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その説明で大丈夫?沖縄苗字の伝え方
問題です
以下の沖縄の苗字を調べずに漢字で書いてください。
- A:とうばる
- B:かきはな
- C:ぎすじ
- D:ぎぼ
- E:なかもと
- F:またよし
- G:とうま
沖縄の苗字ってどうやって伝えてるの?
いきなり問題を出してしまいましたが、みなさんこんにちは。
沖縄って名字が独特じゃないですか。自分の苗字の漢字を県外の人に伝えるのに沖縄の人は結構苦労しているんじゃないかと思ったのです。
そこで、沖縄の人はどんな風に自分の苗字の漢字を伝えているのか、またそれは県外の人にちゃんと伝わっているのかを本日は調べてみました。
まずはわたしの友人に聞いて教えてもらった、自分の苗字の漢字を伝え方を紹介していきましょう。
とうばるさんの場合
とうばるさん、つまり私の場合です。
沖縄以外だと「とうばる」という苗字は珍しく、聞き返されることもありますが漢字を伝えるのは容易。
「果物の"もも"にはらっぱの"はら"です」
↓ということは
桃原(とうばる)
簡単ですね。続いていきましょう。
かきのはなさんの場合
南城市の垣花樋川(かきのはなひーじゃー)があるので沖縄県民には馴染みのある名前かもしれません。
「かき根の"かき"に簡単なほうの咲く"はな"です」
↓ということは
垣花(かきのはな)
垣根の垣が出てきたら、あとは花なのでこちらも説明を聞いたらすぐに書けるはずです。
ぎすじさんの場合
県内でも小数派苗字のぎすじさん。なかなか説明が難しいと思うのですが、どんな風に漢字の説明をしているのでしょうか。
「ギはぎ野湾の"ぎ"、スはことぶきの旧漢字で"す"、ジはNEXTのつぎで"じ"」
旧漢字のスと言われて戸惑っているところに、NEXTと英語が入ってくるので脳がパニックに陥りそうです。
↓漢字は
宜壽次(ぎすじ)
壽は書ける気がしない。
宜壽次さん本人も「結婚後は名前を伝える難しさを改めて感じましたね。。お店の予約は何回も聞き返されるのがめんどくさいので、迷わず旧姓を名乗ってます(旦那まで私の旧姓で予約するらしいw)」とのこと。沖縄の人にさえ苗字を伝えることが難しいそうです。
ぎぼさんの場合
男性の恩納さんのように、実母のぎぼさんも県外では混乱させる苗字かもしれません。
「よろしくほいくえんで"ぎ""ぼ"」
なにこの説明!?って感じですが、本当にこの説明をしているそうです。
↓漢字は
宜保(ぎぼ)
たしかに宜しく保育園だわ、と妙に納得してしまうのです。
他にも同世代(30代から40代)には宜保愛子の宜保です、と伝えるのだとか。
逆に漢字だけ書いて読み仮名がない場合は、「よしやすさん」「よろたもさん」と呼ばれたこともあるんだとか。よろたも!
なかもとさんの場合
なかもとさんは内地姓でもあるので簡単そうですが、そうは問屋が卸さないのが沖縄苗字。
「な前の"な"に、ひがの"が"で、げん気の"げん"です」
中本かなーと思っていたら、めっちゃいっぱい説明されます。苗字の説明に元気って言うのかわいい。
↓漢字は
名嘉元(なかもと)
そう、沖縄苗字って漢字3つになることが多いですよね。これは1609年薩摩藩が出した「大和めきたる名字の禁止」という通達で日本風の苗字を名乗ることが禁止され、それまで2文字だったのが当て字を当てて3文字にしないといけなかったという歴史的な背景があります。
また「比嘉の嘉」という沖縄ではオーソドックスな伝え方が、県外の人には通じるのか。実は結構難易度が高そうです。
またよしさんの場合
沖縄苗字ですが、最近は有名な人がいるのでわりと書けそう。
「カタカナのヌに似た漢字の"また"に、大きち小きちの"きち"です」
ヌ。たしかにヌですね。
↓漢字は
又吉(またよし)
又吉直樹さんが芥川賞取ってくれたおかげで、「ピース又吉の又吉」で通じるようになりましたが。『豚の報い』で又吉栄喜さんが芥川賞受賞しても、「又吉栄喜さんの又吉」では通じませんでした(笑)、とのこと。
豚の報いもいい小説なんですけどね。あと愛称がわりと「マタキチ」になりやすいそうです。マタキチさん。良い人そう。
とうまさんの場合
耳なじみはあるものの、いろんな漢字が使われるのでどんな漢字かちゃんと説明しないとすぐに違う字を書かれそうです。
「石敢とうの"とう"に、皇族のま子様の"ま"です」
しかし「いしがんとう」が県外の人にほとんど通じないそうで、二度目の説明をするそうです。
「"とう"は富に似た漢字で、"ま"はカタカナのヒの下に、漢字の目、英語のLです」
とうとう漢字が分解されました。大変すぎる。
↓漢字は
當眞(とうま)
どちらも漢字が伝えにくいので、無理やり石敢當は伝わっていることとして進めるか、どうしても伝わらないときは当選の当で写真の真の「当真」でいいです、と諦めるそうです。おつかれさまです。
漢字は伝わったのか
さて、ここまで7名の沖縄苗字の漢字の説明を聞いてきました。
これを受けて、本当に苗字の漢字が県外の人に通じているのか、県外に住んでいてそんなに沖縄に通じていない友人たちに、説明通りに漢字を書いてもらいました。
- A:とうばる「果物の"もも"にはらっぱの"はら"です
- B:かきのはな「かき根の"かき"に簡単なほうの咲く"はな"です」
- C:ぎすじ「ギはぎ野湾の"ぎ"、スはことぶきの旧漢字で"す"、ジはNEXTのつぎで"じ"」
- D:ぎぼ「よろしくほいくえんで"ぎ""ぼ"」
- E:なかもと「な前の"な"に、ひがの"が"で、げん気の"げん"です」
- F:またよし「カタカナのヌに似た漢字の"また"に、大きち小きちの"きち"」
- G:とうま「石敢とうの"とう"に、皇族のま子様の"ま"です」
左側はなにも説明なしで書いてもらったもの、右側が説明を受けて書いてもらったものです。
- A:桃原→全員正解
- B:垣花→2/3人正解
- C:宜壽次→壽がだれも書けない
- D:宜保→宜しく保育園の説明に惑わされる
- E:名嘉元→嘉がだれも書けない
- F:又吉→全員正解
- G:當眞→二文字とも誰も書けない
協力してもらった自分の友達にこんなことを言うのは気が引けますが、みんな漢字弱すぎだろ!
あと宜壽次さんは素の状態では義筋って書かれるんだなと思いました。當眞さんにおかれましては苦労が目に見えた感じです。
お母さん世代ならどうなのか
さきほど書いてもらったのは30代。では60代の人生の先輩ならどうなのでしょうか。
ちょうどmycoさんのお母さんが沖縄に来ていたので書いてもらいました。
すごい。旧漢字は書けなかったようですが、ほぼ正解。
みんな大丈夫!その説明で伝わってるよ!(ただし年の功によるかもしれません)
あと、いろんな方が答えてくれたのですが、面白かったのが
沖縄で内地姓を言うと沖縄姓に変換されて伝わる(鮫島さんが亀島さんとか、仙波さんが普天間さんとか)と、沖縄の人は県外で名前をいうのは面倒くさいから偽名を使っている(桃原なのに田中とか)ということでした。
本日は以上です。
募集します
今回はわたしの友人たちに聞いたのですが、もっと広く募集して沖縄の人の苦労を垣間見たいです。饒平名(よへな)さんとか仲村渠(なかんだかり)さんとかどうやって説明してるんだろう。漢字は簡単でも名前っぽくない喜屋武(きゃん)さんとか根路銘(ねろめ)さんとか。どの漢字がどの読み仮名か迷いそうな山入端(やまのは)さんとか平安山(へんざん)さんとか。ということで、いつか第二弾をしたいです。
苗字の説明方法の回答フォームを作ったので、我こそはという方はぜひご参加ください!