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謎の沖縄菓子「つゆくさ」とは何なのか
謎の和菓子「つゆくさ」
皆さんは「つゆくさ」というお菓子を知っていますか?
上の写真がつゆくさです。
片面だけ焼いたホットケーキ生地みたいなものにあんこが包まれているお菓子なのですが、ちょっとびっくりするのはその色。緑色です。しかもこの緑色、ヨモギだったりが混ざっているわけでもなく食紅的なもので色がつけられている模様。そして多分このお菓子が売られているのは沖縄だけ。というかネットで調べてみてもほとんど情報が無いのです。
さらに県内スーパーなどのお菓子コーナーを見るといくつかの会社がつゆくさを作っている模様。つまりつゆくさとは(たぶん)沖縄オリジナルのお菓子であり、「かるかん」とか「レモンケーキ」みたいに特定の商標名ではないお菓子の名前であるということです。
いったいつゆくさとは何なのでしょうか?県内で見かける露草を集めつつ、つゆくさについて聞いて回ってきました。
まずはつゆくさを集めよう
それではつゆくさを集めていきましょう。今のところ僕らが確認できるつゆくさを作っている菓子店は県内で3カ所です。
マルキヨ製菓
まずトップバッターは前にmycoが記事として公開しているマルキヨ製菓(めくるめくウチナー菓子の世界!マルキヨ製菓に潜入取材)。会社は浦添市にあります。
「つゆ草」は2個入りで220円。県内のスーパーのお菓子コーナーで購入できます。
つゆくさについて話をうかがった所、かなり昔からあるお菓子だということは分かっているがどのような経緯で製造に至ったのについては不明とのこと。つゆくさは職人さんがひとつひとつ手作りで作っており、難しいのは色をつくることだそうでこの緑色を出すのが難しいのだそうです。
サワダ洋菓子店
続いては同じく浦添市にあるサワダ洋菓子店。
つゆくさは店頭でも購入できますし、県内スーパーでも販売されています。
こちらがサワダ洋菓子店の「和菓子 つゆ草」。4個入りで400円。お店の人に話を聞いてみるも、つゆくさについては有力な情報はなし(レジでちらっと話を聞いた程度だったけど)。
外間菓製菓
最後は牧志公設市場近くの市場本通りにある外間製菓。
こちらで販売されているつゆ草はひとつ80円。話を聞いてみると、60年くらいの老舗だが、つゆくさは昔からあるお菓子で多分60年前くらいもあったんじゃないかとのこと。
以上、3店のつゆくさを集めつつ情報収集してみたのですが、結局分かった事はかなり昔からつゆくさが沖縄に存在したこと。そしてどの店も自社オリジナルだとは認識していないことが分かりました。うむむ。謎は深まるばかりです。
よく分からなかったけどつゆくさを食べ比べてみよう
さて、結局モヤモヤした感じになってしまいましたが、とりあえずつゆくさが集まったのでそれぞれのつゆくさを食べ比べてみましょう。
集めた3社のつゆくさを袋から出して並べてみました。並べてみると結構個性があることが分かります。
マルキヨ製菓
こちらがマルキヨ製菓のつゆくさ。特長的なのは皮の薄さで、他のつゆくさよりもぴっちりしています。
こちらは裏側。結構しっかりと焼き目がついています。
半分に切った図。みっちりと粒あんが入ってます。ちなみにつゆくさを食べた事が無い人に味を伝えたいのですが、恐らく最も近いのはどら焼きです。マルキヨ製菓のつゆくさはあんこがスッキリと甘く、皮は薄いながらももっちりとした食感。1個ペロリと頂けてしまいます。
サワダ洋菓子店
こちらはサワダ洋菓子店のつゆくさ。結構厚い皮でもこもこしています。
横から見た図。
断面を見てみるとあんこは結構少なめ。食べてみると皮がメインであんこがアクセント。皮はフワフワしていて、皮の方の食感を楽しみたいのであればサワダ洋菓子店がお勧めかもしれません。
外間菓製菓
こちらは外間製菓のつゆくさ。こちらも結構厚めの皮です。
手に持ってみると結構どっしりした感じ。
半分に切ってみると、結構な量のあんこが入ってます。そしてあんこがかなり甘めです。あんこと皮の割合が絶妙で、まさに和菓子という感じの味わい。お茶が進みます。
結局つゆくさって何なのだろうか
以上、3店のつゆくさを食べてみました。結局つゆくさが何なのかは不明でしたが、この複数店舗が同じ名前で商品として販売されているが、由来はよく分からないという流れ以前Naokiが記事にしたストレルカとは何なのかという記事に似ています。
これ以上は今のところ情報が無いのですが、県内各地で販売されているレモンケーキはかつて、お菓子業者を集めた講習会みたいなものでレシピが伝えられたという話を聞いたことがあり、ひょっとしたらそういう経緯でつゆくさも作られるようになったのかもしれないなぁと思っています。
この3店以外でもつゆくさを売っている場所を知っている、または由来を知っているなど情報をお持ちの方がいらっしゃったら是非教えて下さいませ。また沖縄県外でもこのお菓子を見たという情報もお待ちしております。それでは本日はこれにて。