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金武のチーイリチャーを食べ比べてみる
チーイリチャーとはなんぞや
チーイリチーもしくはチーイリチャーと呼ばれる料理をご存知でしょうか。
チーとは血、イリチー(イリチャー)はだし汁を使って素材を炒め煮にした料理のこと。つまりチーイリチー(チーイリチャー)とは「血の炒め煮」。
中部農連市場で売られていた豚(ウヮー)の血
しかし昔からある料理なものの、そもそも知らない、または料理名は知っているけど食べたことがない、という沖縄の人も多いのがこの料理。他の沖縄料理に比べて知名度が低い理由のひとつが「血の料理ってなんだか生々しすぎるから」というもの。
わかる。わかりすぎます。だって血ですもんね。
でもね、これが美味しいのですよ。わたしは今年の初めに食べて感動してからすでに5〜6回ぐらい食べてます。月1ペースですね。それもわざわざ金武町まで行って。
さぁみなさんも、めくるめく血の世界へ!
チーイリチャーは金武の名物
ひとことに血といっても本島南部では山羊の血、中北部では豚の血を使って料理をします。戦前では県内各地で食べられていた料理だそうですが、今ではこの血の料理がもっとも食べられているのは金武町だそうです。
ちなみに金武では豚の血を使い「チーイリチャー」という名称で呼びます。
なぜ金武では今でも食べられているのか?その魅力は?
などはとても長くなるので金武町公式観光情報visitkintownの「恐れるべからず!金武でチーイリチャー(豚の血炒め)にチャレンジすべき3つの理由」をご覧ください。わたしが書いた記事なんですが。
ということで、金武の名物料理チーイリチャーを買い集めて食べ比べてみました。
金武でチーイリチャーを買い集めた
久松食堂
まずは金武でチーイリチャーと言ったら「久松食堂」。
40年以上前からチーイリチャーを提供する老舗で、多くのメディアに取り上げられています。6時間以上煮込んで作るチーイリチャーは県外や海外にまでファンがいるとか。
チーイリチャーだけでなく、おかずやみそ汁などの沖縄らしいメニューもあります。
持ち帰りはご飯付きで700円。ご飯なしなら600円。
持ち帰ったチーイリチャーを冷凍保存することも可能。その場合はレンジで温めずお鍋に少量の油を加えて加熱してほしいそう。
ご飯付き700円
ちなみにお店で食べると沖縄そばも付いてきてボリューム満点なのです。
お店には酢やスパイスなどが置いてあってそれを入れてみると味が変わって面白い
菜菜
続いては「菜菜(さいさい)」。
バイキング弁当とチーイリチャーを売るお弁当屋さんです。同じく金武町に「じんじん」という居酒屋さんがあり、その姉妹店。
入り口にもチーイリチャー有りますの文字
バイキング弁当は店内に並べられたお惣菜からお弁当箱に入れるスタイルですが、チーイリチャーはお店の人によそってもらいます。バイキング弁当にチーイリチャーを入れてもらうことも可能だそう。
お弁当は300円から。チーイリチャーは小が450円、大は550円。
刻んだ生ニンニクは自分で好きなだけ入れられます。
チーイリチャー弁当(小)で450円
めーかちわったーまちSHOP
金武でチーイリチャーを食べようと思ったら、もっともハードルが高いのが「めーかちわったーまちSHOP」。不定休でいつも開いているわけではない上、チーイリチャーのオーダーは予約が必要。しかし、それにもかかわらず那覇からの常連さんがいたりと、評判が高いのです。
シャッターが半分閉まっているのがお店の開いているサイン
店内は近所のおばさんたちの憩いの場となっています。
ここで食べることもできるそうですが、一度座ると帰らせてもらえなそう。
お値段はご飯付きで500円。
他のお店との違いはあるんですか?と伺うと「お肉しか入っていないところかな」と言われました。
屋台村
いしじゃゆんたく市場の前にあるお弁当屋さん。
残念ながらめーかちわったーまちSHOPの開店と合わせたら、こちらの定休日だったため今回は買えませんでした。
他のお店が日曜日が定休日の中、ここは日曜日も営業しているのでゆんたく市場に行ったらぜひ買ってみてください。
以前通った時に撮った写真
以前通った時に撮った写真
大金知花
こちらはもう閉店してしまったのですが、以前までチーイリチャー弁当があったそう。
すごいディープで素敵なお店だったらしいので、行ってみたかったなぁという悔しい思いも込めて。
食べ比べよう
ということで買い集めたチーイリチャーです。
往復3時間。時間がかかったわりに3つです。
左がめーかち、右上が菜菜、右下が久松食堂
お弁当3つなのに色が少なくてすごいですね。
もっともボリュームがあるのは700円だった久松食堂。
菜菜とめーかちわったーまちSHOPは同じぐらいです。
では食べるぞ。
久松食堂
美味しい。やっぱり美味しい。
久松食堂のチーイリチャーはキャベツやニンジンなどの野菜と一緒にお肉が炒めてあり、炒め物と汁物の間ぐらい。だいぶ炒め物よりですが。なのでカレーを食べている感覚。味はだいぶ濃いですが。生のニンニクがアクセントとなりいくらでも食べられます。
ちなみにニンニクだから匂いがすごいと思われそうですが、友人曰く「久松は臭わない」そう。
菜菜
一緒に食べ比べしたDEEスポンサーTELEFORGEのPさん
うん?という顔をしているのは美味しくないからではありません。こんな顔になるほど久松食堂とは味が全然違ったのです。
こちらは炒め物という感じ。がっつり肉肉しいですが油っぽくはないので、女性よりは男性の方が好む人が多そう。
こちらも臭みはいっさいありません。
めーかちわったーまちSHOP
あ、これも美味しい。お店の人が肉しか入っていないと言っていたとおり肉。赤身だけでなく脂身も入っているので、しっとり感は久松と菜菜の間ぐらい。お肉の形はしっかり残っているので、肉を食べている感があります。まぁ肉しか入っていないんですが。
まとめ
好みにもよると思いますが、私が好きな順は
久松食堂→めーかち→菜菜でした。
久松食堂はクセは少なく旨味は多く、誰が食べても美味しい料理だと思います。
お皿に移して全部のせ
チーイリチャーという名前も真っ黒な見た目もハードルが高い料理ですが、本当に美味しいので、まだ食べたことがない人はまずは久松食堂を食べてから他のチーイリチャーを食べてみるというのが良さそうですよ。でももっとも手軽なのは他の料理と一緒に詰められるお弁当の菜菜なので、慎重な方は菜菜からでも!
あと聞いた話では、チーイリチャーは金武町のおまつりでも出されるらしいのですが地区ごとに味や作り方が違ったり、味付け当番が決まっていたりと地域に根付いたこだわりの料理のようです。
どんな風に作られるかをイチから見て見たいし、豚と山羊の血が変わる境界線も調べたいし、またちょくちょく調べて発表させていただきたいと思っています。
わたしたちは、まだまだチーイリチャーの迷宮に入り込んだばかり。まだまだ先は長そうです。