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奇祭ドウドイをからくり人形で作りたい
動くおもちゃ・オートマタ
オートマタという言葉をご存知でしょうか。オートマタとは簡単に言えば西洋のからくり人形。
2018年の2月に沖縄こどもの国にオートマタ作家の原田和明さんが公開制作をされていたんですが、シンプルなのに複雑で、めちゃくちゃ楽しいオートマタの世界にものすごく感銘を受けたのです。
そして原田さんにオートマタに興味があるならと教えてもらったのが日本のオートマタの第一人者西田明夫さんの『摩訶不思議図鑑〜動くおもちゃ・オートマタ 西田明夫の世界〜』という本。
『摩訶不思議図鑑』は作品の紹介のみならず、オートマタの考え方や作り方などが載っており、見ていたら俄然自分も作ってみたくなるし、作れるような気がしてくるのです。
そうだ、ドウドイを作ろう!
では何を作ろうかということになるのですが、最初に作るならとにかく動きが単純でしかも面白いものがいい。
ということで思いついたのが名護市久志集落で行われる奇祭「ドウドイ」です。
ドウドイとは、丸太を十字に縛った「馬」に子宝を祈願したい既婚男性を乗せて集落を練り歩く祭り。
ちゃんと知りたい方は、股間が痛い奇祭「ドウドイ」を見学してきたをご覧ください。
まずは何を動かせば、ドウドイになるのかを考えます。
またがっている人に注目してしまいそうですが、動いているのは後ろの人の腕とまたがっている木ぐらい。
他は止まっていても良さそうです。
ではどうしたら腕と木を動かすことができるのか。
いろんな方法があると思うのですが、このこのスタンパーと呼ばれる、突起を持つ滑車がまわって右側真ん中のバーを持ち上げて下に落とすという方法でやってみたいと思います。
試作品1号
さくさくと進んでいるように見えますが、現実には作ってみたいという気持ちだけで、出産したばかりだったのでがっつりとした時間もないし、仕組みの部分を木で作る場合はボール盤や糸のこぎりが必要なのですが、もちろんそんなものないのです。
ショボさがすごい!
わたしが感動したオートマタはこれではない!
試作品を作ってわかったことは、仕組みを作るのも難しいけど、人の部分どうしよう...という問題。
最初は簡単にできそうなドウドイを作ろうと思ったのに、人を作るのめっちゃ難しそう。
後ろの人の腕以外は止まっているんだから木にこだわらず紙粘土で作ったらとも思いやってみましたが強度がなさすぎてダメでした。
ときどき思い立って彫刻刀で木を削ってみたりして、いつのまにか試作品を作ってから1年がすぎました。
ありがとうぼくらのDAISO
ずっとドウドイのことが頭の片隅にありつつ暮らしていたんですが、ある日ダイソーで私は見つけてしまいます。
なんとこれ、14箇所の可動関節!
できるやん、これで人の問題解決したやん!
ということで本製作を開始します。
まずは必要なパーツをそろえるために、図面設計。本には同じものの作り方は書いてあったもの、新しく作る方法は載ってなかったので、このあたりは自己流です。
サイズもたぶんこれぐらい?という不安なまま進めます。でもやってみないとわからないのです。
必要なパーツを書き出しました。
これを元にメイクマンで買い出しです。
ちなみにメイクマンの浦添本店では、購入したものに限り3時間無料で工作室の利用が可能。
家に工具がなくてもここでできるのです!ありがとうメイクマン!
ちなみに工具に欲しいサイズがない場合は、買ったものを使ってもいいらしいです。糸のこぎりの歯などの消耗品は置いていないので自身で購入してくださいとありました。
パーツが揃いました。工作室めっちゃ楽しかった!まじでここに住みたいぐらい楽しかったです。
組み立てました
あとはささっと組み立てればできあがり!というわけにはいきません。
よくわからない添え木、付け替えたであろう穴、飛び出る上の金具。
作ってみたら「なるほど!こうなるからこうすればいいのか!」と気づくことの多さ。
これを作るだけで3時間ぐらいかかりました。
見た目は不恰好なものになっていますが、ようやくスタンパーができました。
ではこの上に人形を取り付けます。
14箇所の可動関節デッザン用人形カモン!
しかし肩に棒を担ぐまではできないようで、動かしすぎて左の子は手が取れました。ごめんね。
どういう仕組みかというと、スタンパーの棒をめっちゃ長くして、後ろの人が持つ棒と固定し連動して上下させることで、ドウドイの動きを再現しようとしているのです。
実際は後ろの人の腕は棒についていっているのですが、棒を押し上げているように見せようというイメージです。
ここでも思っていなかった問題。
両手を棒に固定しようと思っていましたが、固定してしまうと関節の動きがにぶくて棒がぜんぜん上下しません。
しょうがないので、片手で棒を持ちあげていることに。どんな力持ちか。
主役を棒にまたがらせます。
固定をしたくて腕を紐で結んだら、刑罰感が強くなってしまいました。刑罰じゃないよ、子宝祈願だよ。
では、動かしてみましょう。
いや、うううん。
そうなんですが、そうではない。
棒の位置が後ろの人の腰あたりにあるので、ドウドイっぽいけどなんか違うのです。
完成なるか
人形が乗っていた台から下ろしたり、棒の位置を調整し直したりしました。
するとやりすぎて手が届かなくなるターンに。
手は諦めて服を着せました。腕は気をつけ状態にしているのですが、袖が動くことで腕が動くようにみせることに。
こんなことならもっと簡易な人形でよかったんじゃないかという気もしますが、ここまでやらないとわからないことだったのです。
袖の先に、動かしすぎて取れた前の人の手をつけておきます。
できた!
では最後に動く映像をお届けして本日はおしまいです。
次はもっとうまく作れる気がするので、またオートマタやりたいです。
メイクマンさんわたしを工作室に住まわせて!