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さようなら那覇バスターミナル
那覇市の中心部、県庁や那覇市役所などからも程近い場所に位置する那覇バスターミナル。
沖縄本島内を行き交う多くのバスがここを発着点としており、地元住民や観光客にも多く利用されています。
その那覇バスターミナルが、隣接するゆいレール旭橋駅前の再開発により建替え工事が行われることとなり、先日4月5日(日)で一旦現在のターミナルでの営業を終えることとなりました。
(新しい大型ホテルなどが立ち並ぶ旭橋駅前)
私も、沖縄移住前に旅行で訪れたとき、また車を持っていなかった移住当初、よくお世話になりました。
そんな思い出の詰まった那覇バスターミナル。
5月から現在の建物の解体工事が始まり、9月には新しいバスターミナルが入る複合施設の建設が始まるということなので、現在の姿を記録しに行ってきました。
各のりばは周辺のバス停に移動
ゆいレール旭橋駅の改札を出て左側すぐの場所に位置する那覇バスターミナル。
コンクリート造りのターミナルビルからぐるっと円を描くように屋根付きの停留所が並び、その中央のスペースには運行していないバスが停車しています。
旭橋駅に直結している階段の下に、プレハブで臨時バス乗車券販売所・案内所が設置されていました。
プレハブ小屋の壁にはバスターミナル工事中の臨時停留所の案内看板が。
地図に【A】で示された国道330号沿いの11~14番ホームは工事中も現在と同じ場所にそのまま残り、その他の路線は周辺の旭橋・旭町・上泉・県庁北口の各バス停留所にのりばが移るとのことです。
旅愁をかきたてるレトロなバスターミナル
右側に見える新しい高層建築物との対比により、より一層レトロな印象を受けます。
この場所から南城市の新原ビーチまでバスで遊びに行ったりもしました。帰りのバスで運賃を払おうと思ったら1万円札しか無くて運転手さんに怒られました。それもこれも懐かしい思い出です。
アナログ時計付きの黄色い行き先案内板。新しいバスターミナルでは液晶表示とかになってしまうのでしょうか。
- 柱の根本など老朽化が目立ちます
- ポストもサビサビ
ターミナルビルの2Fにあがると薄暗く長い廊下が。
今は空っぽとなったテナントスペースが。
建物は古いとはいえ那覇の一等地とあってか、広告代理店などが数社入居していたようです。
DEEokinawaの事務所がここにあったらまた面白かったかもしれませんね。
- お手洗いの電光サインがレトロかわいい
- "トイレの壁を削るような異常な音"とか怖い
- バスのイラストがかわいい!
- ここで切符が買えるのも今日で最後
以前は構内売店があったのでしょうか。今はシャッターが閉まっていました。
拝所と歌碑が
うっかり見過ごしがちなのですが、なんと那覇バスターミナルには拝所が。
ターミナルビルの旭橋駅側、階段の下あたりにあります。
ちいさな赤い鳥居と、その背後には大きな岩が。
この岩がかなりの大きさなのですが、見上げると上に石碑のようなものが見えます。
なにか文字が彫り込んであったのですが、残念ながらはっきりとは読み取れませんでした。
岩の側面に回りこむと案内板がありました。
この岩は"仲島の大石"といい、沖縄県指定史跡・天然記念物なのだそう。
説明によると、高さ約6m、中央部の周囲は約25mの琉球石灰岩で、岩の下の方は波に侵食されてくぼんだ「ノッチ」と呼ばれる跡があり、昔このあたりが海岸であったことを示している。とのこと。
仲島の大石の裏側、旭橋駅側の歩道沿いには歌碑が。
『橋内の 誇りも髙き 泉崎 昔も今も 人美しく』"那覇市名誉市民 石川正通先生歌碑” とあります。
石川正通 (いしかわ・せいつう)
1897~1982(明治30.9.25~昭和57.12.2) 大学教授(英文学)、極東国際軍事裁判の通訳官。那覇区下泉町生まれ。東北帝大卒後、青山学院講師、京華高校教諭。戦後は順天堂大学、国士館大学教授。歌碑がある。
琉球新報「沖縄コンパクト事典」より
これら拝所と歌碑は今回の建替え工事でいったいどうなるのでしょうか。
歌碑は移転できますが、仲島の大石に関しては移転は難しいと思うので気になるところです。
みつ食堂は残念ながら閉店に
ターミナルビルの2階にある唯一の食事処『みつ食堂』。
以前の記事『【気になるメニューを注文してみる】みつ食堂』でNaokiが訪れていましたね。
入り口のドアに閉店のお知らせが。
残念ながら、バスターミナルの建替え工事に伴って閉店となるそうです。
気になる謎メニューの制覇は夢叶いませんでした。
バスターミナルの食堂の沖縄そば。これまで何人の胃袋を満たしてきたのでしょうか。
素朴な沖縄の味がしました。
みつ食堂のみなさん、52年間の長きに渡る営業お疲れさまでした。
さようなら那覇バスターミナル
現在の那覇バスターミナルがある場所には、新しく地上11階・地下1階建ての複合施設が建築されるとのこと。
施設内には駐車場や県立図書館も入るとのことで、利便性は格段にアップすると思いますが、現在の那覇バスターミナルがすっかりなくなってしまうというのはやはり寂しいものですね。
この記事で、現在の姿を記憶にとどめておきたいと思います。
これまでありがとう、そしてさようなら、那覇バスターミナル。