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三線鑑定会でお宝三線を見つけ出せ!
月に一度の『三線鑑定会』
とある日の昼下がり。県立博物館・美術館の実習室で琉球三線楽器保存・育成会のメンバーがなにやら話し合っておられます。
手にしているのは三線の棹。
この会は琉球三線楽器保存・育成会の方々が、三線の鑑定を行う月に一度の『三線鑑定会』なのです。
左手手前に座られているのが三線を持参した一般の方。机をぐるりと囲むのが琉球三線楽器保存・育成会の方々です。
三線の価値って重さで決まるんでしょうか?聞いてみると、
「そんなことはないよ。使われる木によって重さは違うからね。大きいのは重いし。重量だけでは決められない」とのこと。
ちなみにこの三線は、持ち主の方が譲り受けた三線だそうで、元々の持ち主の方は明治生まれ。生きていたら120歳ぐらいとのこと。以前、同じ方から譲り受けた三線を鑑定してもらったら作られてから100年以上経つとのことだったので、今回の三線も100年物かもしれない、とのことです。
100年以上前のものなのかの鑑定が続きます。
この大きさのものが100年以上前にあったのか、元々の持ち主の方の話など、さまざまな状況を鑑みて、
「作られたのは昭和初期、100年は経っていないけれどすごく良いもの」という結論にたどり着きました。
では気になるこの三線のお値段は!?
...
...
...
「お値段の発表はありませんよ」。
ひとりでめちゃくちゃ楽しみにしていたのですが、そういう鑑定会ではないそうです。
三線鑑定会はなにを鑑定していたのか
三線鑑定会は持ち寄られた三線の値段を鑑定するものではなく、三線を鑑定して、三線という楽器の情報を集めているのです。
実は琉球三線楽器保存・育成会が発足した30年前には三線にはどのような型があるのか、また製作された年代や製作者など、わからないものが数多くあったそう。そんな状況を改善するため、三線の各流派の指導者や製作者が集まって三線をひとつづつ調査、分類してきたんだとか。
三線鑑定会によって、多くの三線を鑑定した結果、いまではおおよその製作年代などが見分けられるようになったそうです。
鑑定するのは棹だけでしたが、その理由は太鼓の部分は今は接着剤でくっつけますが昔はメリケン粉を糊にして接着していたから、剥がれたり虫に食われたりで、現代までその姿をとどめているものがなかなかないからだそうです。
カラクイなどの部分も壊れてしまうことが多いので、100年以上残るのは棹の部分だけだとか。
大正後期の三線の持ち主の方に話を伺いましたが、年代物の三線なので家宝にされ大切に仕舞われているのかと思いきや、いつも自宅の壁に吊ってあるので、普段から弾いているそうです。
三線の音は棹と太鼓の相性が大切で、「これは厚い良い皮を使った太鼓をつければとても綺麗に響くよ!」とおっしゃっていました。
100年物を普段使いしてるのがすごいですね。
頭からお尻までシュッとした形の棹。久場春殿型と言うそう。
シュッ!木の模様の入り方もかっこいいですね。
2時間近く鑑定会を見せていただいたのですが、三線の鑑定の仕方も、価値のある三線の見分け方もぜんぜんわからなかったのですが、だんだん三線カッケー!と思っている私がいて驚きました。お値段の高い三線を買ってしまいそうです。
沖縄が誇る家宝の三線展が開催中
さて、鑑定会をしながら三線を調査してきた「琉球三線楽器保存・育成会」の創立30周年を記念して、ただいま県立博物館・美術館(おきみゅー)で『沖縄が誇る 家宝の三線展』を開催中。同会が30年鑑定してきた中から、選び抜かれた60挺以上の三線を展示しているそうです。
展示物の三線には戦時中にハワイに疎開したものや、戦火の中守り抜かれた三線もあるんだとか。三線に歴史あり。
また、3/4(月)の「さんしんの日」にはエントランスホールで三線を持参すればだれでも参加可能な演奏会もあるんだとか。みんなで一斉に三線を弾くそうですが、とりあえず『かぎやで風』だけ弾けたら大丈夫だそうです。
琉球三線楽器保存・育成会創立30周年記念 沖縄が誇る 家宝の三線展
2019年02月05日(火) ~ 2019年03月10日(日)
沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)