2019.07.10

第一牧志公設市場の仮設市場はどうなっているのか

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2019年6月16日に老朽化による建替えのため、これまでの場所での営業を終了した第一牧志公設市場。7月1日から仮設店舗での営業がスタートしたので現在の様子を見に行ってきた。

シャッターが閉ざされた公設市場

2019年6月16日に老朽化による建替え工事のため、これまでの場所での営業を終了した第一牧志公設市場。
それから約2週間を経て、2019年7月1日から仮設市場での営業を開始しました。

シャッターがすべて閉じられたかつての市場。年中無休かと思いきや実は毎月一度あった公設市場の定休日(毎月第4日曜日)もこんな感じだったのでしょうか。個人的には初めて見る光景に戸惑います。

しかし市場の周辺には、しっかりと仮設市場への案内が設置されていました。日本語、英語、中国語。多言語対応で抜かりなし!
矢印に従い旧市場前から向かって右側に2〜3分ほど歩くと仮設市場が見えてきました。

こちらが移転オープンした第一牧志公設市場の仮設市場です。
まずは建物の周囲をぐるりと一周してみます。

建物の周辺にはテーブルといすが置かれた休憩スペースがいくつかあり、観光客が市場で買ったものを食べながら休憩したり、ご近所や市場で働く方たちがゆったりと休憩できるスペースになっていました。こういうスペースは旧市場には無かったので、すごく良いですね。

このシーサーも市場のどこかにいたなー。どこだったかな。
建物の四方八方に出入り口が設けられており、また間口も広いのでどこからでも入りやすい雰囲気でした。
 

いざ、市場内に潜入

それでは市場内に入ってみましょう。
アジアを思わせる雑然とした雰囲気と、ムンと鼻孔をくすぐるあの香り。


あの香りの出処

意外にも、一階は驚くほどに以前の建物の公設市場の雰囲気そのものでした。
もちろん床を見ればピカピカだし、照明も明るくいろいろ新しくはなっているのですが、そこに漂う雰囲気はあのまんま。
それもそのはず、基本的に旧店舗で使用していた看板や計器類をそのまま使用している店舗が多いからです。

仮設市場は旧市場を同じく、鮮魚、精肉、乾物その他、とエリアごとに分かれていました。
まず中央の通りはイユマチ、鮮魚エリアです。

「ごはん食べましたか?」「二階で食事できますよ!」
旧市場でも耳にしたかけ声が聞こえてきます。

一階で購入した食材を二階のレストランで調理してもらって食べることのできる”持ち上げシステム”も健在です。


このヤシガニもどこかで見た気がする...

以前の記事『ターイユシンジはどんな味なのか』でお世話になった大城うなぎ店さんも、仮設市場で元気に営業されていました。
お次は建物南側に広がるシシマチ、精肉エリア。

見覚えのある景色がそこかしこに。

ソーキもてびちももちろんあります。

チラガーもありましたが、旧市場でフォトスポットとして人気だった、サングラスをかけててびちでピースをしたチラガーは見かけませんでした。移転とともに現役引退したのでしょうか。
そして北側に並んでいるのは、生鮮・乾物・その他食品エリアです。

旧店舗からそのまま持ってきたらしき、年季の入った木製のショーケース。以前の市場は外の光が入らない造りでしたが、仮設市場は通りに面して四方がガラス張りで店内が明るくなったため、旧店舗でも見ていたはずのものがなんだか新鮮に映ります。

ちなみに、多くの人に愛されてきた冷しレモン(シークヮーサードリンク)が味わえるコーヒースタンド小嶺は、まだ移転準備中で営業されていませんでした。お隣の電柱商店のマダムたちに伺ったところ、どうやら機械などの引っ越しに時間がかかっているらしいとのことでした。はやくまた、あの冷しレモンを味わいたいものです。
 

二階はどんな感じなのか

二階に上がってみましょう。

旧市場では中央にある吹き抜けホールからエスカレーターで二階に上がれましたが、仮設市場ではエスカレーターは無く階段かエレベーターでの移動となります。

こちらが二階の様子です。旧市場の一階外部、正面で営業されていたみき屋さんはここに移転していました。

歩のサーターアンダギーも健在。ここのサーターアンダギーは時間が経っても外側がサクッとしてめちゃめちゃ美味しいです。

あだん、きらく食堂、ツバメ食堂、道頓堀などお馴染みの二階レストランはそのまま移転してきた様子。旧市場よりもスペースに余裕があるからかあの雑多で独特な雰囲気が少し薄まった気がしますが、沖縄らしいローカルな雰囲気はしっかりと漂っていました。

今回の仮設市場への移転で嬉しいのが、トイレが広くてきれいになったこと。多目的トイレや授乳室まで完備されているので、お年寄りや小さな子ども連れでも安心して利用できます。

たしかこれは旧市場の二階トイレ前に天井からぶらさがっていたレトロな雰囲気のトイレサイン。こういった小物がそのまま活かされているのは嬉しいですね。
 

これまでも、これからも

というわけで、お店した第一牧志公設市場の仮設市場よりお届けしました。
以前よりも明るく開放的で入りやすくなったのに、以前のままのローカルでディープな雰囲気もしっかりと味わうことができる。
そんな、観光客も地元客も楽しめる新しい場所になっていると思います。

仮設市場での営業は2022年3月31日まで、4月1日からは現在の市場の場所に建て替えられた真新しい市場に再移転して営業が再開されます。戦後47年の歴史を持つ沖縄の庶民の台所、第一牧志公設市場。新たに生まれ変わるための準備期間も、しっかりと見守り応援したいと思います。

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