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冬瓜はかんぴょうの代わりになるのか
Kさんよりお便りをいただきました。
「かんぴょう」といえば巻き寿司の具材で使われる「かんぴょう巻」が有名でしょうか。かんぴょうは、ユウガオの品種であるフクベというウリ科の果実を細長く切り出して乾燥させたもの。そのほとんどが栃木県で生産されています。
沖縄ではあまり馴染みのない食材かもしれませんが、かんぴょうの原料であるユウガオは「チブル」と呼ばれ、ンブシーや汁物などで食べられています。
冬瓜はかんぴょうになるのか、作ってみたいと思います。
冬瓜を切り出す
冬瓜のほかに、同じウリ科のモーウイ(赤瓜)も用意しました。
さすがに専用の器具は用意できないので、扇風機の羽根を外してモーターと軸を代替に。
水分が多いので、故障しないよう隙間をラップで塞ぎます。
かんぴょうを作っている作業風景はテレビで見たことがあるので、なんとなくのイメージはできています。
まぁ、残念な結果に。冬瓜の重さに対しモーターの力が弱く、軸はズレていき、実が柔らかいためブレブレになってしまい切り出せたものではありません。扇風機ではダメなようです。
ちょっと作り方は変わってしまいますが、似た感じで切り出せそうなものがありました。かき氷器です。
クルクルと回せば、底に付いている刃で薄く切り出してくれるはずです。
!!!
予想以上に長く切り出せました。かき氷器、他の何かで使えそうな気がします。
- モーウイは細く、直径が合わない
- かなり短め。普通に切ったほうが良かったかも
同じようにモーウイも。直径が細く空回りしてしまうので長く切り出すことができませんでしたが何とか形になりましたと。
干す
乾燥させます。かんぴょうは寒い日の早朝に作られ、室内で乾燥させるそうです。最近の沖縄は、湿度が50%を下回る日も多くなってきて空気が乾燥してきました。まだまだ日差しはそれなりに強烈なので、天日干しすればカラッと乾燥させることができるのでは。作り方は違いますけど。
- 気温は27度。湿度は22%表示だが45%くらいかと
- 最高の乾燥日和です
正午から天日干しを開始。翌日の正午まで乾燥させます。
16時頃。だいぶ乾燥してきたようです。触ってみるとしっとり。
- 24時間経過
- だいぶ縮まりました
24時間経過したので乾燥は終了。パリパリになるほど乾燥していません。例えるなら「さきイカ」みたいな感じです。
出来栄えはどうか
- 冬瓜。長いもので80cmくらい
- モーウイ。10cmほど
- 見た目はかんぴょうっぽい
- 皮が付いているので見た目はりんごチップス
冬瓜は旨味が凝縮された匂い。嗅ぐと唾がじゅわっと出てくる感じ。モーウイはきゅうりの浅漬っぽい匂い。
調理する
まずは水でもどします。
- 意味があるかはわからないが軽く塩もみ
- 同じく塩もみ。やっぱりイカっぽい
水でもどしたものを、しょうゆ、みりん、酒と出汁で炊きます。
食べる
冬瓜
水で戻した時の感触は麸を戻した時みたいにフニャフニャしっとりで、味がよく滲みます。ほぼ切干大根。
生の冬瓜を煮物にした時よりもぐっと旨味が凝縮されていて、噛むほどに味わいが増す感じ。単体では冬瓜独特の匂いが強めに出るのでコレ系の匂いが苦手な人もいるかもですが、油揚げとか人参とか他の具材も一緒に炊けば気にならないだろうレベル。
モーウイ
水で戻した時点では千切れそうでモロかったモーウイの食感は、意外やシャキシャキでたくあんみたい。冬瓜とは全然違います。味は程よく馴染んでいますが、やはりきゅうり的な香りがかすかに残るのと、いかんせん食感に全てを持っていかれる感が。さっぱり系なので夏にいいかも?
冬瓜はかんぴょうの代わりにはならない
冬瓜はかんぴょうの代わりになるのかということでしたが、個人的にはならないと思いました。一番の違いは食感。冬瓜は柔らかすぎるし、モーウイはコリコリしすぎ。厚みを変えたところでこの違いは変わらないと思います。でも、干すことで旨味が増すし保存も効くしで、普通のおかずとしてアリなのではという結果でした。
最後でなんですが、実はかんぴょうって苦手なので、あまり食べたことがありません。