2016.04.06

沖縄の地鎮祭には沖縄らしさがあるのか?

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地鎮祭に参加する機会があったので、内地の地鎮祭と違うところがあるのか見てきました

みなさん、おうち建ててますかー?
家を建てる際に行う地鎮祭。沖縄の地鎮祭には独自性があるのでしょうか?地鎮祭を見る機会があったのでレポートします。

地鎮祭というのは土地の神様に家を建てることを報告し、土地を清め工事の無事進行、竣工と永遠の加護を祈願する儀式。通常は地盤工事(ない場合もある)の後に行われます。

家を建てる手順はこちらの記事を参考にしてください。
お菓子で古民家を作ろうwith建築事務所

会場です。
すでにセッティングされていますが、祭場にはどんなものが飾られているのでしょうか。

八脚台と呼ばれる木の台の上にいくつかお供え物があります。
これは施主の方が用意したものを、神主さんが並べるのが一般的なよう。

中央にはお米とお酒が置かれます。
これは日本は農耕民族なので主食のお米、そしてお米から造られるお酒を中央に配置することになっているそうです。
お米もお酒も銘柄は特に指定はありませんが、沖縄なのでお酒はやはり泡盛が多いそう。仕事の繋がりでワインをお供えする人もいて、それでも良いんだとか。

ここまでの沖縄らしさ:★★☆☆☆(お供え物が泡盛。それ以外は本土と同じようです。)

その他のお供え物は、山のもの、海のもの、野のものを置きます。


山のもの:キャベツ、きゅうり、にんじん、大根、ナス


海のもの:鰹節(男節、女節)、スルメ


野のもの:バナナ、りんご、みかん

そして沖縄は海に囲まれているので、もう一押し海のものを置くそうです。


マースと水

山のものにゴーヤー、野のものにマンゴーなどをお供えしても良いそうです。農家の方は自分のところの野菜を飾るとか、うみんちゅは魚を飾るとかでもいいそうです。
お供え物は神様が降りる中央に対して実をつけるように、頭が上になるように並べる決まりがあるよう。

ここまでの沖縄らしさ:★★☆☆☆(お供え物が少し沖縄っぽいけど、それ以外は本土と同じようです。)

そして祭場中央の神様が降りる木はガジュマルで作られていました。


これは沖縄っぽい!

ここまでの沖縄らしさ:★★★☆☆(ガジュマル!)

ちなみに後ろの幕が青白の場所は神様の場所なので、式が始まったら許可なく立ち入りは禁止だそうです。

祭祀のようす

地鎮祭が行われたのは大安の干潮直後でした。内地では午前中に行われることが多いようですが、沖縄は時間ではなく潮で決めるようです。

式次第。漢字が多くてこれを見ただけでは何をするのかはわかりませんが。

わかる範囲、覚えている範囲でざっくりと順を追っていってみましょう。

まずは神主さんによって場を清めたり、神様を降ろしたり、どんな人が家を建てるのかを神様に報告したりが行われます。
神様は、産土(うぶすな)大神:生まれた土地の守護神と大地主神(おおとこぬしのかみ)田畑をつかさどる神様、今回は波上宮にお願いしているので波上宮の神様、そして家・建物の神様である屋船二柱(やふねふたはしら)の大神が呼ばれるそうです。


神様が降りてきていると思うと、なんだか緊張しました

土地の中央と四隅にマースとお神酒を撒き、祓い清められます。

施主・設計者・施工者にて土に鍬入れ。
これが土地に手を入れることになり、工事のはじまりになるんだとか。

工事を請け負う業者の方に、清められたステッカー?が渡されました。
工事中はヘルメットに貼っておけばいいそうです。

神主、施主、関係者の順に玉串奉奠の拝礼。

そして神様が帰られます。

これで終わりかと思いきや、最後に先ほど神様に捧げたお神酒をみんなでいただきます。
これで式の終わりなんだとか。

祭祀の後で神主さんに伺ったところ、祭祀の方法は全国でほとんど一緒で、施主さんの希望や神式、仏式などで違いはあるものの、地域差というのはほとんど出ないそうです。

ここまでの沖縄らしさ:★☆☆☆☆(祭祀で沖縄らしさは特にないのか!)

沖縄の地鎮祭

ということで沖縄の地鎮祭らしさの最終結果です。

沖縄らしさ:★☆☆☆☆

星1つ!
地鎮祭は特に沖縄らしいところはないんですね。

今回は波上宮さんが執り行った地鎮祭でしたが、神主さんによると神式、仏式だけでなくキリスト教式でも地鎮祭はできるそう。沖縄ではユタに頼む場合もあるとか。ユタの場合はもっと沖縄らしさ満載なのかもしれませんね。
どの場合でも施主が宗派を信仰している必要はないそうです。

正直地鎮祭を見る前は、信仰する宗教がなければ地鎮祭はしなくてもいいもの?と思っていた信仰心の薄いわたしですが、今回地鎮祭を行った施主のAさんは、地鎮祭が終わった後の挨拶でお礼と共に「これで関係者のみなさんが工事を安全に行っていただける安心につながれば」と言っていました。ちゃんとこういう儀式を行うことで、神様への報告だけでなく、工事関係者の安全祈願をしたい、安心して仕事をしてもらいたい、その施主の願いからも地鎮祭は行われるものかもしれませんね。

安全に工事が終わり、無事に上等なおうちが建ちますように!
以上、現場からでした。

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