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もしも玉那覇さんが色白だったなら
玉那覇(タンナファ)さんが色黒(クルー)だったから
沖縄のお菓子、タンナファクルー。
スーパーなどに行けばだいたい手に入る、沖縄の昔ながらの素朴な黒糖菓子です。
マルタマこと丸玉製菓のタンナファクルーが有名で、このレトロで素朴なパッケージに見覚えがあるという方も多いと思います。
原材料を見てみると、黒糖(沖縄県産)・小麦粉・上白糖・鶏卵・膨張剤・乳化剤ととてもシンプル。原材料名は基本的に使用割合が多いものから順に表示されているはずなので、小麦粉よりも黒糖を多く使用しているということになりますね。
そんなタンナファクルーの、ちょっと不思議な名前の由来をご存知でしょうか?
丸玉製菓のウェブサイトではこのように紹介されています。
タンナファクルーは明治時代、 首里で菓子屋を営んでいた私の曽祖父が考案した、 黒糖、 小麦粉、卵で 作った沖縄伝統のシンプルな焼き菓子です。風変わりなタンナファクルーの語源は創業者であり、 私の曽祖父でもある玉那覇二郎に由来します。 島コトバで、玉那覇(タマナハ)をタンナファと 呼びました。
また、当人が色黒だったことから、クルーというあだ名 があり、黒い玉那覇、つまり、タンナファ+クルーで タンナファクルーとなり、この商品名となりました。(マルタマ製菓ウェブサイトより)
このお菓子を考案した玉那覇さんが色黒だったから、玉那覇(タンナファ)色黒(クルー)でタンナファクルー。
初めてこの事実を知ったときは「そんな由来ある!?」とわりと衝撃を受けたことを覚えています。
しかし今や庶民のおやつとして、しっかり市場に定着しているのが素晴らしいですね。
好きです、タンナファクルー。
さて、ここからが本日の命題です。
玉那覇さんが色黒だったから、タンナファクルー。
じゃあもし玉那覇さんが色白だったら、『タンナファシルー』になる...?(ゴクリ)
黒糖を白糖に置き換えればタンナファシルーになるのでは
というわけで、『タンナファクルー』ならぬ『タンナファシルー』を作ってみることにします。
大丈夫。さっきの太字の一行で、この記事で言いたいことのすべてを言い切ってしまったことは私もちゃんと分かっています。
本来、黒糖を使うべきところを、白砂糖で代用します。クルーがシルーに変わる瞬間です。
上白糖でもいいですが、ちょうど家にスティックシュガー(グラニュー糖)が余っていたのでこれを使うことにします。
《タンナファシルーのレシピ》
・小麦粉:50g
・ベーキングパウダー:小さじ1/4
・卵(M玉):1個
・白砂糖(グラニュー糖):30g
まずは卵と上白糖をしっかり混ぜ合わせます。オーブンを160度で予熱開始。
できあがった生地はこんな状態。多少粉っぽさが残っているぐらいでOK。
できあがった生地をスプーンですくって、クッキングシートを敷いた天板にのせていきます。
思ったより生地が柔らかい感じだけどまあいいか...。
オーブンで10分ほど焼いていきます。焼き時間はオーブンの性能によって変わるので、焼き色を見つつ焦がさないように気をつけてくださいね。だってタンナファシルーですから。
タンナファシルーは果たしてタンナファクルーの親戚になれるのか
生地のフチがほんのりきつね色に色づいてきたところで完成とします。
いいにおい!
予想よりもかなり平べったい物体ができあがりましたが、果たして味はどうでしょうか。
さあみなさん、本邦初公開。こちらが『タンナファシルー』です。
食感はしっとり、というか若干むっちりしています。材料が材料だけに決してまずくはないのですが、これがタンナファクルーの親戚かと問われると答えはノーな気がします。なんだろう、濡れクッキー?
あのタンナファクルーのさっくりとした絶妙な食感は黒糖だからこそ出せるものなのでしょうか。まあ、材料だけではなく作り方にも大いに問題がある気もしますが。
というわけで、左がタンナファクルー。右がタンナファシルー。
紅白饅頭のようにクルーとシルーが並んでいる姿はちょっとかわいくないですか?そんなことないですか。そうですか。
まあ黒糖が白砂糖になった時点で沖縄要素が全く無くなってしまった気もしますが、「もしも玉那覇さんが色白だったら...」という妄想に端を発した妄想クッキングでした。
ちなみに、4歳の息子に「こっちの黒いのはお店で買ってきて、こっちの白いのはお母さんが作ったんだけど、どっち食べたい?」と差し出したら、間髪入れずに黒いほう(タンナファクルー)に手を伸ばしていました。無念。