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照喜名商店 閉店の集いに行ってきた
みなさんは、南風原町大名にある「照喜名商店」をご存知でしょうか?
南風原イオンの近くにあるガジュマルで覆われた商店と言えば、通って見たことがある人や、知っている人も多いのではないでしょうか。
創業約50年の照喜名商店ですが、残念ながら2015年1月9日に閉店してしまいました。理由は道路拡張のため。
お店は県道(左の道路)と町道(右の道路)がぶつかる三差路に建っています。町道は首里に抜ける道として交通量が多いのですが、道幅が狭く、歩道もないため拡幅するのだとか。私もよく通りますが、電柱もはみ出てるし、結構な坂道なので、スピードも出やすい道だと思ってました。
道路拡張が閉店理由というのは残念ですが、このような小さな商店が閉店するにあたり、閉店の集いという会を催すのは、とてもめずらしいことではないでしょうか。気になったので行ってきました。
閉店の集い
実はお店に来るのは初めてなんです。でもよく通る道だし、かわいいお店なのでいつか来たいと思っていましたが、最初で最後になるとは。
閉店の集いは17時から。
17時を過ぎると、近所の人達が花束などを持って続々とお店に集まってきます。年配の方から親子連れも多く、何世代にも渡って愛されてきたお店なんだなぁという印象。
入り口で様子をうかがっていると、気さくに招き入れてくれました。開会の挨拶とかはなく、20人ほど集まった人達がワイワイと思い出話に花を咲かせているようです。
照喜名さんのご家族の職場の女性が三線で盛り上げたり、くわっちーが振舞われたりしました。
店主のヨシ子さんは今年で88歳。初めて合う私達にもカメーカメー攻撃です。
お寿司や刺し身などのオードブルの他、豚汁もいただきました。
1時間ほどすると、店内には入りきれない人も。店先にテーブルと椅子を出してゆんたくです。
歴史を感じる店内
冷蔵庫にはビールやジュース。もう売り物ではなく、この日の冷蔵庫に
コンクリート造りのお店。
外壁は塗りなおしたりしているので、50年の歴史があるようには見えなくてまだまだキレイです。
力石
約50年前の創業当時は、アスファルトもなくのんびりとした場所で、ガジュマルやフクギが生い茂り、店のすぐ近くには公園があり地域の青年にとって憩いの場だったそう。
公園の鉄棒に並んで人気だったのが「力石」と呼ばれる大きな石。
この力石、大中小と3つあった石の大で、「男2名でも持ち上げられんかったよ〜」と。
やっぱり持ちあげることはできず、転がす感じで店内に運んでました。その体勢、腰やっちゃうよ...!
ガジュマルはどうなる?
シンボルであるガジュマルは、3本あるうちの正面向かって右の木。樹齢100年のこの木だけが残るそう。ヨシ子さんが物心つく頃には立っていたそうです。この場所に留まるか、どこか別の場所へ移植されるかは、あとひと月くらいで決まるのではというお話。
数十年経てばお店全体がガジュマルに覆われていたかもしれません
- 掲示板に絡みつくガジュマル。こうなるのに何年かかるのでしょうか
- 店の裏側にも大きなガジュマル。これも伐採される
伐採されてしまう方のガジュマルも、太くて立派な枝ぶりを見て名護の森林センター(※おそらく、県の森林資源研究センターのこと)から枝を分けて欲しいとの持ちかけもあるそう。
「この木に住んでるキジムナーのことも心配だったけど、1本は残るからみんなその木に引っ越ししたはずね」と、ヨシ子さんの息子さん談。来る人みんなが写真を撮っていく姿が何とも印象的でした。
ガジュマルはどこかで
miooon親子とヨシ子さんで記念撮影
閉店というと、ひっそりと閉店したり、貼り紙1枚だけでお知らせしたりするのが多いと思いますが、地元のみんなと笑って思い出話をしながらのこういう閉店の集い、いいですね。
とてもステキな会でした。個人商店、好きだなぁ。