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具無し宮古そばをどうやって見分けるべきなのか
沖縄県下で広く食べられている沖縄そばですが、さらに八重山そばだったり、宮古そばだったりというジャンルが存在し特長が異なります(沖縄本島でも北部に行くと平麺だったりする)。
中でも宮古そばは一風変わった特徴があります。
それは伝統的な宮古そばは具材を器の底に沈めて、その上から麺を乗せるというものです。つまり見た目は麺とネギしか乗っていないように見えるけど具はきちんと入ってる(ただし底に沈んでいる)のです。
なぜこんなことをしているのかには諸説あって、年貢の取り立てに対抗して「具も乗せられないくらい貧乏です」という貧乏アピール説、具材を底に配することで具を温めておく、あるいは具材の乾燥を防ぐという実用説など諸説あるようですが真偽のほどは分かっていないようです。
さて、あなたが年貢の取り立て官だとしましょう。その際に「うちは具材を乗せられないほど貧乏なんですよ」と言われて宮古そばを見せられたときに、即座に「いやいや具材は底に入ってる」というのは悪手です。なぜなら本当に具材なんて入ってない可能性があるからです。実際に麺をかき分けるまで具の所在はわからない…この「シュレーディンガーの宮古そば」に私たちはどのように対応すべきなのでしょうか。
めちゃめちゃ長く前置きしましたけど、今回は具材の入ってない宮古そばをどのように見分けたらいいのか考えるという試みです。
とりあえず宮古そばを作ろう
とりあえず宮古そばを作るところからはじめましょう。本場宮古の材料は手に入りにくいので沖縄本島で簡単に手に入るものを用意しました。
ここ最近は沖縄本島のスーパーでも宮古そばや北部の平麺の沖縄そばなど割と沖縄そばのバリエーションが増えた気がします。一般的な宮古そばは沖縄本島の沖縄そばと比べて縮れのない細麺です。このあたりの麺の地域差はその土地土地の製麺所とかに由来するんじゃないかと勝手に思ってるのですが、そのうち調べてみたいと思っています。
何度か宮古そばを食べた感じからいくとスープはもっと透き通ったあっさり系だった気がするのですがここでは醤油色のカツオベースのそばだしを使います。
具材が入っているものと入っていないものを用意。
麺とスープを入れました。この行程を自分でやるとどちらに具材が入ってるか分かってしまうので、他人にお願いしています。
具無し宮古そばを見分ける方法を考える
さて、目の前に具無し、具有りの二つの宮古そばが揃いました。ここから具無し宮古そばを見分ける方法について考えてみたいと思います。
見た目で判別する
底にある具材をどのように見破ればいいのか。某料理漫画では寿司の違いを証明するために寿司をCTスキャンにかけたりしてましたが、そんなツテはないし協力した医師は絶対クビになるはずです。まずは目視で双方の違いを確認してみます。
具材からでた油だったり何かが表面で判別できるかとも思ったのですが、分かるのはネギの量くらいで全く違いはありません。見た目から具の有無を判別するのは難しそうです。
音で判別してみる
視覚が駄目ならば聴覚で判別をしてみましょう。それぞれの器を叩いて音を比べてみます。世の中には缶詰を叩いて中身を調べる職業の人がいるらしいので微細な違いがあるかもしれません。
「そんなことあるわけないだろ」という読者の方もいらっしゃると思います。
正解です。なにひとつ違いは分かりませんでした。
味で判別してみる
もうよく分からなくなってきました。本命いきましょう。汁を飲んでみます。
具材が入ることによって汁の味が微妙に変わり、そこから判別ができるんじゃないでしょうか。冒頭であなたが年貢取り立て官だったらみたいな話をしましたが、みんなのそばの汁を飲んでいく取り立て官がいたらいやだなぁと思いました。
しかし、味も全く判別できず。どうしよう。
もう箸で刺してみる
このあたりで読者諸賢の皆様はこの実験がノープランで始まった事にお気づきだと思いますが、他に判別方法が思いつかないので箸で器の底をつついてみる、という手法を採ります。
…あ。
こっちが具有り!!
最初はよく分かりませんでしたが、箸にカマボコが刺さったようで明かな感触の変化がありました。というわけで本日の結論としては「宮古そばの具無しを調べるためには箸を刺せ」ということになります。「普通に食べろ」という声が聞こえてきますが、まぁその通りなんですけど。
あと、ここまで原稿を書き進めてきて気づきましたが、箸を刺すという検証法は宮古そばの具ありを証明することはできても具無しを証明する有効な方法では無いような気がします。
結局どうすればよかったのか
というわけで「具無し宮古そばをどうやって調べたらいいのか」について本日はお届けしましたが、最初の問題提起から一歩も進んでない気がしてなりません。
読者の皆様の中で、具無し宮古そばを見分ける確実な方法を思いつかれた方は是非編集部までご一報くださいませ。本日は以上です。