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平成最後の旧盆の風景
今年も旧盆がやってきた
今年も旧盆がやってきました。遠くから聞こえるエイサーの音、スーパーの旧盆コーナーで流れる民謡的な音楽、ウチカビが燃える匂い、久しぶりの親戚...などなどお盆ならではの風景がそこには広がっています。
これまでDEEokinawaではお盆に関する記事を色々出しつつお盆の風景を記録してきたのですが、そこから「お盆の動向調査」みたいなことができるのではないかと思いました。
そこで今年のお盆の風景を紹介しつつ、変わりつつあるもの、変わらないものについて考えていきたいと思います。
お供え物にアボカド?
お盆前になると県内各スーパーでは旧盆コーナーが設けられて旧盆で仏壇に供えるグッズを購入することができます。
ご先祖様の箸として使われる(葉っぱ部分は靴の汚れを落とすブラシとしても使われるらしい)ソーローメーシやご先祖様の杖として使われるサトウキビのグーサンウージ。
仏壇に供える専用の青パインや青バナナあたりが定番でしょうか。
そんなお供え物ですが、近年少し変化があったように思います。
去年くらいからですが、ソーローメーシの造花なるものが販売されています。もともとソーローメーシはメドハギという植物なのですがそれの造花バージョンで結構精密に作られています。単価的には植物のソーローメーシの方が安いのですがどのようなニーズで造花が使われるのでしょうか(毎年使い回す?)。気になります。
仏壇にスイカなどを供える時に下に置かれる「ガンシナ」。ご先祖様がお土産を頭に乗せて帰る時にも使われるといわれています。
多分近年なのですが、ガンシナの小サイズというものが目につくようになりました。多分ですが、家によってはスイカを丸々ひとつ供える(だいたい左右対称なので二個置いたりもする)と食べきれないみたいな事情があって、このミニガンシナにリンゴや梨くらいのサイズの果物を置く、みたいな使われ方をしているのだと思います。
そして、恐らく今年からですが、「お供え用アボカド」なるものが登場しています。お盆にアボカド...なぜ...?
と、思ったのですがお盆に供える「青切りミカン」が今年は少ない(しかも結構高い)ことに気づきました。これはひょっとしたら今年は青切りミカンが何らかの理由であまりとれなくて、その代替手段としてのアボカドなのではないでしょうか。
真相は今のところ不明ですが、ご先祖様がアボカドを食べている様が想像できません。
親切なエイサー
お盆といえばエイサー。だいたいの集落では青年会がエイサーを踊りながら集落を練り歩くわけなのですが、太鼓の音を頼りに探してもなかなか見つからないみたいなこともままあります。
そこでお盆期間中にはだいたいこのポイントに何時くらいにエイサーがやってくるのかというのを教えてくれる看板が立ったりします。この看板が立ったのを見ると「お盆だなぁ」としみじみ感じるよくある風景ですが...
上のポスターをご覧下さい。こちらは那覇市の松島青年会のエイサーの予定を記したポスターです。地域の青年会が作っているポスターにしてはものすごいプロ感が漂う仕上がりなのですが注目頂きたいのはポスターの下部分。
エイサーがどこに居るのかを電話案内してくれるという電話番号つき。最先端を行ってます。
ちなみに去年も案内ダイヤルはあったそうで、電話したのですが音声だけが流れるのかと思ったら普通に青年会の人につながりました。あ、ここはアナログ!と思った次第です。
そして最近では、SNSの普及によりTwitterで道じゅねーの情報を流している青年会も多いようです。これはありがたい。
ウチカビ革命は受け入れられるのか
お盆と言えば最終日のウークイの日に燃やす紙のお金ウチカビも外せません。
黄色い紙にお金の模様がプレスされています。
そんなウチカビに革命をもたらせたのが、「新ウチカビ 古琉球」。詳しくは別記事で書いてますが、旧来のウチカビに押された「鳩目銭」より高い「寛永通宝」をウチカビに印刷することで従来のウチカビの35束分の貨幣価値を実現した夢のウチカビです。
今回スーパーを回っていると今までのウチカビに並んで販売されていたりしたのですが(一部スーパー)、これから普及していくのでしょうか。
普及することであの世でインフレが起こるんじゃないのか心配しています。
オードブル・チキンなどのお盆商戦
旧盆に食べるものといえば、ウンケーの日には「ウンケージューシー」、またお供え用の重箱料理「ウサンミ」、あとは中身汁やイナムドゥチなどだと思いますが、最近はオードブルなどを買ってくる家庭も多いです。
そこで起こってくるのが旧盆オードブル商戦。スーパーだけでなくいろんなお店が参戦しているので見てみましょう。
大戸屋
全国チェーンの大戸屋ですが、オードブルは沖縄県限定。
鶏と野菜の黒酢あん・切り干し豚バラ煮など和惣菜が入っているようです。
健康食彩レストラン だいこんの花
沖縄県内で数店舗展開しているブッフェレストラン『だいこんの花』。
ともすれば揚げ物ばかりになってしまいがちなオードブルですが、ここのオードブルは健康食彩をうたっているだけに野菜たっぷりで彩り豊か。食事内容を気にしている方や年配の方にも喜ばれそうです。
ほっともっと
ほっともっともチェーン店ですが、旧盆オードブルを売り出しています。
店外に設置されたのぼりでさり気なくアピール。この落ち着いた紫色が旧盆のイメージです。
ケンタッキーフライドチキン
おなじみのケンタッキーも、もちろん旧盆商戦に参加。
旧盆の集まりでは親戚の誰かしらが毎年パーティバーレルを買ってくる、というご家庭も多いのではないでしょうか。
ジェフ
こちらは沖縄生まれ沖縄育ちのファストフード店、ジェフ。
普段からチキンパックは販売していますが、しっかり旧盆商戦にのってポスターが貼られていました。
ウンケーの日に写真を撮りに訪れたのですが、ちょうど大量のチキンをテイクアウトで買っていく女性の姿が見られました。親戚の集まりで食べるのかもしれませんね。
他に、ファミリーマートなどでもオードブルを受け付けているようです。沖縄ではロイヤルホストとか意外な所でもオードブルを出してたりするので、いずれ色々な場所のオードブルは集めて見たいと思います。
そしてお盆や行事ごとといえばチキンという風潮はもう定番といってもよいのではないでしょうか。
ウークイ休みます
色々と変わっていくものも多いですが、「お盆の最終日ウークイはお店が休み」という流れは今も変わりが無いようです。
土曜日は稼ぎ時?そんなの関係ねえ!とばかりに終日臨時休業
ほっともっとは閉店時間を早めるパターン
先日訪れた『お食事処 玄』では、外国人向けに英語が書き添えられていました
メイクマンでは電光掲示板でハイテクお知らせ
食堂の定休日で「年中無休、ただし年末年始とウークイは除く」みたいな表記は結構よく見ます。
これからもお盆の動向を見てきたい
というわけで本日は沖縄の旧盆の風景とその動向についてまとめてみました。
そのうちウチカビが電子マネーとか仮想通貨になったりとか、色んなところが旧盆チキンを販売したりとか、アボカドがお盆のお供え物の定番になったりと色々と沖縄のお盆も変わっていくのかもしれませんね。
DEEokinawaでは定期的にお盆の風景について収集を行っていこうと思います。身近でこんな変化があったよ!みたいな話があれば編集部にご一報くださいませ。それでは本日はこれにて。