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豆腐島の謎に迫る
豆腐島とはなんぞや
先日、豆腐屋を営む知人のFacebook書き込みを見て知ったのですが、沖縄県総合運動公園(通称ケンソー)のキャンプ場の近くに『豆腐島』という離れ小島があるそうです。
キャンプ場前駐車場の南側に広がる海岸の沖合に注目。
Googleマップでもしっかり豆腐島というピンが立っています。
地図を見ただけではこれがいったいどれぐらいの大きさの島なのかいまいち掴めませんが、航空写真で見ると駐車場に並んでいる車との比較によりわりと大きめの島(岩のようにも見える?)であることが分かりました。
ネットで検索してみても島豆腐の情報ばかりで肝心の豆腐島の情報は数件。
節子、島豆腐やない。豆腐島や。
オフィシャルな情報としては、OCVB沖縄フィルムオフィスがロケ地として豆腐島を紹介していました。
豆腐島(イルカ島)
県総合運動公園キャンプ場駐車場(北中城村渡口)より干潮の際歩いていくことの出来る岩島。
拝所、恋愛成就のパワースポットといった伝説や米軍ヘリが発着していたという噂もある。
これによると別名イルカ島とも呼ばれているようですが、紹介されているエピソードはどれも「伝説」や「噂」の域。
そうなると俄然気になってしまうのがDEEの性。
豆腐島とはいったいどんな島なのでしょうか。現地に赴きました。
あれ、世界の中心に来ちゃった?
というわけでやってきましたケンソーへ。
この日は中潮。干潮時刻の16:39ど真ん中を狙って海岸へ。
このあたりは泡瀬干潟に近い遠浅の海なので、干潮時にはかなり遠くまで砂地が現れます。
ゴールデンウィーク期間中とあって、潮干狩りをする人や生き物観察をする人がいっぱいです。
さて、目的の豆腐島は。
あれだ!
少し離れた場所から海岸に出てしまったので遠くに見えていますが、キャンプ場前駐車場からだとすぐ目の前だと思います。
近づいてみると、島というよりも大きな岩場。
海岸から大きめの石がまるで道のように島の近くまでつながっています。
オーストラリアにあるアボリジニの聖地、ウルルを彷彿とさせる佇まい。世界の中心が泡瀬にあったとは。
ちなみに豆腐のかたちには・・・見えなくはない、といったところでしょうか。
波や風の侵食によってできたであろう窪みがそこかしこに見られ、右側のほうに人工的に作られた(?)階段のようなものも見えます。
うっとりしてしまう自然の造形
豆腐島をぐるりと一周してみることにしましょう。
豆腐島の周囲には、こんなかんじの直径3〜5メートルぐらいはあろうかという岩がゴロゴロと転がっています。表面の模様がまるで海綿のよう。
窪みのひとつひとつに小さな巻き貝がはまっていてかわいい
島の裏側に来ました。
第一島民発見!
なんてことはなく、地元の少年が登って遊んでいるだけでした。
さきほどのOCVB沖縄フィルムオフィスの紹介ページでは、砂岩のためもろく岩に上るのは危険と書かれていましたが、人が日常的に昇り降りしているであろう階段状の窪みが数ヶ所ありました。
なんかソーキ骨みたいなのが突き出してた
少し離れて見てみると、少年がもうひとりいました。けっこう大きな窪みのようです。
自己責任にて少年たちのいる場所まで登ってみました。
露出している土の表面に触れるとサラサラと削れるほど、たしかにかなり脆いかんじです。
少年たちは泥団子を作っていたようで見せてくれました。
さしずめ豆腐島の土でできた豆腐団子といったところでしょうか。
少年たちがいた大きな窪みの近くには岩がいくつか並べられていました。
もしかしたらこれが拝所なのでしょうか、それとも拝所は頂上にあるのでしょうか。
頂上を目指すのに、なんとか足をかけられそうな小さな窪みはありましたが、けっこうな高さがあり足下が崩れやすいこともあって断念することに。
豆腐島の落書きコレクション
こういうキャンバスがあると落書きしたくなるのが人の性なのでしょうか。
島の表面には落書きの数々が。
イカ?
☆
the ???
おばけ
残念、今日(取材当日)は 2018.5.6 だ。1日未来の日付!
オーソドックスに名前を書いたものや謎の文字列、イラストを描いたものなど、日本語も英語も入り混じっていろいろな落書きが見られました。すぐに波で消えちゃうかもしれないけど落書きは落書き。マナー違反ですよ!
北中城村役場に聞いてみた
見れば見るほど惚れ惚れしてしまう自然の造形。
ケンソーにはよく子どもを遊ばせに来ていたのですが、豆腐島の存在を知ったのは今回が初めて。島の周囲ではやどかりやカニ、小さな魚、ナマコなどが生息しており、生き物観察するのにもぴったりで親子で楽しめました。
島の西側にはアーサの養殖場?棒がいっぱい
頂上にはテッポウユリが
この豆腐島について北中城村役場に電話で問い合わせてみたところ、教育委員会の文化振興係の管轄との案内を受けました。電話応対いただいた女性職員の方によると、渡口集落の字史『あやぐも』?(口頭のため表記は不明)に、この豆腐島についての記述が載っているということでした。
豆腐島は拝所として使われており碑が立てられていたとのことですが、豆腐島のどの位置にあるのか、また現在もあるかどうかは不明。残念ながら電話ではあまり詳しいことまで分からなそうでした。
ただ、この渡口字史を窓口で閲覧することはできるそうなので、後日さらなる情報を探って小ネタで紹介できればと思います。
というわけで、本日は北中城村の豆腐島よりお届けしました。
海の生き物観察しつつ、自然が作り出す造形の美しさ、雄大さを感じられるおすすめのスポットです。
「潮が満ちてきて帰れない!」なんてことの無いよう、潮位には気を配りつつ訪れてみてくださいね。
最後に。
わざわざ持っていったけど特に使わなかった小道具を豆腐島に上陸させて、筆を置きたいと思います。