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大山区大綱引きがアツい!
大山大綱引きとは
約300年の歴史があるといわれる大山大綱引きは、戦後しばらく途絶えていたものの1965年(昭和40年)に復活しました。
現在は毎年、旧暦6月15日の6月ウマチー(稲の収穫祭)の頃に開催されています。
2019年は今週末に開催されます。
大山区大綱引き
2019年(令和元年)7月28日(日)
15時より大山旧公民館より道ジュネー出発
17時ぐらいから大山小学校グラウンドにてアギエー&綱引き
※雨天の場合は8月4日(日)に延期になります。
本日は伝統ある大山大綱引きの今年の準備を密着取材し、昨年までの本番のようすを合わせてレポートします!
独特な戦い方!アギエーとは!!??
大山区大綱引きの特徴はアギエーがあること。
アギエーとは沖縄方言で「揚げる」という意味です。
どんなものかというと、前村渠(大山区南側)と後村渠(大山区北側)の両者に分かれ、長いものでは6尺棒を使い綱の頭を限界まで高く揚げぶつけ合い、先に縄の体制が崩れ地面に落ちた方が負けとなる、1回限りの勝負です。
総重量約1.5トンの綱がぶつかり合う為、あたる角度によっては、人が下敷きになったりならかなったり!?のスリルも味わえる今の時代ではなかなか珍しい戦いと言っていいでしょう。
地元の人間は、このアギエーの勝敗で
「おめぇ、今年アギエーに負けただろっ、、、」など酒の席でもビハインドを受ける程、この勝敗は大きな影響もあるとかないとか。
大山区の助け合い文化は素晴らしい
まずは準備のようすを密着したのですが、「年々自治会への加入も激減し資金調達にも苦労しています」とおっしゃるのは大山区自治会長さん。
今年は、大山区綱引きチャリティーコンペと名前を変え、資金造成ゴルフコンペを開催。
毎年開催されるこのコンペ。参加人数は平日にもかかわらず70人を超えました。
みんな仕事と名前を変えゴルフに参加でしょうね。
そう、私もその一人。
景品はすべて寄付・提供で賄われ、打ち上げではヤギ汁まで寄付されました。
素晴らしいですね。
今回の表彰された皆さん。
大山区の3人の市議会議員(全員若い!)の陽気なMCと共に表彰式は進みます。
こうやって、集まった資金は祭りの運営費として有意義に活用されます。
大山の綱はすべていちから手作り
大山の綱は、実はすべて地元の人達や、大山綱引きを愛する方々の手作りで作っているんです。
昔は、地元地域の人だけで手がけておりましたが、近年では多方面の方々も綱作りに参加が増え、綱作りファンも多くなってきたとか。
金武町の契約農家さんから藁を搬入。
今年は、7月14日に地元の方々が公民館に集合して、金武町へ出向き搬入作業。
旧公民館跡地へ運びました。
新規自治会加入者や綱作りに参加してみたい!という方向けに綱引き・ロープ講習を行いしっかり次世代へ継承していきます。
縄作りは7月15日から開始されました。
縄作りその1.脱殼
藁をすく珍しい機械があるんです。脱殼機というそうです。
足で漕ぐと、丸くボコボコしたものが回りそこに藁をあてシンプルな編みやすい状態に。
これも代々伝わる工具なんでしょう。
なんか、縄文時代の頃の社会の教科書に出てきそうな雰囲気ですね。
縄作りその2.藁シベ作り
縄作りその3.綱打ち
綱打ちは結構力がいるし、緩いと縄がちぎれる事になるので重要な作業です。
一人が束を押さえて、掛け声をしながらヒトねじりヒトねじり3名が作業していきます。
ちょっと、ヨイトマケが頭を霞みます。
脱穀して、藁シベを作り、綱打ちをする。このサイクル作業を2週間、永遠に続けます。
40m:2本、50m:2本、60m:2本、70m:2本と、合計8本の綱を区民の手網で作っていきます。
すこく地道で根気のいる作業です。
しかし、作業をしながら楽しい話しをしたり、懇親を深める事で地域の愛が深まるのでしょう。
今回は初の取り組みで大山小学校の児童達に綱引きのポスターを描いてもらいました!
綱の構造をよく知ってる所がさすが地元の子って感じですね。
大綱作りはまだまだ終わりません
合計8本の綱を作った後は大綱引きで使えるようにしていきます。
綱引きの引っ張る部分を作る担当
綱の胴体を作る担当
綱の頭部分の土台を作る担当
それぞれのベテランがリーダーとし若い世代へ受け継いでいく光景は、とても美しく頼もしい。
どんどん完成していく様子・・・
毎日18時から綱作りが行われています。
この時期になると、ここら辺一帯は、ラグビー部の部室(勝手なイメージです笑)のような匂いがしていました。
綱引き前夜のようす
ここからは昨年までのようすです。
綱引き前夜は、大事な大事な頭部分を作ります。
ここは、暗黙の了解で主となるメンバー中心となり神聖な雰囲気。
芸術的な形を作るこの瞬間は、大山区民の想いの結集ですね。
潰されるなよ〜先に落ちるなよ〜と願いを込めつつ手をかけていきます。
本番の日
そして、本番当日。
朝から、大山区民なら聞き慣れているのですが、普通に聞くとマジびびるぐらいの爆音が広報マイクから流れまくります。
ドラ、鐘や、太鼓の音を始め
「はるよいー!はーいや!」の掛け声。
何事??と私もはじめ聞いた時は戸惑ったもんです。
これらは綱引き開催を知らせる広報放送なのです。
「はるよい!はーいや!」
これは大山綱引きの重要とも言われる掛け声なので、綱引きに行かれる方はぜひこの言葉は覚えておいてください。ちなみに大山小学校から宜野湾バイパスをつなぐ橋は、「はるよい橋」という程、大山ではメジャーなワードなのです。
15時頃から大山の前村渠(大山区南側)と後村渠(大山区北側)に分かれ、綱を区民みんなで運ぶ道ジュネー。
道ジュネーは、旗頭を先頭に子供達が鐘や太鼓を鳴らして歩く鼓笛隊。婦人会の踊りなどで集落を華やかし魔除けや雨乞い、豊年満作の神事だと言われています。
先頭には重量約30キロの旗を持ち上げ揺さぶる旗頭。
力自慢の青年達が、綺麗な旗頭を持ちバランスを取りながら高々と持ち上げます。
約400mの道を区民みんなで道ジュネー。向かうは決戦の会場大山小学校グラウンドです。
両者綱頭を高々と上げたり揺さぶったりと挑発をし合いながらグラウンドへ入場。
ここから地元の意地とプライドをかけた本気の戦いが始まるのです!
「もう、負けた事を酒の場でも言われたくねぇ・・」
全員が本気モードです。
いざ、両者向き合い戦いの前の老人クラブの皆さんの踊り。
しかも結構3曲ぐらい踊ります。
ついにアギエーがはじまる
そして、「ガーエー(威嚇誇示)」が行われます。
綱頭を大きく揺さぶり、威嚇します。
うぉぉぉーーと、声を出してたり出してなかったり・・・
さぁ、戦闘態勢に入りました!
いよいよ決戦の時!
「アギエー」が行われます。
冒頭でも説明はしましたが、互いの綱頭をぶつけ合い先に地面に落とした方が勝ちです。
ピストルの音と共に、各者自慢の綱頭を一気にぶつけます。
6尺もある長い棒で綱頭を高く持ち上げ激しく衝突。
男達の声と、不安を煽るような足音。
ドドドドドーー
ざわざわざわざわ。。。。
ズバズババババーーーー!
見てる側。超怖いです。
キャーと悲鳴とも取れる大勢の騒めきと共に、綱が潰れていきます!
地鳴りがすごい!
誰か下敷きにはなっていないだろうか?と一気に襲う不安!!!
そしてついに...
スドーーン!!!!
一斉に本部席正面の指令台を注目!!
審判員を務める自治会長が旗を「バサっ!!!」と勝者側の旗を揚げる。
うぉぉぉぉぉーーー
これがこの祭りの最高潮の時なのです。
その後、雄綱を潰し雌綱の中に通し、カヌチ棒を通すという神秘的な工程にはいります。
ここからは、一般的な綱引きです。
先ほどの戦いがマジだっただけに、二番煎じ感はありますがこの戦いも熱い。
いかがでしたでしょうか?
一度見てみたくなりましたか?
大山大綱引きのアギエー。
2019年は今週末の開催です。
大山大綱引き
2019年(令和元年)7月28日(日)
15時より大山旧公民館より道ジュネー出発
17時ぐらいから大山小学校グラウンドにてアギエー&綱引き
※雨天の場合は8月4日(日)に延期になります。
今時こんなハードな祭りがあったなんて!
この興奮とスリルを味わいに来ませんか?
皆さん奮ってご参加ください!
ゲストライター
- nacky
-
母親は宮古島・父親は南大東島という離島ハーフ。
出生、小・中・高・嫁ぎ先まで宜野湾市。生粋の沖縄人ですが、自称日本に来て8年目という設定。人生ネタだらけ!おもしろフィルター全開で世の中見てます。元国体選手が体を張ったネタ・商工会青年部ネットワークを駆使した調査をメインにやっていきたいと思います。目標は「私の記事を読んだ人がニヤニヤする事!」