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店内に守礼門!沖縄最古のディスカウントショップ「ビッグワン」のひみつに迫る
沖縄県内にお住まいの方は「ビッグワン」に一度は入ったことがあると思いますし、ひょっとしたら沖縄旅行で来た方もあの黄色い店舗は見たことがあるかもしれません。
ビッグワンの創業は1981年で、沖縄県で最古のディスカウントショップだそうですが、店内を見てみると…
守礼門。すげぇ。
うちなーぐちのワンポイント
タンスにゴン。実際にタンスのディスプレイ。どうやらタンスから手作りのようだ。
店内にラーメンで作られた守礼門があったり、ポップにうちなーぐちがちりばめられてたり、なんかもうノリノリなのです。
私達が普段何気なく買い物しているこのビッグワン。色々とひみつが隠されていそうな気がします。本日はひょんなことから社長さんにお話を聞ける運びとなりまして、ビッグワンについて色々と気になるところを社長さんにインタビューしてきました。
「ビッグワン」の名前の意外な由来
というわけでこちらが株式会社ビッグワンの代表取締役社長、久保田安彦さんです。本日はよろしくおねがいします。まずは会社のことについて聞いてみましょう。
- ビッグワンは沖縄で最古のディスカウントショップなのですか?
久保田社長:
はい。そうですね。弊社の創業は1981年なのですが、当時の沖縄はほぼ業主店、○○商店みたいなお店が主だったんです。そこに業態店、スーパーやホームセンターみたいな生活に合わせたお店ができあがってきたんです。そこで、そういったものを安く売る、というディスカウントショップという業態を始めたのは弊社が沖縄で最初ですね。
- 創業当時の写真。1号店は那覇店。
- 当時の店舗の様子
久保田社長:
もともとは「三星物産」という土産物屋が前身なんですよ。1981年にはそこのいち事業部という形で立ち上げて、だんだん力関係が逆転していって土産物店が無くなったという経緯ですね。
- ビッグワンという名前の由来は何なんですか?
ビッグAという全国展開のお店があったらしいんですね。私は3代目の社長なのですが、創業者がもともとそこと繋がりがありまして沖縄でディスカウントショップをやったら流行るんじゃないかとアドバイスを頂いて始めたそうなんですよ。そこでそのお店の「ビッグA」から「ビッグ」を(勝手に)貰って、沖縄で最初のディスカウントショップということで、そこに「ワン」を付けて「ビッグワン」という名前になりました。
守礼門に大漁船、店内ディスプレイの謎
右がWEB室 山田雅美さん(顔出しNG)
続いて店内のことについてお伺いしたいと思います。ここからはWEB室の山田雅美さんにもお話に参加頂きました。
- ビッグワンの店内って商品がずらっと並んでるじゃないですか。昔からあんな感じの陳列だったんですか?
久保田社長:
あれはどちらかといえば全国一のあのディスカウントショップをかなり意識してるんですよ。当初売り場を作る時も沖縄にあのディスカウントショップが無かった頃からわざわざ東京だったり大阪だったりの店舗に視察に行って参考にしていました。
みっちりと並んだ商品はさながらジャングルみたい
今も意識はしていますけどオリジナルな要素も増えてきていますね。POPに沖縄方言を使ったり、店舗に沖縄そばで守礼門を作ったりなど色々と工夫しています。
山田さん:
当社は販促物も全て自社オリジナルですね。店内のPOPを作るPOP室、店舗のレイアウトを考える販促室があります。当社の精鋭部隊です。そこは強みですね。
- そう!あの守礼門とかものすごいですよね。あれはどういう経緯で作られたんですか?
守礼門ならぬ玉城之門。
久保田社長:
うちの常務が飲んでるときに思いついて、POP室と販促室がそれを形にしています(笑)。守礼門の他にも大漁船や、大型冷蔵庫など色々やりましたね。
大漁船の友寄丸。
こちらはサプリメント「節王」という商品のディスプレイ。迫力がすごい。
頻繁に店舗に来ないと分かりませんが、売り場のレイアウトは季節によって大々的に変わっています。レイアウトを変えてうまくいく時もあれば、いかない時もあります。うまく行かないときは一晩かけてやっていても、すぐ作り直しますね。このあたりはセンスの問題だったりもします。
- なるほど、ただ雑多に積み上げられてるわけじゃなくて、緻密に計算されてるんですね。
久保田社長:
他にも販促という点でいうと昨年の11月から弊社のホルモン古波津という社員がその特異なキャラクターを買われてテレビやYouTubeなどの媒体で商品を紹介するようになりました。
ホルモン古波津オススメポップ。
元々は販促室に所属していたのですが、現在は彼ひとりが広報室に所属するという形になっています。
沖縄ならでは?こんな商品が売れている
ビッグワンでは店舗の面積に応じて店数は変わるが15,000から20,000くらいの商品があるのだそうだ。ではどんな商品が売れているのだろうか?
- 商品の中で沖縄ならではの売れ筋商品なんかもあるのでしょうか?
山田さん:
沖縄ならではといえば、線香・ウチカビは特に売れてるかもしれませんね。「線香・ウチカビだったらビッグワン」みたいなイメージを持たれているお客様もいるようで箱単位で買われるかたも沢山いらっしゃいます。そういうお客さんはユタだったりするようです。
あとは弊社はラーメンも強いですね。コンビニで200−300円くらいのものを弊社は99円とか100円で売ってます。季節限定のハロウィンパッケージみたなものを仕入れて安く販売したりもしていますよ。
カップラーメンは売れますね。特に台風前。普段食べない人も台風が来るとなぜかカップラーメンを買いに来るようです。今は台風の時、どこも開いてるんですけどね。これは沖縄ならでは県民性かもしれません。
他には海外の洗剤も得意です。県外でも送料かかっていいから売ってくれみたいな問い合わせもあるんですよ。
海外の洗剤は結構においが強いですが、沖縄では好まれる傾向にあるかもしれませんね。香りでいうとアルゲマリンのボディーソープという商品があるんですがこれも売れています。
- 店舗がある地域で売れるものが違ったりするのでしょうか?
久保田社長:
地域ごとで見てみると例えば甘いコーヒーと甘い紅茶も沖縄ではよく売れるのですが、特に宮古店と名護店は甘いものが売れる傾向にあるみたいです。
宮古、石垣でなぜか売れている焼き豚ラーメン。
他にもサンポー食品株式会社の「焼き豚ラーメン」という商品があるのですが、なぜか宮古店と石垣店で売れるんですよ。なので宮古店と石垣店のチラシにはわざわざこの商品を入れています。なぜかは分からないのですが、ひょっとしたら昔どこかが扱っていたのかもしれないですね。
あとは通販ものでしょうか。那覇店と小禄店、石垣店では通販商品が売れますね。特に小禄店は顕著です。うちはショップジャパンさんの商品の先行販売なんかもさせて頂いていて、沖縄で最初、へたをしたら全国で最初に通販の商品を販売することもあるんですよ。
ビッグワン本社には宇梶さんのサインも
通販といえば、ちょっと前に話題になった腹筋マシーンの「ワンダーコア」という商品をご存じでしょうか。弊社はあの商品を日本一売ったということでCMに出演していた宇梶剛士さんが一日店長として店舗に来てくれたこともありました。
どこにもない商品がある。そう、ビッグワンならね
続いてはオリジナル商品の話。
- ビッグワンの商品って色々なものがありますけど、オリジナル商品もあるんですか?
カラー扇風機。ボタンの色までこだわったのだそうだ。
山田さん:
はい。自社で開発した商品もありますね。例えば扇風機。扇風機の色といえば白か茶色くらいじゃないですか。それじゃ面白くないということで海外に発注して当社オリジナルでカラーを増やしました。これは若い方中心でかなり売れました。
他にもオリジナルといえばペットソファもあります。ペットショップなんかだとペットソファってそんなに種類がないんですよね。そこで当社は海外で企画して作らせて、27種類販売しています。
本社の倉庫の搬入風景。大量にある段ボール全てがペットソファなのだそうだ
他にもペットフードについてもオリジナル商品がありますね。また、ペット用品を扱う企業として「沖縄 野良猫TNRプロジェクト」の活動を支援させて頂いていたりもするんですよ。
バリエーションが27種類もあるペットベッド
- 27種類!すごいですね。結構オリジナル商品もあるようなんですが、作ってみたけど売れなかったものなんかもあるんでしょうか?
山田さん:
そうですね。オリジナル商品で靴下とトランクスを作ってみたんですが、これは全然売れなかったですね。あとは回転モップってあるじゃないですか。あれのカラーバリエーションを増やそうと思って黒い回転モップを中国に発注したのですが、商品が届いたら全て不良品だったということもありました。そういった商品は販売できないので結局出せなかった、みたいな話もありますね。
- 今企画しているオリジナル商品なんかもあったりするのでしょうか?
山田さん:
「新婚さんいらっしゃい」という番組の景品の「Yes/No枕」という枕をご存じでしょうか。今あれをアレンジした商品が販売できないかと思って企画しています。うちなーぐちバージョンみたいな枕ができれば楽しいかな、と。これはおもしろ常務イチオシ商品です。
Yes/No枕が分からない世代の人はネットで調べてみよう。
- ビッグワンでしか買えない商品って結構あるんですね。
久保田社長:
そうですね。「どこにも無い商品」を作っています。しかし、「どこにも無い商品」って売れないんですよ(笑)。売れていればどこかにあるはずですからね。しかし、どこにも無い商品があたる時がある。そんなときは爆発的に売れます。ビッグワンの商品の中には「売れる商品」と「売る商品」があって、「売る商品」を「売れる商品」にするのが販促室やPOP室のミッションです。
弊社は企業さんからの商品の持ち込みもありますが、個人で細々とやっているような小さな生産者さんも商品を持って来やすいので、そういった商品を取り扱ってそれが売れることもありますね。また、仕入れ先は沖縄にこだわっていません。常務が他府県の地方で作られているものにもよいものがあるんじゃないかということで、そういう事に鼻が利くんです。
こちらが「唐船峡めんつゆ」
例えば鹿児島県指宿で作られていた「唐船峡めんつゆ」という商品は爆発的にヒットしました。
- まさにお店のキャッチコピー「よい品をいつも安く」ですね。常によいものを探している、と。
そしてこれからのビッグワンについて
- 最後にこれからのビッグワンについて教えて下さい。
久保田社長:
これからの展開ですが、店舗をどんどん増やしたい。皆さんにとってもっと店舗が身近になるようにしたいですね。ある程度ビジネスモデルが固まってきたので、それを表現するのは店舗である、ということです。
ビジネスモデルが固まってきたというのは、販促室だったり、ホルモン古波津だったり色々なことが形になってきたんですね。そして企業としてのベースも固まってきました。それは「ビッグワンって変わっているよね、面白いよね」「ビッグワンって他のお店とは違うよね」みたいなお客様の声ですね。差別化はできている、と。あとはそれを表現する店舗をつくっていくというところですね。
- なるほど!本日はありがとうございました!
そして緊急コラボ企画「ビッグワンチャレンジ」始まります。
というわけで本日は沖縄最古のディスカウントショップ、ビッグワンからインタビュー記事をお送りいたしました。こうやって裏側の話を色々とお伺いできると、ビッグワンでの買い物もさらに楽しくなりそうですよね。沖縄に観光で来られた方も気になった方は、ぜひ足を運んでみて下さい。
そして、このタイミングで告知ですが
ビッグワン×DEEokinawaコラボ企画 「ビッグワンチャレンジ」
が近日公開される予定です。ビッグワンのイチオシ商品を使った、あんなことやこんなことを企画しております。皆様乞うご期待くださいませ!