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【入りにくい店に入ってみた】クッキングパパ
沖縄の街を歩いていて大通りからふらっと路地裏などに入ってみると、営業しているのかいないのかも分からない、ものすごく入りにくい雰囲気のお店に出会うことがあります。
通るたびに気になって興味はあるのに、扉を開けるのにすごく勇気がいるような。
そこにあえて挑戦していくシリーズ、名づけて【入りにくい店に入ってみた】。
閉店してしまったお店も増えてきたので、この記事がみなさまの思い出になれば幸いです。
第1回:食堂 自流(閉店しました)
第2回:カムイラーメン喫茶(閉店しました)
第3回:平和食堂
第4回:聚楽苑(じゅらくえん)
第5回:マカビペット店
第6回:お食事の店 ホームラン
第7回:すきやき&おでんハウス 笑
第8回:USレストラン
第9回:宮古島の丼喫茶
第10回:お食事処 栄(閉店しました)
第11回:マイハウス
第12回:司屋
第13回:三星レストラン(閉店しました)
第14回:みえばし
第15回:喫茶スワン
第16回:小料理キヨちゃん ぱんぷきん(閉店しました)
第17回:金の椅子
第18回:垣花食堂
第19回:琉球薬草本舗
第20回:ゲンキ食堂
第21回:タルト屋
さて、今回のお店ですが、DEEokinawaに先日こんなメールが届いたのです。
石川高校近くに超入りにくい食堂があります!店名はクッキングパパだったかな?4,5年前に行ったけど¥500で食べ放題でした!本当に怪しい小屋です。
読者の伊波さんより
「超入りにくい」という言葉も気になりますが、最も気になるのが「怪しいお店」ではなく「怪しい小屋」と言ってしまっているところ。
小屋って...。
というわけで今回は石川のクッキングパパに行ってきました。
ほんまに小屋やわ
GoogleMapに「石川 クッキングパパ」と入れると道順を表示してくれたので、言われたまま行ってみると、ついたのはこちら。
プレハブのような建物。え、ここって食堂?
不安を打ち消すかのように、道路側には建物と対照的にきれいな看板で「食堂 クッキングパパ」とあります。
しかし正直、ここまで来たものの帰りたさは99%。
外からは全然お店の中が見えないし、人の気配もしません。
営業中という看板が出ていなければ、「閉まっている」ことにして帰ったはずです。
意を決して扉の前に。
「Welcome」の文字が出ています。
まだ怖気付くわたしを、「大丈夫だよ!入っておいでよ!」と要所要所で背中を押してくれる気がします。
行くか。よし、行こう!
心の中で気合を入れて扉を開けました。
食堂はどこ?
扉を開けてお店に入ったはずのわたしが目にしたのは。
え!(すごく動揺しました)
なにここ?田舎の親戚のおうち?それも本家ではなく、納屋のような。
食堂って机があって、奥に厨房があってというイメージなんですが、わたしの想像を遥かに超えた世界が広がっていました。
入ったのに、本当に入ってよかったの?という動揺を抱えたまま、廊下を少し進みます。
すると奥から女性の笑い声が聞こえて来ました。
だれかいる!そして女性だ!
助かったー!と思いました。食堂に来たはずなのに。
中にいたお食事中の年配の女性
雑多な感じでいろいろあります。できるだけきれいにはしているけど、時間がなくて...といった一人暮らしのおじさんの家といったところでしょうか。
テーブルは全部で3つ。それぞれに4人ずつ座れるようでした。
エアコンはなく、大きな扇風機が部屋に何箇所か設置されています。
注文してみよう
お店のおじさんが来たので(この人がクッキングパパか?)聞いてみると、水曜日以外はバイキングシステムで壁側に配置されている料理を自分で取り分けて欲しいそう。
水曜日はバイキング+沖縄そばが付くお得な日だそうです。
メニューはバイキングorバイキング+そばの2種類
バイキングメニューはその日に仕入れた食材によって変わるそうです
「ちょっと待てって」とおじさんが厨房に消えてしまったので、店内を見てみました。
冷蔵庫に入った漫画(冷えてはなかった)
何年ものだろうか、すっかり色の抜けたコーレーグス
大きな声では言えませんが、店内を見渡すごとに不安な気持ちになりました。
でも、味は間違いなくクッキングパパでした
「お待たせ!」とおじさんが帰って来て手渡してくれたのがこちらのプレート。
とろとろに煮込まれた軟骨ソーキのトマト煮と、皮がパリパリに焼かれた鳥もも肉。
これにバイキングコーナーにある料理を足してね、とのことでした。
せっかくなので全種類いただきました。すごいボリュームになってしまいましたが、どれも素材の味が生きていて美味しく、これで500円って破格の値段ではないでしょうか。
お店はこの場所で15年ほど、その前は違う場所で何年かお店をやっていたそう。
お客さんは近所の常連さんや、工事関係の人が多いけれど、夏はクーラーもなく暑いのであんまり人がこないんだよね、とおっしゃっていました。
厨房に戻ったクッキングパパ
お店はおじさん一人で経営されているそうです。
「汚いでしょう」と眉毛を下げて困ったようにおっしゃっていました。
でもおじさんと話していると、安い値段で美味しいものを、毎日違ったメニューで、と考えておられることがヒシヒシと感じられるのです。
正直、ここには行けないと思う人もいるとは思いますが、きっと昔はこんなお店がたくさんあって人々の胃袋を満たしていたはずです。
おじさんは「お店は古いけどまだまだ頑張って料理をするよ!」と笑っていました。
お腹いっぱい食べて、帰る頃には近くに来たらまた寄ってみようかなと思う私がいるのでした。
本日もごちそうさまでした。
クッキングパパ
沖縄県うるま市石川伊波1019
定休日:火曜日