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スマートスピーカーはどこまで沖縄の事を理解してるのか
未来がやってきた
皆さんは以前siriはどこまで沖縄苗字を理解してくれるのかという特集をやったのを覚えているでしょうか(5年前で僕が若い!)。iPhoneのSiriという音声アシスタントがはじめて日本語に対応したのでどこまで沖縄の苗字を理解しているのか、ということを検証した記事でした。
この当時はいくら言っても「喜屋武(きゃん)」を認識しなかったりと色々差し障りがあるレベルの沖縄理解度でした。
さて、時代は2018年。少し前から「スマートスピーカー」なるものが巷を賑わせています。スマートスピーカーとはウィキペディアによれば「無線通信接続機能と音声操作のアシスタント機能を持つスピーカー。人工知能 (AI) を搭載しているスマートスピーカーは日本ではAIスピーカーと呼ばれることもある。」と定義されています。何ができるかといえば、スピーカーに話しかけることで調べ物をしたり、ニュースを読み上げてくれたり、音楽をかけてくれたり、家電を操作したりということができるもののことです。上記で出てきたSiriが単体でスピーカーに実装されたようなものですね。
ものすごく未来を感じるガジェットですが、我々が気になるのはどれだけ沖縄のことを理解できるのかこの一点です。そこで現在販売されているスマートスピーカー2つに沖縄の事を色々と聞いてみました。
今回検証するために用意したのは以下の2種類。
Google Home
Google社が販売しているスマートスピーカー。音声認識に定評がある。餅っぽい。「オッケー、Google」と話しかけることで色々できる。
Amazon Ehco
Amazonが販売しているスマートスピーカー。欧米で最も普及しているらしい。スピーカーから買物できるのだが、たまによく分からないものを購入させられそうになる。「Alexa(アレクサ)」と話しかけることで色々できる。
沖縄の事を聞いてみる
まずは小手調べに「沖縄」について聞いてみましょう。
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ウィキペディアでは沖縄県は日本で最も西に位置する県であり、沖縄本島・宮古島・石垣島など多くの島々から構成されるとされています。
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こんな説明が見つかりました。沖縄は、日本海軍の海防艦。
…のっけからAmazonEchoの駄目な子っぷりが判明しました。どちらもウィキペディアから情報を取ってきてるようなのですが、なぜかAmazonEchoは「沖縄 (海防艦)」の内容を読み上げています。まぁ間違ってはいないのだろうけど…。
続いてはこんな質問を。
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10件以上見つかりました。1番目は那覇市の泉崎の1丁目2-2にある沖縄県庁舎でここから3キロメートル先です。
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沖縄県の首都は那覇市です。
Googleは位置情報的なものから沖縄県庁舎を答えました。AmazonEchoは回答的にはあってるんですが沖縄県の「首都」という言い方。
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関連すると思われる情報がウェブで見つかりました。大城海産物加工所によるとスクガラス:スクガラスはアイゴの稚魚を塩漬けにしたものです。塩が効いている一品ですが、沖縄ではお酒のつまみとして豆腐の上にのせて食べるのが一般的です。
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すみません。よくわかりません。
ウィキペディアにもスクガラスについての情報が載っているのですが、GoogleHomeは大城海産物加工所から概要を検索して教えてくれました。地味にすごいです。AmazonEchoがんばれ。
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沖縄県の面積は2,271平方メートルです。
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沖縄県の面積は2,271平方メートルです。
これは両方クリア。
以前Siriで試した時の「喜屋武」についても聞いてみましょう。
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ウィキペディアでは『CanCam』(キャンキャン)は、小学館の発行による月刊女性ファッション雑誌とされています。
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こんな説明が見つかりました。ちゃんは父親を指す略式語。幼児語に派生すると思われるという意味です。
どっちも割と酷い結果でした。
しかし聞き方を変えて
と聞くと
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現在地から喜屋武まで車で行く場合、県道241号線と県道82号線が最適ルートです。渋滞が無い場合、所要時間は約18分です。
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すみません。わかりません。
GoogleHomeはほぼ完璧な答えを出しました。AmazonEchoはまだ経路情報などを調べることができないらしく、わかりませんとの回答。
ちょっと突っ込んだ沖縄の事も聞いてみましょう。というわけで沖縄の辞典的なものから単語をピックアップして聞いてみます。
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女神。
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すみません。今は分かりませんがもっと勉強しておきます。
カミンチュ(神人)は沖縄の祭祀を司る人のことで、まぁ女性がなることが多いのでGoogleHomeの回答はかすってる気もします(男性もいる)。でも何か勘違いしてる気がします。
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すみません。よくわかりません。
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こんな説明が見つかりました。鬼太郎は、水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の主人公である妖怪。
ビタローはフエダイ科の魚で沖縄ではよくバター焼きで出てくることが多い気がします。Googleは分からない、AmazonEchoの回答はまさかの鬼太郎でした。しかも鬼太郎を「おにたろう」と読み上げていて一瞬「???」となりました。AmazonEchoの日本語読み上げはたまにおかしなところがあって、現在の天気でも事務所のある「字古島(あざふるじま)」を「じ・こじま」と読んだりするので細かい地名などは不得手のようです。
他にも「百十踏揚(ももとふみあがり:第一尚氏王統第六代国王・尚泰久の娘。)」についてGoogleHomeはウィキペディアから情報を読み上げることに成功。「沖縄慰霊の日はいつ」という質問についてもAmazonEchoが「わかりません」という回答をしたのに対して、Google Homeは総務省のサイトから「6月23日」である旨をきちんと調べることができました。沖縄の質問についての回答はGoogleHomeのほうがきちんと対応できているようです。
スマートスピーカーは沖縄民謡を再生できるのか
続いては「音楽をかける」という機能について検証してみましょう。この2つのスマートスピーカーでは「○○の音楽をかけて」みたいな発話で音楽を再生する機能があります。それぞれ使用している音楽サービスが異なる(GoogleHomeはSpotify無料版、AmazonEchoはamazon unlimited music)ため、そもそも曲のラインナップは違うのですが、以下のような質問をしてみます。
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Spotifyで沖縄民謡を再生します…(時間があって)…すみません。エラーがおきました。もう一度試して下さい。
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沖縄民謡ミュージックを見つけられませんでした。
GoogleHomeは何度やってもエラーが起きて再生できず。一応「沖縄民謡」という言葉はちゃんと認識してそうです。AmazonEchoは有料サービスに登録しているにも関わらず楽曲を見つけられないとの回答。
本件と全く関係無いのですが、AmazonEchoで息子と「おっぱいがいっぱい」を流そうと日々努力しているのですが一度も成功したことがありません。なんとなくですが、AmazonEchoでは「おっぱい」という言葉が規制されているのではないかと思われます。GoogleHomeは「おっぱいがいっぱいを再生します」と言ってくれますが、やはりエラー。
スマートスピーカーで沖縄のものは買えるのか
さて、最後はスマートスピーカーから商品の購入です。この機能は現在AmazonEchoのみ(Amazonプライムというサービスに加入している人のみ、ちなみにGoogleHomeは買物リストが作れる)なのでAmazonEchoで沖縄のものを買ってみましょう。
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泡盛はみつかりませんでした
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「くめのくめせん」はみつかりませんでした
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雪塩ちんすこうが見つかりました。購入しますか?
あんなに沖縄の質問ではわからないを連発していたAmazonEchoですが商品の購入となるとかなりの精度で商品を提示してくれます。他にも「ゴーヤーマン」だったり「シーサー」でも商品がヒットして回答が帰ってきました。スマートスピーカーでは割と沖縄のものも買えます。…ただし、読み上げ機能のみなので商品名と価格だけで購入するのは結構ハードルが高そうです。
未来はもうちょっと先なのかもしれない
というわけで本日はスマートスピーカーにいろいろと沖縄のことを聞いてみました。結構「わからない」と言われたり、誤認識もあったのですがそれも含めてちょっとスマートスピーカーが可愛く思えてくるから不思議です。実用レベルかといったら色々足りないところはあるので今後の精度の向上に期待、というところでしょうか。各スマートスピーカーともに外部のサービスみたいなものも使えるのでそのうち旧暦をしゃべるようになったり、ウチナーグチでの受け答えができるようになるのもそう遠くない未来かもしれません。
ちなみに検証していて気づいたのですがGoogleHomeはすでに「ハイサイ」を理解しているようです。地味にすごい。