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沖縄建築百景(南部編 vol.2)
普段素通りしてしまう建物でも、見方を変えるとオッという発見もあります。
前回の沖縄建築百景(南部編 vol.1)に引き続き、今回も南部にあるステキな建造物をご紹介したいと思います。
糸満市庁舎(糸満市役所)
糸満市庁舎
2002年竣工。設計は日本設計。全国自治体の中では最大規模の省エネ庁舎。
南側正面にはルーバー状になった屋根。ここに1000枚の太陽光発電パネルが設置されています。遮った太陽光で発電しつつ風も通します。
- 東と西面は有孔パネルで直射を和らげている
- 1000枚の太陽光発電パネルが屋根代わり
ちとせ商店街ビル
ちとせ商店街ビル
むつみ橋から歩いて第一牧志公設市場を過ぎ、浮島通りに出る手前にある建物。宮古そばのお店「田舎」がある建物といえばわかる人も多いのではないでしょうか。
4つの建物が廊下で繋がっていて、曲線と柱をうまく取り入れた吹き抜けが多くあります。
アジアの雰囲気があるといわれる公設市場周辺ですが、このあたりは特にその雰囲気があります。なんというかベトナムっぽい。
南風原高架橋
南風原高架橋
1996年竣工。那覇空港自動車道の西原JCTから、南風原北ICの間に掛かる、橋長828mの高架橋。
実はこれ、あまり知られていませんが沖縄が誇る世界一の橋。
RC21径間連続開腹アーチ橋という構造形式で、この21連続アーチ橋というのが世界一なんだそうです。
街中にあっても目立たなそうですが、この緑の丘陵地だからこそ映えるアーチ橋なのではないでしょうか。
グスクや石造アーチ橋に見られる曲線の美しさをリズム感よく並んでいます。
2002年の土木学会デザイン賞の優秀賞を受賞した橋でもあります。
糸満ホーリネス教会
糸満ホーリネス教会
設計竣工年は不明。糸満市照屋にある教会。白い外壁に差し色のオレンジが映える教会建築。
コンクリート造の建物。瓦葺の屋根に十字架が乗っている教会も今となっては珍しいのではないでしょうか。後から乗せたようにも見えるので、もともと教会ではなかったのかもしれません。
宜次製糖工場跡
宜次製糖工場跡
1944年完成。八重瀬町宜次にある製糖工場跡に残る高さ約20mの煙突。八重瀬町の文化財になっています。
製糖工場は沖縄戦で崩れ落ちてしまったので残るのはこの煙突だけ。レンガをひとつひとつ手で丸く積み上げたそうです。
- 手積みのレンガ
- あちこちに弾痕が残る
1944年に完成しましたが、沖縄戦は激しさを増してきたため、働いていた男性たちは徴兵され、残った人達は避難することに。稼働したのは数ヶ月ほどだったそうです。
今では貴重なレンガ積みの煙突。もう少し保全に力を入れてもいいような気がします。
まだまだあります
今回は土木と戦跡も紹介してみました。
普段は上を走ることが多い南風原高架橋ですが、世界一と聞くと見る目も変わるのではないでしょうか。
宜次の製糖工場跡は、小さいレンガがモザイクタイルのようでとても美しいですよ。
次回はちょっと北上してみましょう。