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鬼餅伝説のムーチーを再現してみる
今年もムーチーの季節がやってきた
旧暦12月8日は鬼餅(ムーチー)の日。
市場やスーパーマーケットなどにはこの時期たくさんのムーチーが並んでいます。
ここ沖縄では、子どもが生まれて初めて迎えるこの日を初(ハチ)ムーチーと言い、たくさんムーチーを作って親戚や近所の方に配る慣習があります。なんと今年はDEEokinawa編集部メンバー3名の子どもたちが初ムーチーを迎えることとあいなりました。
まずムーチーの由来については、過去のこちらの記事をお読みください。
鬼になった兄が鉄入りのムーチーを美味しそうにバリバリ食べたというくだりがあるのですが、いくらかわいい妹から勧められたとはいえ、果たしてあんなにうまいこと騙されるものなのでしょうか。
というわけで今回は伝説のムーチーを再現し、本当に鬼が騙されるようなムーチーだったのか、確認してみたいと思います。
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ムーチーを作る
なにはともあれムーチー作りです。
材料はこちら。今回はいたってシンプルな黒糖味でいきたいと思います。
- もち粉と黒糖を混ぜあわせて水を加え
- 耳たぶくらいの硬さになるまで練ります
適当な大きさに丸め、月桃の葉っぱに包んでいきます。
さて、伝説のなかではムーチーのなかに鉄のかたまりを入れたようですが、鉄のかたまりなんて一般家庭にはなかなかありません。鉄アレイ?とも思いましたが、そもそも妹が食べているムーチーとあまりに大きさが違うと兄が不審に思うでしょう。ある程度、さりげないサイズ感でないといけません。
というわけで家のなかを探して見つけた適当な鉄がコレ。
スパナ。
- ムーチーに包み込むと...
- あら不思議!他のムーチーと見分けがつきません
- 蒸すことおよそ30分
- ほかほかムーチーのできあがりです
ロシアン形式で食べてみる
鉄入りムーチーができあがったところで伝説を検証してみることに。
まず『見た目』と『におい』で鉄入りムーチーがどれか分かるのかどうか確認してみます。
- 見た目では全く分かりませんでした
- においでも全く分かりませんでした
見た目とにおいでは判断できなかったので、私とmiooonのロシアン対決形式で実食に入りたいと思います。
いざ。
・一回戦
よし、じゃ手前のこれでいこう。
うん、おいしい。
うーん、これかな。
はふはふ。うまー。
一回戦はふたりとも普通のおいしいムーチーでした。
それにしても蒸したてのムーチーはたまらない美味しさですね。
・二回戦
次はこれいこう。
うまいうまい。小ぶりだからどんどんいけるわ。
そろそろ出そうな気がするけど...。
大丈夫。おいしーい!
ここまで両者とも譲らず。美味しいムーチーを堪能。
鉄ムーチーやいずこ。
・三回戦
...あっ!
ここにきて手にとったのは明らかに今までとは重さの違うムーチー。
- うん、これは。あきらかに違うよね。
- ちょっと見えてるし。
予想はしていましたが、鉄入りムーチーは違和感のあるずしりとした重さで一瞬でわかりました。
鉄入りムーチーは一瞬でばれると思う
というわけで、鉄入りムーチーはだれでも持っただけで一瞬で気づくレベルでした。
きっと鬼餅伝説の兄は、かわいい妹の勧めだからと鉄入りだとわかったうえで美味しそうに食べたものすごく妹思いの兄だったのか、もしくは普通のムーチーとはどんなものか知らなかった世間知らずの兄だったかのどちらかなのでしょう。
スパナムーチーはスパナを外して残りを美味しくいただきました。
いい鉄分補給になったと思いたいです。おすすめはしませんが。
それから訳の分からない初ムーチーになってしまったことを、この場を借りて息子に謝っておきたいと思います。
すまない、息子よ。これがかーちゃんの生業だ。