冷やし沖縄そば始めました

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沖縄そばといえば基本的に温かい麺料理だが、これからの季節に嬉しい冷たい沖縄そばを提供している店がある。そんな冷やし沖縄そばの世界へご案内したい。

冷たい沖縄そばもありじゃない?

みんな大好き、県民食とも言える沖縄そば。

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一般的な沖縄そばといえば茹でて油をまぶした麺に熱々のスープをあわせる温かいものが主流ですが、これからの季節に嬉しいひんやり冷たい冷やし中華ならぬ、冷やし沖縄そばがあるのです。

『ざるそば』っぽいものから『まぜそば』っぽいものまで個性豊か。
県内数店舗で提供されている冷やし沖縄そばを集めてみました。
 

麺処 てぃあんだー(那覇市)

那覇の新都心りうぼう楽市の裏手にある「麺処 てぃあんだー」。
てぃあんだーとは沖縄方言で直訳すると手の脂。手間暇かけた愛情料理というような意味です。

カフェのような佇まいのお店。

冷やしそばは中650円、大750円。他に冷やしふーちばーそば中680円、大780円もあります。
麺は太麺(平打ち麺)か細麺(宮古八重山の丸麺)から選びます。

人気なお店で、芸能人のサインがずらり。レジの後ろに槇原敬之さんのサインもありました。

テーブルは昔の足踏みミシン。

冷やしそば(細麺) 中 650円
麺つゆに薬味を入れて食べます。

しっかりしたコシのツルツルした麺に、まるで讃岐うどんのような味わいで美味しかったです。
麺の上にトッピングされたフーチバー(よもぎ)も絶妙な苦味。
ちなみに冷やしそばは年中あるそうです。

麺処 てぃあんだー
那覇市天久1-6-10
営業時間:11:00~売切次第
定休日:月曜
TEL:098-861-1152
 

高良食堂(那覇市)

那覇市若狭の住宅街の一画に佇む老舗のうちなー食堂、高良(たから)食堂。

店の周囲に6台分の駐車場、そしてすぐ近くに第二駐車場も用意されているのでありがたいです。

人気店のためお昼時はいつも混雑しているのですが、ピークを過ぎた14時頃に訪れたので客足は落ち着いていました。チェックのビニール製テーブルクロスがなんともいえず味わい深いですね。

注文は入口ドア入ってすぐのところに設置してある食券機で購入する食券制。
冷やし沖縄そばのボタンがなかったのでまごまごしていたら、お店のおばちゃんが近づいてきて「冷やし沖縄そばですか?それならこの550円と書いてある券を買ってくださいね」と教えてくれました。食券機に記載が無いものは、まわりに貼ってあるメニューを見て同じ金額が書かれている食券を買えばいいようです。それにしても冷やし沖縄そばも冷やしソーメンも、単品から100円アップするだけでまぐろ丼がついてくるって割とお得なのではないでしょうか。

冷やし沖縄そば(単)550円

まぐろ丼セットは食べ切れる自信がないので単品にしましたが、単品の意味をふと考えてしまうほどのボリュームです。
右上のガラス鉢に入ったものがメインの冷やし沖縄そば。ジューシーとすまし汁がついてきます。すまし汁に入っている具材の切り方の雑さがまた良い味を出しています。つゆの薬味はしょうがとネギです。

そして謎めいたことに、氷水をはったガラス鉢に冷やし沖縄そばが入れられ、その上に鶏肉が二切れ、三枚肉が二切れ、そしてトマトとかいわれ大根がトッピングされ、なぜかごまドレッシングがかかっていました。その影響でそばの下の氷水が白濁しています。

それを付属のつゆにつけながらいただくスタイルです。
つゆにごまドレッシングが混ざってしまうのがちょっと嫌だったので、ごまドレッシングが重点的にかかっているトッピング部分だけ先に食べてしまってから、麺をつゆにつけつつ頂くことにしましたが、どう食べるのが正解か分かりません。まあ好きに食べればいいのでしょうが。
麺は平細麺でツルッツルの口当たり。冷やしそばにもぴったりの食感でとても美味しかったです。

うちなー食堂らしく、卓上にはコーレーグースをはじめとして調味料類が豊富。
なかでもこのラー油っぽい唐辛子オイルをつけつゆにちょっと垂らしてみると、ピリ辛になって味の変化が楽しめました。個人的に超おすすめの食べ方です。

高良食堂
沖縄県那覇市若狭1-7-10
営業時間:10:30〜20:30/木曜日のみ10:30〜15:00
定休日:不定休
TEL:098-868-6532
 

上原そば店(南風原町)

国道329号線沿い、南風原町と与那原町の境目あたりに位置する上原そば店。国道を挟んで反対側にはジェフ与那原店があるあたりです。

那覇方面から来ると、店舗沿いに道路を入って少し先に進んだ道沿い左手に駐車場があります。

畳の座敷席とテーブル席、奥と手前にカウンター席があり、外観から想像する以上に意外とキャパがあります。
奥のカウンター席からは国道を行き交う車が眺められます。

上原そば店のウリはなんといっても自家製麺。注文時に、ツルツル喉越しの良いコシのある生麺か、もちもち歯ごたえの茹で麺の二種類から選ぶことができます。
またイカスミを配合した真っ黒な衣の天ぷら『黒天』や、『うなぎいなり』『高菜いなり』などちょっと変わったサイドメニューも人気です。

冷やし肉そば(並)600円

スリムな丼ですが、高さがあるので意外とボリュームがあります。

具材が多くそばがほとんど見えませんが、冷たい沖縄そばの上にピリ辛の肉味噌、きくらげ、青ネギ、海苔がかかっています。

これをぐっちゃぐちゃに混ぜていただきます。いわゆる『まぜそば』のような状態です。
肉味噌はそぼろ状の部分と三枚肉の切れ端のような少し大きめの塊があって食感が楽しめます。そして煮こごりでしょうか、ゼラチン状になっている部分もありました。そしてきくらげのコリコリ食感が楽しいです。
ちなみに丼の底のほうの麺は冷たかったのですが、肉味噌が熱々だったからか混ぜると全体がぬるくなってしまい、冷やし沖縄そばという感じはしませんでした。これはこれで美味しかったので良いのですが、冷え冷えを想像して食べると「あれ?」となりますのでお気をつけください。

肉味噌がしっかりとした味付けなので、後半味に飽きてきたら卓上の柚子こしょうを入れて爽やかなピリ辛風味を楽しむも良いですし、

入り口付近に置かれている、黒天の天かす、天玉を入れてサクサクとした食感の変化を楽しむのもおすすめです。

上原そば
沖縄県島尻郡南風原町与那覇48-3
営業時間:11:00~15:00
定休日:第三日曜
TEL:098-882-7474
 

ちょーでーぐぁ(西原町)

こちらは西原町にある「ちょーでーぐぁ」。結構モダンな建物で、看板には「自家製手打ち」と書かれています。

入り口はそば屋あるあるの「麺(めん)ソーレー」。

注文は食券機で食券を購入するシステムです。大きく分けて「自家製生麺」「純手打ち生麺」「冷やし純手打ち生麺」という三つのタイプに分かれていて冷やしそばのメニューも豊富。カレーそばのボタンの下に貼られた「キクそば」というのは、は西原町が新たな特産品として栽培に取り組んでいる食用の新渡戸菊(にとべぎく)を練り込んだ麺を使ったおそば。いったいどんな味がするのでしょうか。

冷やしすば 630円
麺とつゆが別になったざるそばスタイルで、麺・つゆ・薬味のシンプルな構成。

食べてみて驚いたのがその食感。麺のツルツルもちもち度合いがものすごいのです。普通の沖縄そば麺にはない、ものすごい噛みごたえ。つゆはちょっと甘めの濃いめの醤油味で沖縄そばというよりも全く別ジャンルの麺料理を食べていく感覚です(さっぱり系のつけ麺が一番近い気がする)。全然確認しないで薬味を入れてしまったのですが、ネギ、ワサビと一緒に盛り付けられているはニンニクっぽい気がしたのは気のせいでしょうか。とにかく麺が美味しくて、麺をがっつりと楽しめるひと品です。

ちょーでーぐぁ
沖縄県中頭郡西原町呉屋86-7
営業時間:11:00~17:00頃
定休日:月曜
TEL:098-882-8215

 

そば処 大笑(うふわらい)(那覇市)

こちらは那覇市の壺屋、サンライズ通りからちょっと入ったとこにあるそば屋「そば処 大笑」。

近くには昔ながらの店舗も並んでいて、割と年配の方が「ニイニイのそばはやっぱりおいしいわ」といいながら(でも店主の人も割と年配)器を返しに来たりと市場近辺っぽい独特な雰囲気が漂います。

冷やし沖縄そば 700円
こちらはありそうで無かった完全に冷やし中華が沖縄そばになったタイプの冷やしそばです。具材はキュウリ、トマト、錦糸玉子にハム、ネギ、ちょっとピリ辛のもやしがのっています。

すでにスープがかかっており、味は甘酸っぱい冷やし中華のスープ。麺は沖縄そばの細麺なのですが、やはり麺のコシがすごい。ピリ辛もやしと一緒に食べると中華クラゲを食べている錯覚に陥ります。

付け合わせで出てくる三枚肉は軽く焙られていて、これも絶品です。
冷やしそばに乗せて食べるとまた違った味わいになるので味のバリエーションも楽しめます。

そば処 大笑(うふわらい)
沖縄県那覇市壺屋1-1-1 水上店舗第四街区A
営業時間:11:00~18:00
TEL:098-863-7839

 

冷やし沖縄そばは個性が強い

以上、冷やし沖縄そばを5店舗紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
こうして見てみると「冷やし沖縄そば」といっても「ざるそばタイプ」「冷やし中華タイプ」「まぜそばタイプ」など色々なタイプが混在しているのが現状のようです。冷やし沖縄そばという料理が目につくようになってきたのは近年のことなので、まだジャンルとして各店舗が色々と模索している状況なのかもしれません。

また、事前に結構ネットの情報を元に下調べをしたのですが、過去にやっていたがもう無くなってしまったものもかなりありました。メニューとして定着しなかったお店も数多くあるのかもしれません。

まさに過渡期にある「冷やし沖縄そば」。
まだ食べた事が無いという方はぜひともご笑味あれ。もしも今回紹介した以外でお気に入りの冷やし沖縄そばの情報をお持ちの方は編集部にご一報くださいませ。そのうち第二弾をやりたいと思います。

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