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そろそろ解体、中城高原ホテル
中城城趾に隣接する場所にある廃ホテル「中城高原ホテル」は別名チャイナタウンとも呼ばれ、沖縄県民ならば誰もが知っている廃墟でした。
心霊スポットとしても有名で開業前に死亡事故が起きて結局開業しなかったとかプールで子供が溺れたとかいう話がまことしやかに語られていたのですが、実際は1972年の沖縄の本土復帰から数ヶ月だけ営業していたそうです。
沖縄の古い映像を収集して、公開している「沖縄アーカイブ研究所」に当時の映像が残っています。
【FILMS】中城城跡公園 遊園地 – 沖縄アーカイブ研究所
このホテルを作ったのは国際通りの名前の由来となった「アーニー・パイル国際劇場」を作り、沖縄のモノレール構想をまとめたという高良一さん。先の知事選に出馬した渡口初美さんのお父さんでもあります。
1972年に建築された建物がなぜに2019年まで残っていたのかですが、ホテルの入り口には何やら行政を激しく非難する内容の看板がたてられておりかなり行政と揉めていたのではないかと思われます。
高原ホテルが有名だったのはかなり目立つ所にある、大きな建物であったこと以外に中城城趾からワンストップでアクセスできるというアクセスの良さもあったのではないかと思います。特に閉鎖もされていなかったので、ここを探検したことがあるという沖縄県民、観光客の人もいるのではないでしょうか(立ち入りは違法だし、2005年からは老朽化などにより一切立ち入りが禁止されてました)。
2019年。そんな中城高原ホテルの取り壊しが決定したのです(沖縄で有名な廃虚スポット・中城高原ホテル撤去へ 開業できず40年超 世界遺産・中城城跡そば 県が解体し歴史体験の場に整備 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース)。
というわけで取り壊しが決まった高原ホテルが現在どうなってるのか、気になったので行ってきました。
2019年6月現在の高原ホテル
まずは中城城趾に足を運びます。
中城城趾から見える廃ホテル、この風景が拝めるのもあとわずかになりました。
ホテルの入り口部分。立ち入り禁止の看板が建って、すでに業者の人が沢山集まっているもよう。
看板を見ると事業は「旧高原ホテル老朽化による解体工事」、工期は2019年の3月から2020年の3月までとなっています。
中を調査してるんでしょうか。今のところは取り壊しは始まっている感じではありませんでした。
看板にはホテルの位置図が。プールとか建物の形とか、漠然としか把握してなかったのですが割と正確な位置図的なものが存在するんですね。
ひとつだけ気になることがありました。以前そうだ。あるいて中城城へ行こう。という記事を書いたのですが、中城城趾には中頭郡方東海道という古い道が続いており、正規の入り口の裏側から高原ホテルの脇を通って入ることができました。
どうするのかなーと思って、道を行こうとしましたが工事をしている人に「ここからは立ち入り禁止です」と注意されてしまいました。うっかり入る人が多いので見つけ次第注意をするように言われているそうです。
現在「そうだ。あるいて中城城へ」は行けない
ちょっと気になったので8年ぶりに中城村ハンタ道を通って中城城趾へ。
どこかで立ち入り禁止の看板が建てられているのだろうか、と思いつつ山道を歩きます。
歩くこと20分あまり。普通に高原ホテルの道まで辿りついてしまいました。看板の枠みたいなものは設置されていたので、いずれは看板が建てられるとは思うのですが、できればもうちょっと手前に何かしらのお知らせがあるといいなぁと思いました。というわけで、現在は中頭郡方東海道を通って中城城趾には行けません。ゴール手前で引き返すことになるのでご注意ください。
沖縄の歴史がまた1ページ
というわけでそろそろ解体される中城の高原ホテルについて本日はお送りしました。最近でいうと公設市場の閉鎖が話題ではありますが、高原ホテルも沖縄を象徴する建物であったことに変わりはないと思うのです(まあ廃墟だけど)。
いつまでも残しておくものでもないとは思いますが、やっぱりなんだか寂しい気分になってしまうのは歳のせいでしょうか。
当然中には入れませんが、まだ外観は外から眺めることができます。今のうちにその姿を目に焼き付けておこうと思います。