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さようなら沖縄都ホテル
去年10月、那覇市にある老舗ホテル「沖縄都ホテル」が外資系ホテルに買収され、閉館後全面改修される旨、新聞報道がされました。
都ホテルといえば、現在のようなリゾートホテルやシティホテルが少なかった時代からある、首里の代表的な老舗ホテルの一つでした。都ホテルは1974年開業で、近鉄・都ホテルズが運営しており、地上15階建てで、客室数は307室あります。県民にとっては、結婚式や親戚の生年祝いといったお祝い事、特別な食事会、同窓会などの時に、宴会場やレストランを利用していた人たちも多かったと思います。
隣接するグランドキャッスルも数年前に外資系ホテルチェーンとなり名称が変わりましたし、沖縄の老舗ホテルも変わりつつあります。
ホームページには以下のようなお知らせが掲載されています。
沖縄都ホテルにつきましては、2018年1月22日(月)のお客様のチェックアウトをもちまして、営業を終了することとなりました。
開業以来長きにわたる皆様のご厚情に心より感謝申し上げます。
今後とも都ホテルズ&リゾーツにご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
さずがに宿泊したことはありませんでしたが、レストランを家族や職場でたまに利用させてもらっていました。
営業終了するにあたり特別ランチを開催していると聞いて、最後の週末にランチを食べに行きました。
沖縄都ホテルにやってきました
せっかくなので、全面改装の前の在りし日の姿をお伝えすべく、エントランスから順にご紹介します。
入ると、沖縄の海をイメージしたようなカーペットとシャンデリアの開放的なロビー。
砂糖菓子で作った首里城が飾られていたり、ラウンジには龍柱があったり、首里を意識した装飾がそこかしこに。
築40年以上の建物は全体的に古いですが、内装は所々改修しているので、新旧のデザインが混じった感じです。エレベーター横の館内案内などは、年季が入っていていい味出しています。
ひとまず2階のレストラン「アヴァンセ」で食事をします。
ランチは2回入れ替え制だったようですが、初回は満席。入口は順番を持つお客さんであふれていました。
入口には、感謝と別れを惜しむメッセージが入ったバルーンが飾られていました。
「大感謝祭」ということで、6人のシェフが、寿司やてんぷら、ステーキなどを目の前で調理してくれます。
しかしお客さんが多いあまり、料理もあっという間になくなります。特にカニ食べ放題とか。
つい食べるのに夢中で、写真を撮り忘れてしまいました。
店内を見回すと、客層はシニア層が大半の様子。古くから利用していた方々が多いからでしょうか。長く県民に親しまれていたホテルなんだなと感じました。
さらに館内を散策してみる
さあ、おいしい食事でお腹も一杯になったところで、もうしばらく館内を散策します。
特徴的な天井から地下をつなぐ階段。
この吹き抜けのシャンデリアを見ると、小さな子供の頃、親戚の食事会の時に、飽きた子供同士で階段で遊んだことを思い出します。建物は、耐震的な問題を指摘されているそうなので、このシャンデリアも改装でなくなってしまうんでしょうか。
1階のおみやげもの売り場。
ほとんどの商品が2割引きになっていて、かなり商品も減っていました。
中には、こんなコーナーも。
何をご自由にお持ち帰ってよいのかわかりませんが、右端に小さく「とんぼ、かまきり、ねずみ、キューピーなど」と書かれています。ひょっとして、右ケースのネズミらしき何かと、左写真のキューピーの何かだったのでしょう。
店の奥には、UFOキャッチャーのゲームコーナーがあります。
個人的には、人が少ないホテルの寂びれたゲームコーナーで遊ぶのも楽しみでした。これも、昨今の小洒落たリゾートホテルからは駆逐されていく運命か・・・。
最上階の丸い部分は回転レストランでした。1時間弱で1周したそうです。沖縄県内で最後まで稼働していた回転レストランだったと思います。首里の高台から那覇を一望できて、さぞキレイだったことでしょう。行ってみたかったのですが、すでに閉鎖されており、エレベーターから降りられないようになっていました。
続いて、地下に降ります。
地下には2つの宴会場があり、ここで披露宴が行われていました。
駐車場に出る会場の入口を見ると、「ああ、あの結婚式はここのホテルだったな」とか思い出します。
そして、このすぐ近くに湧水があるのをご存知でしょうか。
「松川桶川」の表示があり、きれいに組まれた石垣から水が湧き出ています。
あまりにもヒッソリあるので見過ごしてしまいそうですが、この静かな雰囲気も残って欲しいものです。
最後の日
いよいよ最終日22日。午前11時のチェックアウトで業務が終了します。
ロビーにはホワイトボードがあり、連絡事項や案内が書かれています。11時を間近にして、次々に宿泊客がチェックアウトしていきました。最終日だからといって特に何かあるでもなく、いつも通りの光景の様です。
しいて言えば、いつもより多くのスタッフがロビーに立って、最後の宿泊客を見送っているように感じました。
こうして、開業以来750万人以上が宿泊した沖縄都ホテルは、県外からの宿泊客だけでなく沖縄県民から愛され、43年間の歴史に幕を下ろしました。
新しいホテルは、改修工事を経て夏ごろ開業予定とのことですが、親しみある長く記憶に残るホテルになっていってほしいと思います。