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【100年寒波】寒波で魚は海岸にあがるのか
1週間にわたりお届けしてきた100年寒波ネタ。最後は宮古島より93(クミ)がお届けします。
1/25(月)沖縄本島で雪は見られるのか?
1/26(火)沖縄の雪の地を訪ねる
1/27(水)寒い日の動物たちはどうしているのか
1/28(木)島バナナで釘を打つ
1/29(金)寒波で魚は海岸にあがるのか←イマココ
24日から25日にかけて、強い冬型の気圧配置と強い寒気の影響で厳しい冷え込みとなった沖縄。沖縄本島より南西に位置する宮古島も、その寒さの影響を受け、24日の最低気温は平良で7.4度を記録しました。
私は今年で宮古島生活13年になりますが、こんな寒さを島で経験したことがありません。寒くなっても10度を下回ることはなかったと思います。
そして宮古島では毎年、冬の一番冷え込む時期になると魚が仮死状態になって浜に打ち上げられるというのがニュースになります。なぜ宮古島なのか理由はわかりませんが、ニュースではいつも宮古島の映像が流れます。
今回の寒波でも海では急激な水温低下が起き、仮死状態になった魚が海岸に打ち上がるはず!ということで海へ行ってみることにしました。
魚を求めて伊良部島、下地島へ
取材の前日、どこの海へ行こうかと悩んでいた時、伊良部島の知人から以前寒くなった時に「佐和田の浜」にいっぱい魚が打ち上がっていたことがあるよ!との情報を教えてもらい、干潮の時間に合わせて伊良部島へと向かいました。
伊良部大橋へと向かう途中、どこからともなく飛んできていたヘルメット
とにかく風が強くて道には色んなものが転がっていました。
伊良部大橋からの景色。曇っているし波も高いし、雨も時々降っていました
この日は大阪から友人が遊びに来ており、観光も兼ねていたので、せっかくだからと伊良部大橋の一番高い所で降りてみることにしました。
しかし、風が強すぎてドアが開かない!両手でものすごく押してやっと出られました。
あまりの風の強さに、背中を押されます。試しに追い風に身を任せると、もたれ掛かることができました。それぐらい風が強い。
そして目的地の佐和田の浜へと到着。
念のために気温を確認してみると
9度!10度無いなんて!こんなの島で初めて!!
こんな日に打ち上がった魚を探すなんて地獄以外のなにものでもありません。
しかし探さねば。気を取り直して海へ。
雨は降っていないものの、寒くて寒くて魚どころではありません
探してみたものの、この日のこの時間に佐和田の浜では魚は打ち上がっていませんでした。
嘘だろ...
宮古島へと移動
伊良部島では魚を見つけることができなかったので、宮古島の海岸へと移動することにしました。
やって来たのは与那覇前浜の海岸。寒くて寒くてこれ以上、他の海へ行く元気がなかったので意地でも見つけるべくバケツを持って出陣!(もちろん獲って食べるため)
びえーーーー!!!
冷たい冷たい北風が正面からモロに当たります。風と共に砂も舞うので口の中が砂だらけになります。今すぐ帰りたいと思いました。
けど探さないと。
しばらく歩いていると、んん?
この小さいのはもしかして・・・
いたーーーーー!!!
仮死状態で魚が打ち上がっていました。
この後も続々と打ち上がった魚を発見。
色あざかやな南国っぽい熱帯魚
小さく丸まったなまこちゃん
10cmあるか無いかのサイズの魚が多かったです。
中にはこんなのも
海ヘビかと思ったらウツボでした。
ウツボも仮死状態でたくさん打ち上がっていました。
1時間ほど探した結果
大漁です!
この中から食べられそうな数匹を持ち帰り、小さすぎる魚や食べられそうにないのはリリースしました。
次の日はサニツ浜へ
翌日も寒波が続いていたので、今度は遠浅のとても広い浜のサニツ浜で探す事にしました。
何か居そうな予感
ちなみに気温は前日よりも4度上がり、この時点でも12度ありました。12度でも宮古島では十分寒いうちに入るのに前日が寒すぎてそんなに寒く感じませんでした。
しばらく歩くと・・・
おお!
浮いているではありませんか!
あっちにも。
こっちにも。
カニさんまで。
12度まで上がったとはいえ、魚達にとって過酷な状況だった事に違いはなかったようです。
そしてこの日も厳選した魚を持ち帰る事にしました。
食べられるかの確認を
拾ってきたものの本当に食べることができるのか、私はあまり詳しくわからないのでプロに聞いてみることにしました。
やって来たのは知人が経営している仲間さしみ店。さしみ屋さんですが、野菜やちょっとした食品なども売っている小さな集落にあるお店です。
店主の安岡さんに確認してもらうと。
ミーバイにハタ、アイゴだねーこれは。フライにして食べたら美味しいよ~と調理法まで教えてくれました。
ありがとう安岡さん!しかし2人とも南国に住んでいる人とは思えない格好。
ありがたく命をいただきます
家に持ち帰った魚を調理します。今回食べることにしたのは以下の魚たち。
カニとエビはみそ汁にして、ヒラメはバター焼きに、ハタとタマン(白身魚)はフライにすることに。
出来上がりました!
白身魚のフライ
ヒラメのバター焼き
カニとエビのみそ汁
拾った魚でなかなかの充実したメニューになりました。
早速食べてみましょう!
カニの身は甘くてふわふわ。エビもとってもプリプリしていました。お汁にしっかりと旨みが出て、とても味わい深いみそ汁になりました。ヒラメのバター焼きも白身魚のフライもとても香ばしくて身もふわふわ。小骨が歯ぐきに刺さったりしましたが、どれも美味しくて大満足の夕食になりました。
まとめ
海に魚を拾いに行った時は寒くてどうなる事かと思いました。
伊良部に行った時は魚が浮いてなくてどうしよう・・・と思ったけど宮古島の海岸にはたくさんの魚が打ち上がっており、結果的には美味しく食べる事ができて、とても充実した寒波の2日間を過ごすことができました。
ちょうどこの2日間に渡り、大阪から遊びに来ていた友人と取材に出かけましたが彼女はコートを着ずトレーナーだけで海へ行っていました。寒くないの?と聞いたら大阪にくらべたら全然マシやで~とのこと。嘘やん。
もう南国の気候にすっかり慣れてしまった私は上下にヒートテックを着用し、マフラーと手袋代わりの軍手も使用。下はタイツと靴下とレッグウォーマーまで履いて、カイロを持っていても寒くて寒くて泣きそうでした。
あまり青い海を見せることができなかったので申し訳ないなーと思っていましたが、魚が仮死状態になって拾えて食べられるなんて経験したことないから、めちゃくちゃ楽しかった!と言って帰って行きました。よかった。
夏とは違い、寒くてシュノーケリングなどを楽しむには厳しい時期ですが、宮古島の新たな海のレジャーとして「寒波の日の魚拾い」を流行らせるのも良いかもしれません。