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2015年でなくなってしまうもの、なくなってしまったもの
2015年の特集更新も本日で終わり。一年の締めくくりとして、毎年恒例となっている2015年でなくなってしまったもの、なくなってしまうものをまとめてみました。
いつもそこにあったものが無くなってしまうと僕らはすぐにそこに何があったのか忘れてしまいます。このお店・施設は確かにここにあったんだということを記事としてまとめるとともに、皆さんも記憶の隅に留めていただければ幸いです。
奥武山公園のバンヤンタウン
国道58号線の奥武山公園のところにあった巨大ながじゅまるの木の上にお店があった施設バンヤンタウン。
空港から那覇市内に出るまでの道沿いにあるので、「沖縄の木って大きい!」とびっくりする観光客もいたとかいないとか。
取り壊した後に新たな工事が進んでいます。
跡地には医療施設ができるとか聞いたことはありますが、どうなるのでしょうか。
新装オープンを待ちましょう。
マンガ喫茶ベジータ
沖縄市にあるマンガ喫茶「ベジータ」。色々ツッコみたいとこでしたが、ここまで堂々としていると何も言えなくなってしまう、そんなお店でした。
お店に貼られたお知らせによれば、閉店は10月31日。ちなみに正式名称は「マンガ帝国ベジータ」だそうです。
上の写真は2012年2月の写真ですが、やはり店名はベジータだし看板もベジータ。いったい何がこの店をベジータに駆り立てたのでしょうか。
- 店内もベジータ
- トースト。パンとサラダのみ。
一度だけ店内にも入ったことがあるのですが、中は古き良きマンガ喫茶の態。特に新刊が充実してるわけではありませんでしたが、(たしか)時間制限もなくだらだらマンガを読んでいるお客さんがいました。料理は食券制で、トーストを頼んだら上の写真のようなものが出てきてちょっとびっくりした記憶があります。
ネットカフェみたいに小綺麗ではない昔ながらのマンガ喫茶はどんどん無くなってきている気がします。来年はちょこちょここういったお店にも足を運べれば。
港町食堂
(たぶん)2013年に沖縄の洋食レストランに彗星のごとく鮮烈なデビューをした港町食堂。リーズナブルなお値段でおいしい洋食が食べられることと、ちょっと変わった店内で瞬く間に人気食堂になりました。
そんな港町食堂ですが、12月20日にまさかの閉店。北谷に2号店がありましたが、そちらは既に閉店してしまったようです。
12月なかばの店内。11時のオープン直後の様子なので人が居ませんが、開店30分もすれば長蛇の列ができて、限定メニューは売り切れになるという盛況っぷり。
みんなめちゃめちゃ忙しそうなのでちらっとしか話を聞けませんでしたが、とりあえずどこかに移転というわけでもなく、何かしら事情があるようです(近くの駐車場のおじさんは建物が立ち退きなんじゃないかと言っていた)。事情はともあれ、あの絶品の洋食がもう食べられないと思うと寂しい限りです。
建物の入り口には「おいしい洋食をありがとう」という花が。お疲れ様でした。
株式会社プリマのビル
「酒のアルテック」を運営していた株式会社プリマ。アルテックは沖縄県各地に店舗がありましたが、2014年6月で民事再生法申請を申し入れました。西原町にあるビルには「酒のアルテック」だけでなく、「婦人服のプリマ」「雑貨のプリマ」「レストランのボンヌ・シャンス」がありました。
既にないホームページによれば創業は1974年7月15日。初代社長さんと次代社長さんの入籍の日なんだそうです。
西原のプリマビルは2015年に建物の塗り替えが行われて、いつの間にか「貸」の文字が。「酒のアルテック」自体は経営が変わって存続するようですが、このビルのアルテックによく泡盛ネタで買い物に行ったので、漠然とした寂しさを感じます。
ちなみにレストランの「ボンヌ・シャンス」には「沖縄一美味しいかもしれないフレンチトースト」というメニューが載っていて、無くなる前に食べなかったことを後悔しています。
きょんたろう食堂
こちらは那覇市曙にある「きょんたろう食堂」。
- 閉店のお知らせ
- 30日は売り切れ次第営業終了の模様
32年の歴史を誇る老舗食堂で、がっつり系のメニューは多くの人に愛されていました。しかし、建物の建て替えのため2015年12月30日で閉店ということです。
閉店一週間前に行ってみましたが、相変わらずの盛況っぷり。
こちらはカツ丼(550円)。カツをタマネギ、ニンジンと煮込んで卵でとじた一般的な沖縄カツ丼です。リーズナブルなお値段でがっつりと食べる事ができます。
カウンターでは常連さんがお店の人に「ホントにお店なくなっちゃうの?」「お弁当だけでいいから(きょんたろう食堂はお弁当も販売している)僕のために作ってよ。毎日買いに来るからさ」とか冗談めいて話しており、長年多くのお客さんに愛された食堂なんだなぁ、としみじみした気分になりました。32年間おつかれさまでした。
照喜名商店
今年1月に道路拡張工事のため閉店してしまった照喜名商店。
特集記事『照喜名商店 閉店の集いに行ってきた』にて最終日の様子をご紹介しました。
現在の様子。お店があった場所はすっかり更地になっていますが、向かって右側のお店のシンボルである樹齢100年のガジュマルの木は店主ヨシ子さんの息子さんが言っていたとおり残されていました。敷地内にあと2本あった大きなガジュマルの木は伐採されてしまったようです。移植の話もあったようですが、木キジムナーの住処として木が天寿を全うするまでこのまま残っていてくれると嬉しいですね。
古島団地
那覇市古島、国道330号線沿いにあった古島団地。
以前の記事『【建物探訪】古島団地』で在りし日の姿をご紹介しましたが、ついに建物が取り壊され更地になってしまいました。
古島駅側から。ぐるりと敷地が柵で囲われて立ち入り禁止になっていました。
こうして上から見てみるとかなり広大な敷地だったことがわかります。モノレール古島駅まですぐ、新都心にもほど近い好立地。今後どんな建物が建つのでしょうか。国道側から見える風景もがらっと変わりそうですね。
琉球新報泉崎ビル
つい先日、半世紀にわたる歴史に幕を閉じた琉球新報泉崎ビル。
『ありがとうさようなら琉球新報泉崎ビル』にて最終日の様子をレポートしました。
そして現在の様子。まだ建物のかたちはそのまま残っていますが、ビルの周りに足場が組まれ、すでに解体作業に入っていることが分かります。
新しいビルが建つのは2017年秋。地上10階と現在の建物の1.5倍以上の高さになるのでまだ想像もつきませんが、完成を楽しみにしたいと思います。
ありがとう、さようなら
というわけで2015年になくなったもの、なくなってしまうものをまとめて見た本日の記事、なんだかしっとりしてしまいましたが、いかがだったでしょうか?
上記でご紹介した以外にも、那覇市港町にある「かんぽの宿 那覇レクセンター」(8月末で営業終了)や那覇市泉崎にある「沖縄かりゆし琉球ホテル・ナハ」(9月末で閉館)などの施設が、業態の変更や建て替えなどのためになくなってしまいました。
私たちの日常に当たり前にあったものが、急に無くなってしまうと心にぽっかりと穴があいたような気分になってしまいますね。これから沖縄がどうなっていくのか、それは誰にも分かりませんが時代の流れの中でひっそりとなくなってしまったものを記憶に留めておいてもらえればと思います。