2018.05.23

カツラの司屋は今

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宜野湾市大山にあったラベンダーパープルの建物が目印のカツラの司屋。最近閉店してしまったのかと思いきや、伊佐に移転オープンしていた。

覚えていますか、司屋を

以前「入りにくい店」としてご紹介したカツラ製作の司屋。
(『【入りにくい店に入ってみた】司屋』)
国道沿いの目立つ場所にあるので、数ヶ月前から営業していないことに気付いていたという読者の方も多いかと思います。

あの独特のラベンダーパープル色の建物はそのままに、看板が一部外され何故か外に山と積まれた土嚢。

tsukasaya02.jpg

窓からのぞいてみるとまだ細々とした備品は残されているもののガラーンとしており、大量にあったヘッドマネキン達がすっかりいなくなっています。

そして貸し看板。
それからまたしばらくして通りがかったところ、建物の半分ほどが改装され、飲食店の開店工事が行われていました。

左側は居酒屋、中央の赤い庇部分はクレープと梅酒のお店のようです。
右のほうにはまだ看板が残されているものの、あの大山のランドマーク的存在だった建物の面影はすっかり無くなってしまいました。
カツラの司屋はとうとう閉店してしまったのでしょうか...?

ところがどっこい。

規模を縮小して、大山から伊佐へ移転オープンしていました。
 

伊佐に移転オープン

以前店舗があった大山からそのまま国道58号線を北上。
伊佐交差点を少し過ぎたあたりに見覚えのあるラベンダー色のこじんまりとした店舗が見えてきました。

間違いなく、あの司屋です!
建物の1Fに入るテナントの一部とかなり規模は縮小されましたが、大きなショーウインドウにずらりと並んでいたヘッドマネキン達も健在です。


見える景色が変わってもみんな元気そうでなにより


正面からは見えなかったけど庇には琉球美人のイラストが

さっそく新しい店舗にお邪魔してみましょう。

あのヘッドマネキン達も、一糸乱れぬ美しいポックリも、そのまま展示されています。
声をかけると奥から店主の宮城さんが元気そうな顔を出してくれました。


「やあ、いらっしゃい」

あれから5年。なんとなく少し柔らかい雰囲気になった宮城さんです。
あのときはお世話になりました、という挨拶もそこそこに、当時と変わらぬマシンガントークが始まりました。

「いやー、昨日から大変だったわけよ。さっき病院行って帰ってきたとこでよ。この前お酒飲んだ後になんかこのあたり(額)がかゆいなーと思ってよ、蚊に食われたと思ってムヒを塗りたくったらも〜う頭がクワンクワンしてから、これは大変だということで洗い流してこんどはオロナインを塗りたくったわけ。そしたらよ、も〜う痒くなってきてたまらんわけさ。だからこんなしてカチャーカチャー(掻き掻き)してたら、皮膚が荒れてしまってよ。救急行ってきたわけよ。も〜う大変だったよ!」

こんな感じで一時間。まったくトークが止まりません。いや、お元気そうでなによりです。

以前の店舗を閉めたのは昨年9月頃。それから少しずつ新店舗に道具類の搬入を進め、作業場も整えて、つい最近ようやくだいたい片付いてきたところだそう。あれだけ大量の道具や在庫類なので、運んでくるのは大変だったでしょうね。

「広さは前の店の8分の1になったよ。これはもう店をたたむつもりで小さくしたわけ。目も見えづらくなってきているし、指の関節が痛くてよ。もうたくさんは作れなくなっている。
でも、すぐに店がなくなっていたらお客さんから「詐欺!」と言われるでしょ(笑)今注文受けているものもあるし、しばらくはアフターメンテナンスも必要さ。だから店を小さくして、あと4〜5年は続けようかなと思っているよ。」

 

店が小さくなっても雰囲気はそのままに

店舗の広さが8分の1になったことで以前あった応接間が無くなってしまい、コーヒーを飲みに行くのにも外に出かけないといけなくなったと笑う宮城さん。体調のこともあり、以前のようには製作できなくなってきているとおっしゃっていました。


以前の大山の店舗オープン当時の写真が

以前の取材で、ポックリを結い上げるところを見せてもらった作業場ものぞかせてもらいました。
作業場の広さは4分の1ぐらいになったそう。

きっちりと手入れされ、整然と並べられた道具たち。かっこいいです。

「作業場も狭くなったけど、前は立ち上がらんと取れんかったものが、椅子に座ったまま手を伸ばせば届くようになったからそれは楽さね。」と宮城さん。作業の流れや効率をじっくり考えられて作られたレイアウトだそうです。

そして唐突に飾られている魚の化石。こういうの、たまりませんね。
 

これからもお元気で

というわけで、大山から伊佐に移転オープンしていたカツラの司屋からお届けしました。

なかなかカツラ屋に用事があるという人も少ないとは思いますが、意外と人懐っこくおしゃべり好きな宮城さんなので、きっと歓迎してくれることでしょう。体調と相談しつつ、4〜5年といわず営業を続けていってほしいなあと思います。

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