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ヒハツモドキの表記ゆれ調査
表記、揺れすぎ問題
みなさんは八重山諸島特産の調味料、ヒハツモドキという植物をご存知でしょうか。
東南アジア原産のコショウ科の植物で、種子の部分をすりつぶして調味料として用いることができ、沖縄地方では島こしょうとも呼ばれています。シナモンのようなほのかな甘味と独特の香りが特徴的で、八重山諸島ではよく沖縄そばなどにかけて食べられています。
そんなヒハツモドキについて常日頃思っていたことが、その表記があまりにも揺れすぎなのではないかという点です。
補足として、”表記ゆれ” の意味については以下ご参照ください。
用字用語の不統一。同じ文書や書籍の中で、本来、同音・同義で使われるべき語句が異なって表記されること。「メモリー」と「メモリ」、「引っ越し」と「引越」など。表記の揺れ。- goo国語辞書より
おそらく微妙な発音を文字に起こす際のさじ加減で、ピパーチ、ピヤーシ、ヒハチ...等々の表記バリエーションが生まれたのだとは思いますが、それにしたって多すぎると思うのです。
この事象について私は長年強く意識してきたものの、人に話しても「あー、そういえばそうだね」程度の反応だったので気にならない人には気にならないのかもしれません。しかし、いったいどれだけバリエーションがあるのか、どの表記が一般的なのか、気になって気になって仕方がなかったのでこのたび独自調査に踏み切ることにしました。
国際通り付近で調査
沖縄の特産品や土産物が数多く集まる場所といえばココ、国際通りまでやってきました。
土産者店を巡り歩き、各店で取り扱っているヒハツモドキのサンプルを集めて検証していきたいと思います。
ぴぱーち、ぴぱーつ。どちらもひらがな表記の丸っこさと響きがなんだかかわいい印象。
フィファチ。唇の間から空気がめっちゃ漏れるかんじで発音したい。
ぴーやし、ピパーツ。ひとつの店舗内でも当然のように表記が混在中です。
さあこの調子でどんどん攻めて参りましょう。
ぴぱーつ。
フィファチ。
ピパーツ。
だんだん店舗内の調味料コーナーを探し出すのがうまくなってきました。
ヒバーチ、ピパーツ。
ヒバーチ。火鉢じゃないよ。
ぴぱーつ。ぴぱ〜つ、と書くと可愛さが増すマジック。
ピパーツ、ピィパーズ。
公設市場周辺
公設市場周辺でも見てみることにしましょう。
ピパーツ。
こちらもピパーツ。
フィファチ。
ピパーツ。
ヒバーチ。
まとめ
というわけで今回、国際通りと公設市場周辺で採取できた表記は以下のとおり。(ひらかな/カタカナ表記のみ違いは除く)
・ピパーツ
・ピパーチ
・ヒバーチ
・フィファチ
・ピィパーズ
・ぴーやし
今回の調査地では思っていたよりも集まりませんでしたが、これ以外にも
・ぴぃやーし
・ヒハチ
・ピパージィ
・ピパズ
などの表記も見かけたことがあります。そして他にもまだまだありそう。
また、このなかでは「ピパーツ」もしくは「ピパーチ」という表記がわりと一般的という印象を受けました(もちろん商品の流通量の影響もありますが)。
離島県であり郷土色の濃い沖縄地方において、島やエリア、また集落によっても言い方が異なるということは珍しくはないですが、ひとつのものに対してここまでのバリエーションがあるのはやはり特異な気がします。このあたりの経緯も含めてそのうち専門家にお話を伺ってみたいと思いつつ今回の調査を終えたいと思います。ああ、奥が深いぞヒハツモドキ。