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昔ながらのアーサイリチーの材料はアーサじゃない
「アーサイリチー」はイリチーの代表格らしい
先日、1966年に月刊沖縄社から発行されている、料理研究家の田島清郷という方が琉球料理のレシピをまとめた「琉球料理」という本を読んでいたのですが、そこで気になる内容を見つけました。
「イリチーは野菜を油で炒めたもので数多くありますが、代表的なものはアーサイリチーです(「琉球料理」月刊沖縄社 1966年 田島清郷著)」「本土の方がみえた場合には必ずこれを琉球独自の料理として供せられたのです。その味のよさは大評判だったそうです(同前)」
イリチーとは炒め煮のことで、私の聞きなれたイリチー料理では「パパヤーイリチー」とか「クーブイリチー」などですが、アーサイリチーは初めて知りました。
興味を持って読み進めていくと、どうやらアーサとはあの海藻のアーサではなく、「アーサ=じゅずも(又は畑アーサ)」と材料に書かれており海のアーサとは異なり陸に生えているそうです。
どんなものか調べてみると…
学校のグランドに生えているヌルヌルした緑色の物体でした…
小学生の頃、これを踏んで転んだのを思い出しました。
本には「味は大評判」と書かれているのですが、本当に食べれるのだろうか…。というわけで本日は実際にアーサイリチーを作ってみて本当にうまいのか、調べてみたいと思います。
モーアーサーを求めて
では早速モーアーサを取りに行きましょう。あのヌルヌルしたものを採ってる姿はかなり怪しい感じになりそうなので、人がいない朝の5時30分に収穫を開始します。
早朝は風が涼しく静かで気持ちが良いです。
考えてみたら早朝にカメラ持って民家を歩いてる時点で怪しい人になってる…
モーアーサといえば学校のグラウンド。グラウンド近辺を探します。
たしか、木の根元や草が生えてる所にあったような…
あっ!あった!
真夏で乾燥しているせいか、想像していたものより小さくてカサカサしているのですが、モーアーサです!早速帰って調理開始です・・・
モーアーサでイリチーを作る
トゥルトゥットットットゥトゥ♪
(脳内では3分クッキングの音楽が流れています)
それではレシピ通りにイリチーを作ってみましょう。
【材料】
・モーアーサ
・カマボコ
・カステラ(カステラかまぼこ?)
・三枚肉
・肉だし
・椎茸
材料にはカステラと書かれていたのですが、カステラかまぼこ(魚のすり身に卵を加えた黄色いかまぼこ)だと思われます。
- 乾燥したものを
- 戻します
まずは、モーアーサを綺麗に洗います。
水に入れると簡単に枯れ草などを分ける事ができました。
- 念のために長めに茹でます
- すっかりプルプルになりました
綺麗になったモーアーサを茹でて、キッチンペーパーなどで水気を取ります。
続いて、他の材料も下ごしらえをしていきます。
豚肉の茹で汁は後で使うので取っておきましょう。
モーアーサ以外の材料を賽の目に切り準備完了です。
料理っぽくなってきました。
先ほどの茹で汁に豚肉を入れて中火で少し待ちます。
- どさっとモーアーサを投入
- 他の材料も
全ての材料を入れて塩を少々ふり、全体を絡ませていきます。
茹で汁がなくなるまで煮込んだら完成です!
アーサイリチーはうまいのか
じゃーーーん!!できました!!
見た目的に・・・グランドに生えてる緑の物体が絡まった感じになっていまいましたが、いざ実食!!
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んっん!!美味!!
ワカメの様な食感と味で歯ごたえもあり、他の材料ともとてもマッチしています!!(※味が意外過ぎて、実食の写真を撮るのを忘れてました・・・ )
あの緑の物体がここまで美味しいとは…!商品化されても良さそうな味です!
さて、ここまで来てふと疑問に思ったのですが、ならば海藻のアーサをイリチーにしたらどうなのでしょうか?
見た目がちょっとあれなのは、私の料理の腕のせいです…
・・・ん~・・アーサのぬめりと磯の香りが強く、全体の味を崩している感じがします…。海藻の方のアーサはイリチーにはあまり向かない食材のようです。
というわけで昔ながらのアーサイリチーを再現すべく、グランドに生えている「モーアーサ」を食べてみましたが、美味しい!! 良い意味で予想していた結果と違いました(笑)
まぁ生えている環境によって、身体に悪影響があったりするかもしれませんので、試してみたい方は生えている場所を選んで採取するのが良いかと思います。
ちなみに、妻に「モーアーサ」の試食を勧めたのですが、速攻で断られました。