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THE かるかん
このところよくスーパーマーケットで重箱料理やオードブル、白餅などを見かけるな…と思ったら、一昨日の春分の日は『春の彼岸』でした。沖縄ではこの日の前後一週間ほどのあいだに、屋敷やヒヌカン、仏壇への御願を行うという家庭も多いようです。そんなとき、お供え料理と並んで欠かせない存在なのはお供え菓子。
これまで、
THE レモンケーキ
THE レモンケーキ Vol.2
THE クンペン
THE マドレーヌ
と続いてきた THE シリーズ。今回はかるかんです。
以前の特集『県産品だと勘違いしやすいもの』でもご紹介したとおり、九州地方、特に鹿児島県を中心とした地域の特産とされている和菓子です。しかし、鹿児島から奄美を経由して伝わったのか、ここ沖縄でも昔から行事ごとには欠かせない定番の和菓子となっています。
今回、県内各社が製造販売している5種類のかるかんを食べ比べてみました。
ちなみに各メーカー、かるかんには基本的に紅白の二種類がありますが、おそらく味は変わらないと思うので今回は見た目の派手さ重視で「紅」のみをピックアップしてみました。
かるかん(御菓子御殿)
つるんと丸くて小振り。御菓子御殿のかるかんは、なんとなくスタンダードな雰囲気です。
中の餡は中央にきれいに均等に入っていました。これならどこから食べても餡にあたるので嬉しいですね。キメの細かなこし餡でした。生地はもっちりとしているのにふわっと軽い不思議な食感。これがかるかんならではの特徴です。
かるかん饅頭(マルキヨ製菓)
写真を撮る前に真っ二つにしてしまいました...
さきほどの御菓子御殿のかるかんとほぼ同じぐらいの大きさの、マルキヨ製菓のかるかん饅頭。少し紅色が濃く鮮やかな印象です。
若干偏りはありますが、中央付近に餡が集まっています。こちらは小粒な粒あんでした。私はどちらかというと粒あん派なのでちょっと嬉しかったです。生地の固さは御菓子御殿のかるかんとほぼ同じでした。
かるかん紅(ぐしけんパン)
これも写真を撮る前に真っ二つにしてしまいました...
下に薄紙がついた、他とはちょっと違うかたち。蒸しパンのような、カップケーキのような見た目です。
かるかんを裏返すと餡が透けて見えるほど、底に近い位置に餡が入っています。限りなくこし餡に近い粒あんでした。水分が多いのか、生地のしっとり度も高めです。
赤かるかん饅頭(大城製菓)
他とは一線を画すビジュアルの大城製菓の赤かるかん饅頭。白ベースの生地の中心にだけ紅色がつけられていて、なんとなく奥ゆかしい印象です。
さきほどのマルキヨ製菓と同じく、周りに白い紙のついたカップケーキ型です。
こちらも底に近い位置に餡が入っていました。こし餡よりの粒あんというのも、しっとり度合いも同じぐらいで高めです。カップケーキ型のかるかんはしっとり系という傾向があるのかもしれません。
紅いもかるかん(御菓子御殿)
最後は少し変わり種で紅芋かるかん。いちばん最初に出てきたかるかんと同じ御菓子御殿の商品です。
大きさ、かたちは最初のかるかんと同じですが、色はピンクというより紫色です。
餡のかわりに中に入っているのはキメの細かな紅芋ペースト。ひとくち食べると、明らかに他とは違う紅芋ならではのもったりとした甘さと芋の風味を感じます。かるかんといえば原材料に山芋も含まれているので、ものすごく芋芋しいかるかんといえるでしょう。生地はもっちりとして固めでした。
かるかんも個性いろいろ
というわけで5種類のかるかんを食べ比べてみました。
実は今回かるかんを初めて食べてみたのですが、意外と甘さがしつこくなくて美味しかったです。
山芋が入っているせいか生地が結構しっとりとしているので、お茶などの水分がなくてもパクパクいけそうです。お供えのお盆にのっていたらついつい手が出てしまうかも。
春の彼岸が過ぎてしばらくしたらこんどはシーミーの季節。
シーミーにもお供え菓子を用意すると思うので、粒あんなのかこし餡なのか、もっちり系なのかしっとり系なのか等、みなさんも自分好みのかるかんを見つけてみてくださいね。
上記は沖縄ファミリーマートで配布していた清明祭オードブルのチラシ。
こういうのも改めて沖縄ならではだなあと感じます。