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大国林道には何があるのか
8月に入りすっかり沖縄は夏ですね。沖縄で夏といえばやはり海!だと思うんですが、僕は泳げないので毎年この季節になるとなんか損した気分になります。
さて、そんななか読者の方からメールを頂きました。
ネタ提供といいますか、記事希望ネタです。
ヤンバル地方の内陸、マップでみるといくつも道はあるようなんですが、実際入るとどのような土地なのでしょうか?
あるいはまったく何もない、ただの山道?なのでしょうか、入れるような所ではない??
横山探検隊のような探検ネタになるかなーと、希望をだしてみます、宜しくお願いします。(^^ゞ
貴田さんありがとうございます。
沖縄県北部では名護市を超えたあたりから西海岸を通る58号線と東海岸を通る道路が南北に通っており、内陸部分はほぼ山。あまり中の道を通ったことのある方はいないのではないでしょうか?
やんばるの内陸部ですが、国頭村与那から安田に向かう2号線を起点として、大宜味村大保まで続く「広域基幹林道大国線」、通称大国林道(おおくにりんどう)という道が通っています。1977年度に着手、1993年度に開通。全長は35.5kmで多分国頭村と大宜味村を結んでいるので「大国」なんだと思います。
それでは大国林道はどんな道で、何があるのでしょうか?早速行ってきました。
マングース防止扉を開けてスタート
大国林道の起点は国頭村側らしいのですが、とりあえず南側の大宜味村側から大国林道に入ってみます。
大宜味村の大保(たいほ)ダムを手前に曲がると…
入り口のゲートが見えてきます。
このゲートはマングース侵入防止のための扉。ここを開けると林道に入れるのですが、必ず通ったら閉めましょう。
さて、大国林道スタートです。道は割ときちんと舗装されていて車がすれ違えるくらいの幅はあります。
山道なので結構くねくねしています。
ちょっとした内地の山道みたいですが、日本最大のシダ植物であるヒカゲヘゴなんかが生えててこのあたりは沖縄っぽいなぁと思います。
- 崖崩れ
- 落石注意
ひたすら林道を進んで行くのですが、途中で斜面が崩れている場所があったり、落石注意の看板が結構あってドキドキします。ここまで誰にも会ってないのですが何かあったときJAFはここまで助けに来てくれるのでしょうか。
湧き水と絶景の橋
せっかくレポートなんでヤンバルクイナでも出てこないかなぁとか思いながら進んで行くのですが、出会うのはカラスとハトのみ。日中の暑い時間だったので、クイナも日陰でじっとしているのかもしれません。
と、はじめて車に出会いました。
水が湧き出ている場所があって、ここの水を汲んでいるのだそうです。
ここの水は甘いのだそうで、定期的に汲みに来ているのだとか。ちょっと飲んでみたところ、確かに甘いような気がしましたがシチュエーションが特殊なのでそれもあるかもしれません。
(2016/11/1追記:コメントで純粋に地下からの湧き水ではなく川の途中の水なので衛生面的によろしくないという情報を頂いたので追記しておきます。飲むときは皆さん自己責任で。)
しばらく行くと橋がふたつ。
- おおくにばし
- ながおばし
まぁ普通の橋なんですが、ここから見える景色が絶景なのです。
沖縄の森はもこもこした形状から「ブロッコリーの森」と呼ばれていますが、見渡す限りのブロッコリーの森を満喫できます。家も電柱もない、本当に見渡す限り森と山です。
さらに進むとまた水が湧き出てるスポットが。
こちらも水が汲めるように工夫されているみたいです。結構な水量がありました。
そのすぐ近くにコンクリートの結構モダンな建物があったのですが、何かの研究施設なんでしょうか。なんとなく中で殺人事件が起きた上に崖崩れで里に下りれなくなる的なロケーションだなと思いました。
与那覇岳の入り口とマングース捕獲隊
橋と湧き水スポットを超えてさらに林道を進んで行くのですが、ちょこちょこ車を見るようになりました。
マングースパトロールの車です。
道々に赤い布が結びつけられているのですが、これがマングースを捕らえるための罠の目印でやんばるに侵入したマングースを捕獲すべく、定期的に罠を巡回しているようです。大国林道だけでも4台くらい車を見ました。
そして、大国林道に入って初トイレを発見です。
ここは沖縄本島最高峰の与那覇岳の入り口。
きちんと案内板も整備されています。
こりゃノリで登ってみようかなと思いましたが、看板に「必ずガイドをつけましょう」と書かれていたのと遭難したら本気でヤバそうなのでまた改めて挑戦したいと思います。
ふれあい広場にふれあいがない
さらに進んで行きます。湧き水や橋などのスポットを除くと初心者にはほぼ同じ風景なのでだんだんどこを走っているのか分からなくなってきました。アウターゾーンなら確実にミザリーが出てきてます。
と、終盤になって「ふれあい広場」なる広場を発見。
…しかし当然人はおらず、広場にも何もなし。
大国林道開設の碑だけがありました。大田昌秀元沖縄県知事の名前が書いてあります。碑には大国林道の概要が書いてあるのですが総工費は45億9千万円だそうです。
ふれあい広場の何もなさにちょっとがっかりしつつ、しばらく進むとついに終点が。国頭村与那の2号線があらわれました。こちら側にはマングース防止扉などはなく、ぱっと見大国林道の入り口とは分からない普通のT字路みたいになっていました。大宜味村から入ってここまで大体2時間くらい。結構な長旅でした。
何もないけどそれがいい
というわけで以上大国林道を端から端まで通ってみた記事でございました。まぁ記事を見て頂けるとおりなかなか紹介できるものがなくて、割と同じような風景がずっと続く感じなんですが、沖縄でこれだけ山道を通るって経験もなかなかできないので興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
もうすこし、動植物に詳しかったらもっと楽しめるのかもしれません。また今度大国林道では何かやってみたいと思います。