2016.01.13

沖縄の伝統凧を作って揚げてみる

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沖縄にはちょっと変わった細工の凧がある。正月なので作って揚げてみよう。

あけましておめでとうございます。今年もDEEokinawaをよろしくお願い致します。

さて、2016年の特集記事1本目は沖縄の伝統凧を作って揚げてみようという記事です。

沖縄の凧と聞いても、あまりイメージが湧かないかも。本島ではあまり凧揚げをしないよう(最近はスポーツカイトとかですかね)ですが、宮古島や石垣島では、正月の凧揚げはまだ人気のようです。揚げるのは昔ながらの伝統凧。
宮古島で凧のことはカドゥトゥといい、紙の鳥という意味だそうです。他には「マッタクー(真の凧)」、「ピギター」、「ルッカクー(六角)」、「ハッカクー(八角)」、「カーブヤー」、「せみ凧」、「シャクシメーフータン」などなど、数多くの伝統凧があります。

3年前の正月にも、たろうがおきなわワールドで凧作りに挑戦したのですが、その時に作ったのは比較的簡単なカーブヤー。


年始のおきなわワールドで凧をつくる

 

ということで、正月っぽく沖縄の伝統凧作りに挑戦です。今回はハッカクーとシャクシメー(フータン)を作ってみます。

 

細工凧を揚げるための凧を作る

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竹ひご
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障子紙

まずはハッカクー作りから。ハッカクーとはそのままの意味で八角形の凧。正方形の骨組みを2つ組み合わせて八角形にします。
使う材料は、竹ひごと障子紙(和紙でも)。つなぎ合わせるのに糸か針金。紙を貼る糊。

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ふたつの正方形の骨組み作り組み合わせます。つなぎ合わせる部分は糸か針金で。今回は作業しやすいよう針金で巻いてます。

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順番間違えて中心の骨組み
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2つの正方形を重ねて中心に骨組み

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さらに骨組みを追加してハッカクーの骨組みは完成。とても簡単です。

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障子紙を骨組みに巻き込めるくらいの大きさで切ります。糊で貼って終了。

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着色。角をこんな感じの模様にするのが一般的らしい。真ん中は日の丸、もしくはDEEマークで。
呼び名は違いますがハッカクーは、愛知や静岡、神奈川などでも見られるそうです。
裏に反り糸を張り、数カ所に糸目糸を通して完成。

 

ベースと細工を作る

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割り竹。ホームセンターで500円くらいで売っている

ここからはシャクシメー作り。シャクシメーは蝶の形をした伝統凧。シャクシメーは単体では揚がらない細工凧で、先に揚げた凧の凧糸にセットして、糸をつたって風で揚がっていく凧です。
作り方は人それぞれで正解はありませんが、基本の仕掛けはほぼ同じです。ベース部分は竹を切り出して作ります。

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面倒な方はホームセンターでカットしてもらいましょう
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長さはだいたい4、50cmくらいに
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スッと曲がり始めます。燃えないよう注意
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竹ひごも曲げます

竹を曲げます。ロウソクの火を使ってゆっくり曲げていきます。火に当てすぎないよう注意。焦げるともろくなってしまいます。

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竹を切り出し、曲げて作った部品。一番上は前後に可動してロックを外すもの。その下は蝶の羽根を広げた状態にするゴムを付けるもの。その下はベース。右は蝶の羽とベースを繋ぐ部分。

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針金で作った糸通し
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わりと重要な部品。羽根の開閉に必要

針金で、シャクシメーを揚げる糸通しを作ります。丸い棒にグルグル巻いて引き抜くだけ。もうひとつは「さるかん」的な部品。安全ピンでも代用可。なければ針金で作れます。

 

羽根を作る

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続いてシャクシメーの羽根を作ります。前翅(ぜんし・まえばね)と後翅(こうし・うしろばね)を対で4枚作ります。
竹ひごをろうそくで曲げていきます。ホームセンターで売られている900mmの竹ひごがいい感じの大きさ。

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こんな感じで曲げます。羽根の基部になる部分で針金を使って止めます。竹の裏表に注意。皮側が外になります。

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前翅
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後翅

前翅は大きいので比較的簡単に曲げることができますが、後翅は径が小さいので折れないよう注意が必要。とは言っても、竹ひごはそう簡単に折れないので、ゆっくりやれば大丈夫だと思います。

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羽根の骨組みが完成。左右同じように曲げるのは難しいです。

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筒状の棒ならなんでも大丈夫
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うめーし。羽根の芯になります

次は可動部を作ります。シャクシメーは羽根が開閉するので、基部に筒状のものを取り付けます。
全部竹で作りたかったので竹筒がいいのですが、売ってなかったので、中が空洞のプラスチックの棒で代用。壊れた猫用おもちゃの棒です。ストローでも代用できると思います。

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筒を羽根の基部に。テープで固定しました。

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芯部も竹を切り出して作るのですが、いい竹が無かったので、余っているうめーしを細く切り出しました。3本のうめーしを使っていて、両端は羽根の開閉部用。真ん中はベースと固定する芯になります。

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これで全てのシャクシメーの部品が完成です。そう、シャクシメーは分解できる凧なんです。

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あとは着色。沖縄の蝶といえばオオゴマダラでしょうか。

 

説明が難しいシャクシメーの仕組み

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揚がっている凧の糸を、針金で作ったシャクシメーの糸通しに通します。

・風を受けてシャクシメーは上まで揚がっていきます。
・上の凧にぶつかると、ストッパーになっているU字の竹ひごが押されて、先端がベースから抜けます。
・抜けると同時に、針金で作ったさるかんが外れます。
・外れると羽根が閉じて下まで降りてきます。

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蝶の羽は、ゴムで後ろへ引っ張られています。それを糸で開いています。ロックが外れるとゴムの力で羽根が閉じる仕掛けです。

 

揚げてみた

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まず最初に言っておきますが、ハッカクーがうまく揚がりませんでした。強風すぎてどうにもなりませんでした。
なので木に当てて固定しています。強風でうまく引っかかってます。

ハッカクーを揚げた糸に、シャクシメーを通します。

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ゆっくりと揚がっていきます。

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ハッカクーの結び目までいくと

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ストッパーが外れて羽根が閉じ

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下まで降りてきます。
再び揚げたいときは、羽根を開いて固定すれば揚がっていきます。

 

改良の余地あり

何十メートルと揚がった凧に向かっていく姿を見るのは楽しいでしょうね。残念ながら今回は2メートルほどでしたが、それでも戻ってきた時は嬉しかったです。

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DEE商店で売ろうと思ってたのに落ちて折れた

その後、強風で凧がクルクルと回りながら落下。無残な姿になってしまいました。初号機は重量オーバーのようで、改良の余地があります。なるべく羽根を大きくして、かつ軽量にした方がよく揚がるのではないでしょうか。

羽根が閉じた時のうれしさはなかなかのものですよ。来年の正月の凧揚げは、既成品を購入するのではなく伝統凧を作ってみてはいかがでしょうか。

ということで、本年もよろしくお願い致します。

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