- DEEokinawaトップ
- 特集
- 沖縄オリジナルルアー「蛙スプーン」の謎に迫る
沖縄オリジナルルアー「蛙スプーン」の謎に迫る
DEEokinawaの事務所はDEEメンバーも含めて6人の共同で間借りしているのですが、最近みんないい歳になってきたこともあり、色々な趣味に挑戦することがブームになっています。
最近事務所のメンバーがはじめた趣味が「釣り」。めちゃめちゃインドア派だった事務所の友人が急にカヤックを買ったりした話を聞くとなんだかすごいことになっているなぁと思うわけです。
そんな友人から最近気になる話を聞きました。
・沖縄限定の「蛙スプーン」というルアーがある
・ルアー釣りをしている人は結構な確率で「蛙スプーン」を持っている
・「蛙スプーン」はめちゃめちゃ釣れる
沖縄限定のルアー「蛙スプーン」。ネットで検索してみるとサイトがヒットして商品を見ることができるのですが、あまり釣りに詳しくない僕にはイマイチすごさが分かりません。というわけで、制作者の方に連絡を取ってお話を聞いてみることにしました。
蛙スプーンのヒミツを聞いてきた
というわけでこちらが蛙スプーンの制作者、久高将光さん。
見えにくいけど裏には「蛙」の文字が彫り込まれている。
そしてこちらが噂の蛙スプーンです。いったいこのルアーにどんなヒミツが隠されているのでしょうか。お話を伺いました。
- 本日は宜しくお願いします。
まず、基本的なことで恐縮なんですが「蛙スプーン」ですがなんで蛙なんですか?
もともと釣りが趣味でして、10年前くらいから釣りブログを始めたんですよ。その当時は実名でブログをやってる人ってほとんどいなくて、僕も何か適当なハンドルネームを決めようと思って「蛙」という名前にしたんです。特に意味はないんですけど(笑)。なのでハンドルネームを取って「蛙スプーン」ですね。
久高さんのブログ「やんばる釣り日記」。最近は釣り場で読者の方に「蛙さん」と声をかけられるので割と恥ずかしいと言っていた。ハンドルネーム大事。
- ルアーを作ろうと思ったきっかけはなんだったんでしょうか?
釣り自体は小さなころからやっていたんですけど、もともとは別に仕事をしていて趣味で釣りをやっていたわけなんですが、釣りメーカーさんの製品のテスターなんかをしていたんです。でも内地の釣りメーカーの製品ってやっぱり向こうの魚用に作られているものがほとんどなんです。
なので、沖縄に特化したルアーが欲しいと思って「蛙スプーン」をつくりました。
- 沖縄に特化とは具体的にどのあたりなんでしょうか。
左は市販のルアー
まず「スプーン」は基本的に魚の形をしたルアーになるんですけど、内地のものはルアーサイズが10cm以上の大きなものがメインなんですよ。それは向こうの魚が餌として食べている魚がそれくらいのサイズであるという理由なんですが、沖縄だと大きなサイズの魚を食べている魚がそんなにいなくて、割と大きな魚も餌としては小さな魚を食べています。なので「ルアーのサイズが小さい」というのが一つのポイントですね。
また、小さいルアーには小さい針が付いてることが多いのですが、沖縄の場合は先のように大きな魚が小さな魚を食べるので小さな針では弱いんです。なので蛙スプーンでは強いフック(針)をつけています。
- 色のバリエーションも結構ありますけど色の違いなんかもあるんでしょうか
基本はシルバーとゴールドで、これで充分釣れるんですけど、沖縄の魚は意外と蛍光色だったりという派手なカラーが釣れるんですよ。内地からの注文だと魚の色に近い色身のものが人気なんですが、沖縄だとオレンジとか赤金とかがダントツ人気ですね。
これはクリスマス仕様なんですけど、蓄光塗料が塗ってあるんです。昼間でも結構光るので、曇った日とかには反応がいいですね。沖縄では目立ったもの勝ちなところがあるので、最初にど派手なヤツを投げて、釣れなければ少しずつ地味な色に変えていくみたいな感じでも使えます。
試行錯誤のルアー作り
- ルアーを作るにあたって苦労した点はありますか?
蛙スプーンプロトタイプ
そうですね。最初は銅板を削って形を作っていくんですけど、カーブを変えたり、厚みを変えたりと色々試行錯誤してテストをしてを繰り返しましたね。微妙なところでルアーの動きが全然変わってしまうんです。
蛙スプーンの特長のひとつになるんですけど、スプーンの動きは全体的なルアーのカーブが影響しそうに見えるんですけど、実はルアーのエッジ(フチ部分)が結構動きに影響しているんです。
スプーンのエッジは表が丸くなっていて、裏が角になってるのが普通なんですけど、色々試した結果蛙スプーンはそれが逆になっています(裏が丸くなって、表が角)。テストの時に全然いい動きがでなくて、逆に型版を抜いてみたらすごくいい動きになったんです。
- 製造は沖縄で行っているんですか?
内地にルアー専門で作っている工場があって、そこで作っています。量産するためには型版というのを作らないといけないんですが、沖縄で頼むと型の値段がすごいんです。内地だと値段が半分くらいなのと、ルアー専門の工場なのでそこに今はお願いしていますね。
- ぶっちゃけた話で恐縮なんですがどれくらい売れてるものなのでしょうか?
そうですね。数的に言ったら年間では30,000個くらいでしょうか。8割くらいは県内で売れてるんですが、ネットショップ経由で内地の方にも買って頂いて全ての都道府県の方に売れてますね。
最初に作ったときは、ロットの関係で2000個つくらないといけなくて、ちょっと怖かったんですがブログでルアーの制作過程なども紹介していたのでありがたいことに1日で即売しました。
- めちゃめちゃ売れてる…!県内ではどこで買い求めればいいんでしょうか?
県内のほとんどの釣具屋にはあると思います。あとは北部の小さい売店でも少しですが取り扱いがあるところがあります。僕はもともとやんばるの出身なんですが、沖縄で釣りをする人って中南部の人が多いんですよ。中南部の人がやんばるに釣りに来るんですが、道具は中南部で買って、みたいな感じだとやんばるには何も残らないので北部のお店にルアーを置いて、そこでルアーを買ってもらうついでに食べ物や飲み物もついでにみたいな買い物をしてもらうことが理想なんです。
ただ、何店舗かは置いてもらってるんですが、やはりなかなか難しくて。将来的にはもっと広げていきたいと思っています。
話を聞いただけでちょっと釣りに行きたくなるルアー
というわけで本日は沖縄発のルアー「蛙スプーン」について、制作者の久高さんにお話を伺いました。
蛙スプーン以外にもジグといわれるルアー作りだったり、竿の開発だったりも行っているそうで、沖縄に特化した釣り具が今後も増えていくのかもしれません。
余談ですが、僕も2年に一回くらい釣りに行くのですがまぁ全然釣れません(餌釣り)。しかし、久高さん曰くスプーンが一番釣れる瞬間は何もせずに投げたスプーンが沈んでいく時だそうで、これなら僕も魚が釣れるんじゃないかとちょっと期待しています。今度蛙スプーンを持って、釣りに行ってみたい所存です。
県外でも北海道の方が鮭を釣ったりみたいな報告があるんだそうで、割といいお土産にもなるんじゃないかと思うんです。沖縄に観光で来られた方は釣具店を探してみて下さい。
蛙スプーン
http://kaeru-spoon.main.jp/