歴史
さて、スーパーで買ってきたのは上の9品。割と沢山ありました。スーパーで販売されているそばだしはそのまま使うストレートタイプとお湯で薄めて使う濃縮タイプがあるのですが、今回は濃縮タイプを選びました(ストレートタイプが結構重いので持ち運びを考えて)。
さて、沖縄そばのダシについてですが、沖縄そばの歴史をまとめた報告書「沖縄そばに関する調査報告書」(1982年 サン食品)には次のように書かれています。
ダシ汁を取る材料は各店ともほとんど変わりがなく、豚のグーヤー骨(あばら骨)、鰹節、味の素が主なものである。井筒屋では鶏肉も使用しているが、当時は贄沢品で使用もそれほど多くはなかった。味の素は明治末期ベェーラーによって初めて使われ、以来引き継がれている。ここでいう味の素とは、グルタミン百パーセントの調味料のことである。これらの材料で作ったダシ汁は、サッパリしたクーァジのあるものになる。このダシ汁に塩少々と醤油をたっぷりそそいで黒くなるまで使ったのが大正のころまでのそばのダシの色である。このまっ黒いそばダシに改良を加えたのがゆたか屋トゥイデーラーの妻であった。
改良とはいっても、従来の醤油味(醤油が主、塩は従)から塩味(醤油は色つけ程度で、四枚鍋に一合位)に比率を変えただけのことである。
今日ではなんでもない事だが、当時としては一大異変であった。
今も昔も沖縄そばのダシは豚骨と鰹節ベースでしたが、当時は醤油をベースにした黒いスープがメインだったそうでそれを再現した唐人そばなんかも最近は復刻されています。塩ベースの白いスープになったのは大正の終わり頃で、現在にいたるまで、白いスープが沖縄そばの一般的なだしとして引き継がれているというわけです。
さて、市販の沖縄そばだしにはどのくらい味の差異があるのでしょうか?早速飲み比べてみたいと思います。
沖縄そばだしの味は違うのか
沖縄そばだし サン食品
まずはサン食品の「沖縄そばだし」。パッケージの「琉球王国が中国との交流で生み育てた宮廷料理…沖縄そば。」という表記が割とポエムチックです(宮廷料理なの?)。スープと調味油が入っているタイプで。味はあっさりとした塩味。
沖縄そばだし サン食品
続いてサン食品からもう一品。こちらは「豚骨をじっくり煮込んだだしをご家庭で!」というざっくりしとしたキャッチコピー。多分豚骨が強いタイプなんだろうなぁと思っていたのですが、口に広がるのはものすごい鰹風味。上の緑色のパッケージよりも全然カツオ風味で混乱してしまいました。
沖縄そばだし うるま御膳
こちらはうるま御膳の沖縄そばだし。「古人の伝統を受け継いだ沖縄そばだし」というキャッチコピー。見た目は結構醤油が強そう。口に入れるとこのだしは豚の風味がすごいです。かなり豚骨寄り。
かつお風味 沖縄そばだし うるま御膳
こちらもうるま御膳の沖縄そばだし(カツオ風)。こちらもしっかり醤油の色が付いてます。味は確かにカツオ風味なんですが、ちょっと独特な風味です。
本場 沖縄そばだし 照喜名製麺所
こちらは照喜名製麺所の沖縄そばだし。スープと調味油がついてます。味はかなりカツオが濃厚で、スープの塩味よりもだしの味がガツンとくるかんじ。
沖縄そばだし アワセそば
こちらは乾麺の沖縄そばが有名なアワセそばのそばだし。こちらもめちゃめちゃ濃厚なカツオだしなのですが、なんだかちょっとだしの素をお湯で溶いてる感じもします。
本格 沖縄そばだし マルタケ
こちらも乾麺で有名なマルタケのおきなわそばだし(粉末)。
こちらはなんと「ソーキ風」と書かれています。味はといえば、なんだかカップラーメンにありそうな味に仕上がっています。
沖縄そばだし シマヤ
こちらはシマヤの粉末沖縄そばだし。ポークエキスとカツオだしのあわせスープと書かれています。味なのですが、まずはニオイがすごい豚肉のニオイ。味はさっぱり目のカツオだしでした。
ANMAR×にんべん 沖縄そばだし
こちらは株式会社ホクガンとにんべんが共同開発したという沖縄そばだし。ベースは鶏ガラスープと豚骨だし、そしてカツオだしらしいです。割と他のものは塩味が先にくるのですが、このスープは甘みがあります。ちょっと深い味わい。
みんな違ってみんないい
というわけで本日は沖縄そばだし飲み比べという内容でお送りいたしました。思ったよりも味にバリエーションがあるので、自分好みのスープを探してみたりも楽しいかもしれません。また、これらのスープを混ぜ合わせることで好みの味を作れたりもするのではないかと思います。
いやあ。うっかり原稿を落としそうになりましたが、なんとかなりました。それでは皆さん、良い一日を!