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名護市川上の豊年祭で「操り獅子」を見て来た
名護市川上の豊年祭レポート
沖縄は今、豊年祭のハイシーズンです。
沖縄本島北部の名護市川上では、旧歴の8月8日の御願行事後の土日にあわせて公民館で豊年祭が行われます。
2016年9月11日、仕事帰りの旦那に子どもを預け、慣れない自動車道路を使いながら、北上すること約2時間。開演時刻の19時ギリギリに川上区公民館に到着!
と思っていたら、偶然来ていた知人が「開始が30分遅れるみたいですよ」と一言。
震えながら運転してきたのに・・・。
若干拍子抜けしましたが、おかげで悠々と撮影準備をすることができました。
公民館の中には、テーブルと客席が並べられて、ちらほら席が埋まっています。
私も、受付でプログラムと撮影の許可をもらうついでに、(ほんの少しですが)ご祝儀を渡したところ、
プログラムの他に弁当と飲み物までくれました。(余談ですが、飲み物だけの地域や、おつまみセットをくれる地域もありますね。)
プログラム
写真撮るのを忘れましたが、弁当には巻き寿司や三枚肉が入ってました。
さらにこんな小さな泡盛ボトルも入っていました。
豊年祭仕様
こんなことなら、もっとご祝儀を多くすれば良かった。ケチってごめんなさい・・・。
赤字にならないことを祈ります。
そうこうしているうちに、豊年祭が始まりました。
プログラムは、出演者全員による「道ジュネー」ではじまり、「総踊り」「長者の大主」が続きます。
- 道ジュネー
- 総踊り
特に「長者の大主」は、呼び名は違いはあれど、各地の豊年祭では必ずと言って良いほど冒頭で演じられます。
長者の大主
一般的には、120歳になる翁(大主)が、振袖を着た若衆姿の孫と黒紋付きを着た二才姿の眷属を従えて登場し、子孫繁栄や村の豊穣などを祝う口上を述べます。そして、孫達に踊らせ、大主も一さし舞って、一行を引き連れて退場します。
全国的にも翁系の芸能がありますが、琉球舞踊では老人老女が踊る「かぎやで風」がありますね。
閑話休題。あとは、女踊りや二才踊りなどが続きます。
川上独自の踊り「亀甲(カーミヌクー)」
- 「四つ竹」
- 「鶴亀」
「松竹梅」
それぞれ頭に松、竹、梅の笠を乗せていますが、松の葉はサボテンかと思うくらい巨大です。
客席では、受付で配られた弁当を食べたり、酒盛りしたり、おしゃべりを楽しみつつ、賑やかに舞台を見ています。
いよいよプログラムも終盤となり、「獅子舞い」の登場です。
ワクヤーと呼ばれる役の少年が獅子を誘い出します。
川上の獅子は、100年以上前に首里から移住してきた翁長良業という人が作ったとされ、戦時中米兵に持ち去られたそうです。
戦後に2代目の獅子が作られ、集落の守り神として大事にされてきました。
ワクヤーが置いていった玉に戯れる獅子
そして獅子は、舞台から降りてきて、集まった子どもに「カプッ」。
「ぎゃー」
子どもの悲鳴とともに獅子は退場していきました。
プログラムでは、先の獅子が「親獅子舞い」と書かれ、最後の演目に「子獅子舞い」と書かれています。
この子獅子が、今回のレポートの肝、「操り獅子」です。
「操り獅子」現る!
「操り獅子」は、沖縄県内で本部町伊豆味、今帰仁村謝名と名護市川上の3箇所のみに伝承されてます。糸操りの獅子舞は全国的にみても珍しいそうで、平成16年には国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」として選択されています(伊豆味と謝名の豊年祭は4年に1回で、今年はありません)。
舞台の準備も整って、幕が開きました。
案外小さくてカワイイ!
50㎝くらいの2頭の獅子が、舞台中央に吊り下げられた玉を中心に向かい合っています。獅子は歌三線と太鼓のリズムにあわせて、振り子のように上下左右に動きます。
どうやら、獅子1頭につき操作する人が1人いて、獅子の頭とお尻をそれぞれ一本の糸かワイヤーで吊って操っているようです。
玉の下はゴムでつないであります。
2匹は玉に飛びついて遊んでいるのかな。
獅子が動くたびに、滑車か何かなのか、「ガッシャン、ガッシャン」という大きい音がします。
気づくと、舞台袖からさっきの獅子がのぞいているではありませんか。
まるで、子どもを見守る親のようで、微笑ましいですね。
「頑張ってー」
子獅子が数分間ひたすら玉にじゃれついた後、幕が下りて豊年祭は終了しました。
時計を見ると22時前。この日ばかりは子どもの夜更かしOKな様子で、公民館の内外で遊んでいます。
出演者も観客も、地域の老若男女が楽しめる行事があるって素敵だなと思います。
沖縄本島地域の十五夜祭などはもう終わっていますが、まだ旧歴9月にも名護市などでは豊年祭があります。どこも力の入った芸能が披露されると思いますので、出かけられてみてはいかがでしょうか。
ゲストライター
- AYA
- プロフィール:生まれも育ちも沖縄本島。県民に多い苗字ベスト3入りする苗字だったのに、九州出身の旦那をもったばかりにイチイチ説明が面倒くさい苗字に。殺人事件が起こるドラマが好きでしゃべる機械キャラ萌え。