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びっくりハウス vol.1 石敢當が大きすぎる家
沖縄の街角でよく見かける「石敢當(いしがんとう)」。
沖縄に初めて来た観光客の方からは、表札と間違われることもありますね。
今さら説明するまでも無いかもしれませんが、石敢當とは
「マジムン(悪霊的なもの)は直進する性質を持つため丁字路や三叉路などの突き当たりにぶつかると向かいの家に入ってきてしまうと信じられている。そのため、丁字路や三叉路などの突き当たりに石敢當を設け、魔物の侵入を防ぐ魔よけとする。魔物は石敢當に当たると砕け散るとされる。」(wikipedia)
という魔除けの一種です。
mycoさんが記事にしていた『石敢當の高さからマジムンの身長を慮る』によると平均的な石敢當の高さは75cm。
たまにめちゃくちゃ大きいものもありますが。
さて、そんな石敢當ですが、読者の方よりこんな情報をいただきました。
沖縄市に3メートルの石敢當があります。リサーチしてみては?
そしてメールに添付されていた写真がこちら。
ドンッ!
いや、どうしたん!?
いくら何でも大きすぎるでしょう。いったいこの家はなんでしょうか。実際に行って家の人に伺って来ました。
石敢當ハウスへ
ということで、石敢當ハウスです。
見上げるほどの石敢當。
私の身長が160cmなので、やはり3m以上あるようです。
文字は彫り込まれていてかっこいい。
なぜ、この家の方はこんなに大きな石敢當を作ったのでしょうか。
石敢當ハウスの方に話を聞いた
ドキドキしながらチャイムを押すと、家の中から恰幅の良い優しそうなおじさんがでてきました。
なぜか上半身裸で。
おじさんの写真は撮れなかったので、ここからはイラストで進めさせていただきます。
なぜこんなに大きな石敢当を?
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セメントがたくさんあったからさー。
え?
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というのは冗談で、もともとは墓を作るために買った土地なんだよ。でも許可がおりなくて。
裏がお墓ですよね
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あんまり気が進まなかったけど、せっかく土地があるから家を作ったの。
あとあれさ、ここはちょうど道の突きあたりだから、ひんぷんも兼ねている。
台風の風も避けてくれるよ!
お家を作って何年ぐらいになるんですか?
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10年ぐらい。悪いことは何も起こらなかったよ!
最近ではここは逢引の名所でもあるのよ(笑)
魔除けなのに、人を寄せ付けるってすごいですね
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ここで逢引してね、モーテル行くかどこに行くかわわからんけど出かけて行きよるよ。
あと、高校生とかはここで記念撮影してからね。
まさかの名所に(笑)
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以前はここらに家は一軒しかなかったの。山だったからね。
他の家は2年ぐらいかな。みんな綺麗でしょ。
戦前はここに軍用機が2機突っ込んでいてガイコツもあったという話もあるよ。
昔はもっと暗かった。今からは想像ができないでしょう。
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今はきれいな住宅地ですもんね。
ちなみにこんなに大きな石敢當を作る際に、大工さんは驚かれませんでしたか?
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別にびっくりしなかったよ。建物に比べれば小さいのに。
図面上はもっと大きくしておったよ。勝手に小さくされよった。
あんまり文句を言わない人だなってバレたのかな(笑)
あたなよく尋ねて来たね。
みんな変人だと思って通り過ぎるのに。
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他にも面白いものがあったりするんですか?
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僕は人と同じことをするのが好きじゃないのよ。こだわりがあるの。
うるま市には墓があるんだけどピラミッド型なんだよ。
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王家じゃないですか!(笑)
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みんなが何宗教だって言うよ。別になんの宗教でもないよ。
犬の散歩の時もヒモじゃなくて棒を持ってる。棒だともし犬が走って逃げたとしても、止まったら棒がぶつかるからビックリしてもう逃げないはずと思って。逃げたことはないけどね!
それに休憩の時に棒ごと木に引っ掛けたりもできる。ヒモだと結ばないといけないでしょう。なんでも工夫だよ。
知らない人はなんで棒を持ってるか!って驚くけどね。そういうときは「気に入らない人がいたらこれで叩こうと思っている」って言う。武器だからねって言ってよ(笑)
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武器!(笑)
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まぁ、人は人。ワシはワシ。ってことだよね。
もう70超えてるけど、この性格はなおらんさー!
というわけで、ビックリハウス第一弾、でかすぎる石敢當の理由は、裏がお墓だったり、丁字路の突き当たりでひんぷんも兼ねているけれど、一言で言うと「人は人。ワシはワシ」だから。
今後もまた変わった家や気になる家を取り上げていきたいのですが、知らない人の家を訪ねるのはわりとドキドキするので、知り合いやご自身の家でぜひ取り上げてもいいという家の人がいれば、ご連絡宜しくお願い致します。待ってます!