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閉鎖間近の農連市場に行ってきた
戦後沖縄の原風景を垣間見られた農連市場が今月末で閉鎖予定です。
これまでDEEokinawaでは農連市場から数々の記事を送り出してきました。
- 【復帰40周年特集】農連市場の風景(2012.05.16)
- 農連市場のラジオ体操(2012.08.09)
- 農連市場の謎自販機に迫る(2014.04.14)
- 真夜中の農連市場で一日店長(2015.12.07)
2017年10月末現在、市場北側はすでに解体が終わり、10月17日に新施設「のうれんプラザ」がオープンしました。
大通りからは見えにくい場所にあるガーブ川を越えた場所にある農連市場。
開発が進むごとに足が遠のいていましたが、閉鎖を間近にしてどんな風になっているのでしょうか。
久しぶりに訪れてみました。
変わる風景と変わらない風景
取材に行った日は10月26日。翌週には農連市場が閉鎖され、すべての店子は新しくできた「のうれんプラザ」に移動するとニュースで言っていました。
なので、正直農連市場が開いていても活気がなかったり、そもそもお店が軒並み引越し前の閉店状態だったりするのかな、と思っていたのです。
時刻は朝の4時半。農連市場がもっとも賑わいを見せる時間です。
大通りから中に入ってみると。
そして農連市場の看板がある場所に行くと、農連市場は以前と変わらず当たり前のようにそこにあったのです。
まだ夜が明ける前ですが、活発な人の声が聞こえてきます
農連市場の中へ
中へ入ってみましょう。
1953年(昭和28年)に市場が開設されてからそのまま使用している木造・トタン屋根。
老朽化は進んでいますが、この景色、この雰囲気はここでしか見ることができません。
お店も健在。野菜や果物なども以前と変わらず並べてあります。
市場の開設当初からお店を営むおばさんも元気に営業されていました。
屋良商店さんに「のうれんプラザへの引越しはいつ予定されているんですか?」と伺うと、「週末に引っ越そうと思っていたけど、台風だから引っ越せるかわからない」とおっしゃっていました。
そう、閉鎖間近にして最後の週末は台風だった沖縄。「間に合うかな?」と笑っておられましたが、その表情は全然不安も心配もなさそう。たくましく商売をされてきたのを垣間見たような気がしました。
こちらは農家のみなさん。
農連市場では1日310円を払えば場所を借りることができ、こういう制度があるのは天候によって畑に行けない日もある農家さんのためだと以前市場事業協同組合さんから聞きました。
休憩されていた農家のおばさんは
「40年間ここでやってきたから正直さみしいよ。でも時代の流れだからね」と。
長年一緒にやってきた農連市場の人たちはこのタイミングで辞める人もいるけれど、大半は仕事だからそのまま続けるそうです。また新しいのうれんプラザにも農家の人たちが集まるスペースが確保されているので、そこはとても心強いとおっしゃっていました。
「お客さんもいまは変わらず来てくれているよ。向こうにいったらどうなるかはわからないけど、行ってみないとはじまらないからね!」とも。
なんだかここで、農連のひとたちと話していると、この場所が閉鎖なのが間近なのは頭ではわかるのですが、人や雰囲気や見える風景が以前と同じすぎて、本当になくなってしまう実感が薄れてきます。
何人かの方とお話をさせていただきましたが、みなさん今後のことは不安もありつつ、がんばりたいとおっしゃっていました。でも最も聞かれたのが「この場所がなくなってしまうのは本当に寂しい。建物だけは残してほしい」ということ。
この場所がホテルになるという話も聞きましたが、この建材を使ってホテルのロビーとかできないのかな。ちょっと無理かな。
今月末で閉鎖ということは残り2日。
台風があったとはいえ週末の間に引越しされたお店もあるはずです。
今日の農連市場の雰囲気がこの記事のままかはもうわかりませんが、間に合うならもう一度みなさんも農連市場を訪れてほしい。この場所があったことを自分の目でちゃんと見て終わりにしてほしいなと思いました。
のうれんプラザは?
まだ早朝ですが、屋良商店さんがのうれんプラザも開いているよ!と教えてくれたので行ってみました。
10月17日に落成したのうれんプラザも深夜から元気に営業されるよう
農連市場がそのままやっていたのだから当たり前かもしれませんが、先週の時点ではのうれんプラザはまだガラーンとしていました。間に合うのか心配になるレベル。
一店舗だけお店がありましたが、オープン前の準備をしているそうで、実際開いているお店はありませんでした。
正式オープンは明後日11/1(水)。
5日までは開店セールも開催されるようです。
憂いてばかりではなく、新しい農連市場にも期待をしているのでまた後日ちゃんとレポートしたいと思っています。
でもその前に、ぜひ閉鎖前の農連市場にも行ってみてくださいね。たくさんの猫ちゃんもいました。