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沖縄の水コレクション Vol.1
ウチナーワーラー、あれこれ
思い起こせば私が子どもの頃(三十ウン年前)は、水やお茶を自動販売機や店で "買う" なんて概念はありませんでした。
しかし時代の変化とともに、不思議なもので今ではあたりまえのように気軽に買うようになっています。
そうなると国内や海外の名水どころの水がブランドとして販売されるようになり、ここ沖縄でもさまざまな種類のご当地ウォーターを見かけるようになりました。鉱水そのままをペットボトルに詰めたものから、海洋深層水やEMが配合されたものまで。果たして味や風味に違いがあるのでしょうか。
収集系の新シリーズ『沖縄の水コレクション』としてご紹介していきたいと思います。
まずは第一弾として、6種類の水をラインアップしました。
pH値、硬度はラベルに表示があるものだけ記載しています。
pH、硬度の目安については以下の基準を参考にしてみてください。
<pH>
25 ℃の純水の場合ほぼpH = 7(中性)となる。
中性を境にpH < 7の場合を酸性、pH > 7の場合を塩基性(アルカリ性)と呼ぶ。
<硬度>*WHOによる分類
0~120mg/L 未満:軟水
120mg/L 以上:硬水
それではいってみましょう。
東村の天然水
名称:ナチュラルミネラルウォーター
原材料名:水(鉱水)
販売者:株式会社沖縄ポッカコーポレーション
採水地:沖縄県国頭郡東村字川田上福地
硬度:61mg/L(軟水)
特徴:収益の一部は、東村を通じ、国指定天然記念物「慶佐次のヒルギ林」の環境保全活動に役立てています。
自動販売機などでもよく見かける商品。緑色のさわやかなラベルが特徴で、水が綺麗な印象のやんばるは東村を前面に押し出しています。採水地の住所からすると、以前ダム探訪でご紹介した福地ダムの上流あたりでしょうか。
EM Water
品名:清涼飲料水
原材料名:微生物培養エキス(糖蜜、酵母エキス)
製造者:株式会社EM研究機構
販売者:株式会社EM生活
pH値:7.3
硬度:19.0mg/L(軟水)
特徴:EM・X GOLD 10ml配合
「EM WATER」は精製した水にEM・X GOLDを10ml配合したものです。 EM・X GOLDとは、EM(乳酸菌や酵母、光合成細菌など人にも環境にもやさしい微生物の集まり)が作りだした酵素を低分子化し、吸収しやすくした健康飲料です。
EMウェルネスリゾートコスタビスタ沖縄 ホテル&スパ(長い!)内、EMショップにて購入。原材料名の ”微生物培養エキス” というのが水らしからぬ印象で、なんとなく身体に良さそう。よく分からないけど。
なんじいのおいしい水
品名:ミネラルウォーター
原材料名:水(鉱水)
採水地:沖縄県豊見城市
販売者:合同会社 南笑事YMI
特徴:ハラール認証取得
南城市のイメージキャラクター、なんじいをフィーチャーした商品。お土産にも喜ばれそうなかわいらしいラベルデザインとなっています。特筆すべきはハラール認証取得していること。イスラム圏の旅行者も増えていることを考慮しての商品だと思いますが、ハラールって食事だけにとどまらず水にも関わってくるとは驚きです。そしてよく見ると、垣花樋川や仲村渠樋川などがあり名水どころとしても知られている南城市なのに採水地が豊見城市。突っ込まずにはいられません。なぜ!
ハイウェイウォーター 伊芸SA
名称:ボトルドウォーター
原材料名:水
販売者:沖縄道路サービス株式会社OC
ラベルの情報が少なく、採水地は不明。ボトルドウォーターとは、水道水、井戸水、湧水、ミネラルウォーター、蒸留水などの飲料水をプラスチックやガラス製の瓶に詰めた物のことだそう(WIkipediaより)。この水がどれにあたるかは分かりませんが、伊芸SAがある金武町といえば昔から名水どころとして有名。水道水も美味しいのでしょうか。
瀬長島ホテル
品名:ミネラルウォーター
原材料名:水(鉱水)
採水地:沖縄県豊見城市
販売者:琉球温泉瀬長島ホテル
pH値:約7(中性)
硬度:4.73mg/L(軟水)
琉球温泉瀬長島ホテルのオリジナル商品。シンプルなラベルが印象的。有効成分が含まれているかどうかは分かりませんが、温泉地なだけになんとなく身体に良い成分が含まれていそうです。
Terrace Select Water(オリオンアクアビート)
品名:清涼飲料水
原材料名:水、海洋深層水
販売者:ザ・テラスホテルズ株式会社IAS
発売元:オリオンビール株式会社
pH値:7.5
硬度:36.4mg/L(軟水)
特徴:海洋深層水配合
県内に6つのホテルなどを展開するザ・テラスホテルグループのオリジナル商品。ラベルから高級感がこれでもかと溢れ出しています。ラベルでは主張していませんが、さり気なく海洋深層水が配合されています。発売元がオリオンビールとなっており、ラベルの商品名をよく見ると『アクアビート』と書いてありました。なかみが同じならば、採水地は水が沖縄本島北部国頭村、海洋深層水が沖縄本島糸満沖のようです。
飲み比べてみよう
鉱水、清涼飲料水、ボトルドウォーター。水は水でも、内容によって表記にこれだけの種類があることを初めて知りました。
参照)一般社団法人 全国清涼飲料工業会ウェブサイト
ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン
なかなかこれだけの水を一気に開封することもないので飲み比べてみることにしました。
食のプロでもなんでもない、単なる私個人の感想なのであくまでもご参考程度に。
ちなみに、すべて常温の状態でペットボトル開封直後にテイスティングしています。
・東村の天然水
口当たりがやわらかくまろやか。取り立てて特徴は無く、ごくごく飲める美味しい水。
【飲みやすさ ★★★★★】
・EM WATER
東村の天然水同様、口当たりがやわらかくまろやかでくせのない味。
EMが入っていることによる特に変わった風味等は感じない。
【飲みやすさ ★★★★★】
・なんじいのおいしい水
飲みやすいが、後口に若干の甘み?が残る気がする。雨が降りだしたときのような湿った土の印象。
【飲みやすさ ★★★★☆】
・ハイウェイウォーター 伊芸SA
これまでの3つとはあきらかに味が違う、若干くせのある風味。
ラベルの硬度表示は高くないが、ほんのり口の中が鉄臭いような感じが残る。
【飲みやすさ ★★☆☆☆】
・瀬長島ホテル
まろやかで飲みやすいけど、ほんのり鉱物っぽい風味?を感じる。
【飲みやすさ ★★★★☆】
・Terrace Select Water
ハイウェイウォーターほどでは無いものの、その他の水よりほんのわずかに硬度が高く感じる。
後口にほんのりとした渋みが残る。
【飲みやすさ ★★★★☆】
・・・違いが分かりやすいよう白背景にしてグラスに注いでみましたが、どれも無色透明なので写真がぜんぶ同じに見えますね。
まとめ
同じ軟水という分類でも、硬度は4.73mg/L〜61mg/Lまでとかなり数値に開きがありました。
飲み始めはしょせんどれも水だし味に違いなんて無いのでは・・・と思いましたが、こうして飲み比べてみるとなんとなく鉱物っぽい風味がしたり、後口にほんのり苦味が残ったりとけっこう違いがあることが分かりました。
購入時期がバラバラなので経日変化による違いも多少あるかもしれませんが、自分好みのウチナーワーラーを見つける参考にしていただければ幸いです。
またいくつか特徴的な水が集まったら第二弾としてご紹介したいと思います。
いつかペットボトルだけでなく、各市町村の水道水の飲み比べもしてみたいものです。
集めるのがめちゃくちゃ大変そうですが!